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2008年5月6日火曜日

移民政策について

 なんかネットのニュースを見る限り、自民党が移民受け入れについて議論を始めると発表したようです。それに対して2ちゃんねるをはじめとしたネットの世論は若者の切捨てを始めたなどと、どちらかと言うとこの動きに反対する言論が強いように見えます。

 実は私、四年前辺りからあっちこっちで移民論を周りに吹っかけて回ってました。そのきっかけとなったのはドイツ事情を勉強した際に、そのとき教えてもらっていた先生に、
「ドイツは移民でもめているけど、日本もそろそろ本気で考えなくてはいけない時期に来ている。実施する、しないはともかくとして、議論が全く行われていないというのは非常にまずい」
 と、話を聞いてからです。それからあちこちで聞きまわったりしていると、現状で日本は毎年約200万人は移民を受け入れないと経済を維持できないという数字までているようです。

 そこで私の意見ですが、はっきり言って早く移民を受け入れるべきでしょう。よく移民を受け入れると犯罪が増えるとか何とか言われますが、これはどこかで聞いた意見ですが、外国からの移民をいくら制限しても儲ける所に犯罪者は無理してでもやってくる。それならばまともで優秀な人間をきちんと受け入れるべきだという識者がいましたが、この意見に非常に同感です。
 というのも、私自身それを痛感したことがあります。それは留学中のことで、授業で一緒だった姉後肌のフィリピン人華僑の姉さんが私に、
「私はフィリピンで日本の広告代理店がやってる現地法人に勤めていたんだけど、将来は日本で働きたいけど無理かなぁ?」
「あなたは英語が上手だし、中国語もこのクラスで一番うまい。それにすごい面倒見が良くて賢い人ですけど、日本の企業は日本語が出来なければどんなに優秀でも正社員として雇ってくれません。それがたとえ、日本語しか話せない日本人社員より優秀であっても」
 というように答えたことがあります。聞くところによると、どうも日本は外国人を雇うのに閉鎖的過ぎる気がします。

 こういった背景に加え、ようやく先月に朝日新聞も一面で取り上げてくれましたが、すでに現在の日本の農業を支えているのは中国人の出稼ぎ労働者達です。農繁期に必要な労働力がすでに日本の農村にはなく、すでに各地で中国人の出稼ぎ農民が日本の農家に住み込んで働き、日本の食糧も作っているのです。この現状を見て、移民をすべきでないと言うのははっきり言って狂気の沙汰としか言いようがありません。すでに日本は食糧の輸入だけでなく生産すらも外国人頼みなのです。ちなみに、これら農村の現状についてはNHKはかなり早くから報道しています。

 しかしこの出稼ぎ農民も非常に多くの問題を抱えています。まず各地で設定されている最低賃金が払われていない、というより最低賃金が払えないために払う義務の要らない外国人が雇われています。それでも相手がまだ納得する金額ならともかく、あくどい所では最初に取り決めた賃金すら払わない斡旋業者などが横行し、帰国するにも帰国できない外国人がいるとすら言われます。

 こんなことを続けていればそれこそ日本に対していい感情を持つわけありません。こうした草の根的な思想は確かに小さいですが、積もり積もって将来的に大きな火種となることすらあります。こうした問題を回避するため、必要な労働力を相手もこっちも納得できる手段で集め、そして日本での生活で問題が起きないようにするため、移民についての議論を始めるにはむしろ遅きに失しています。だからこそ、今こうした議論が早急になされる必要があると言うのに、一部でなされている議論は視野が狭いものだと、ちょっと今日は強気に非難しておきます。

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