2008年5月12日月曜日

トービン税とはなんぞや

 昨日にアンチグローバリゼーションについて語った際にトービン税というものを紹介しましたが、タイムリーに今朝の朝日新聞朝刊にて、ソニー・カプールさんという、見ていてとっても面白い名前の元デイトレーダーのおじさんが、「国際連帯税を世界は導入すべきだ」と主張している記事が載っていました。敢えて言いましょうか、なぜ朝日新聞は「トービン税」という名称を用いなかったのでしょうかね。勉強不足でしょうかわざとでしょうか。

 この朝日新聞の記事に載った「国際連帯税」というのはまごうことなきトービン税です。確かに、名前だけを見るなら「国際連帯税」というほうが日本語らしくてわかりやすいですが、ちょっとこの名称だと本来の意味から外れているような気もするし、昨日に話したように世界ではこのトービン税という名称が普及していることを考えればこっちを用いたほうがいいと私は思います。

 さて、こんないきなりいちゃもんつけるような内容から始まりましたが、今日はざっくりこのトービン税について説明します。まぁ知らなくてもしょうがないけど、せめて経済学部の学生くらいは知っておいてほしいないようですね。
 このトービン税は1972年にノーベル経済学賞も受賞したジェームズ・トービンが提唱した税制で、国際通貨取引、つまり資本が国境を越える際にかける税金のことです。例証すると、日本国内で日本の銀行に預金してあるお金を使い、海外の証券、中国株などを購入する際に一部を税金として支払わねばらないというような制度です。無論、現在のところこんな税制を持っているところはどこにもありません。
 というのも、国際社会全体で実施しなければ意味がないからです。一つの国だけでやっても、その国だけ海外からの投資が滞るだけで、実質的に効果がありません。

 ではこの税制はなぜ提唱されたのでしょうか。その理由というのも、いわゆるヘッジファンドらが突然大規模な投資を行い、また突然にその資金を引き上げるという行為は、市場に与える弊害が大きいからです。
 具体的な例を挙げると、90年代後半に起こったアジア通貨危機がまさにその典型です。これは相場制度の整備が遅れ、実際の価値以上に相場が高かったタイ通貨バーツに目をつけたヘッジファンドらが、その所有する大量の資金を使って猛烈に投資し、その効果によって株価が急激の上昇した後に一気に売りぬいた事件です。その結果、タイはもとより周辺アジア諸国で一挙に通貨の信用不安が起こり、経済がめちゃくちゃになるなど大打撃を受けました。特に韓国などは現在に至るまでその弊害が続いているほどで、進行アジア諸国に与えた影響は大きい事件です。詳しくはウィキペディアのこの項目を見るともっとわかりやすいでしょう。

 こうした、マネーゲーム的な投機は正常な経済成長を妨げるといわれており、実際に南米諸国ではこのアジア通貨危機のように混乱が引き起こされて実証されています。そういった投機を防ぐために、一定の税金をかけて制限をかけるというのがこの税制の目的です。現在このトービン税の実施を一番主張しているのはフランスで、昨日に紹介したNGO団体の「ATTACK」が中心となって活動をしております。

 私自身はこのトービン税の導入を支持しています。なお、こうして集められた税金は発展途上国支援に使うとATTACKは主張しており、それについても私は大賛成です。

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