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2009年4月15日水曜日

赤報隊事件手記、週刊新潮の降伏

【新潮誤報 編集長インタビュー(上)】掲載理由の一つは「証明できないが、否定もできなかったから」(YAHOOニュース) 
 上記にリンクに貼った記事に書かれているように、とうとう週間新潮が私も長らく記事を書いてきた赤報隊事件の犯人手記が誤報であったと認めました。今日の発表を受けてSophieさんなんてすぐに祝電送ってくれましたが、私としても自分の見立てが間違っていなかったとニュースを見るなり手を叩いて喜びました。
 それでこの新潮の降伏についての私の意見ですが、結論から言えば新潮がこのくだらない茶番に見切りをつけるのも遅かったし、今回の騒動についての編集長のインタビューを聞いててやはり恥の上塗りにしかなっていないと思います。

 まず折角書いたのだからこれまで私がこの赤報隊事件手記について疑義を呈してきた記事をまとめて紹介します。

週刊新潮、赤報隊事件の犯人手記について
週刊新潮、赤報隊事件の犯人手記について その二
週刊新潮、赤報隊事件の犯人手記について その三
週刊新潮、赤報隊事件の犯人手記について その四

 実は先週の段階で、この手記の主人公ともいえる赤報隊事件の犯人だと名乗り出てきた島村氏が新潮の口車に乗せられてしまったと、なんと当事者である朝日新聞に対しての謝罪を載せた記事が朝日新聞に島村氏の顔写真つきで載せられていました。もうその段階で今回のこの新潮の連載記事は真っ赤な偽物だということははっきりしていたので後はいつ新潮が認めるものかと待ち構えていましたが、意外と粘ってようやく今日になって記事は誤報であったと認めました。
 恐らく、今回の新潮の降伏には会社上層部からによる強い指示があったと思います。というのも今の週刊新潮の編集者は先週の段階で既に更迭が決まっており、新潮社側は今回の記事と更迭は関係ないとは言ってはいたもののリンクに貼った記事でその編集長が未練たらたらに言い訳しているのを見るとこの編集長がなかなか取材ミスを認めなかったために会社が直接手を下したのだと思います。

 そんな編集長の言い訳ですがリンクに貼った記事の見出しにも書かれているように、「証明できないが、否定もできなかったから」と、聞いてるこっちが呆れてくるようなことを言っています。本来マスメディアというのはその影響力の強さから細心に細心を重ねて取材を行いながら徹底して事実を確かめた上で報道しなければならないというのに、「否定もできなかったから」というのを逃げ道にして誤報を流してしまったというのであれば言論人はおろか一般人としての風上にもおけないでしょう。

 またこのリンクに貼ったインタビュー内で言っている編集長の言い訳も、私からしたらとても信じられないくらいにひどい内容です。まず島村氏の証言にブレが無くリアリティがあったから信じてしまったと言っていますが、連載されている記事を読む限りアメリカ大使館員が犯行の指示犯というとてつもなく荒唐無稽な内容の上、事件当時の状況についても警察で公開されている情報との比較すら行っておらず(見事に証言とは矛盾している)、とてもじゃないですが情報の真偽を確かめた跡がまるで見当たりません。
 その上証言者の島村氏は新潮側から90万円を受け取ったことを明かし、「向こうの作った話に乗せられた」と話しており、島村氏に騙されたという新潮側の証言と食い違っている点について何の言及もないのが非常に疑問です。まだ新潮が自分たちが正しいと主張していた頃に記事に信憑性はないと言う朝日新聞に対し、「こっちには取材中の会話を録音したテープがあるんだぞ」と、それが何の証拠になるんだよと言いたくなる様な反論を何度も繰り返していたのだから、新潮と島村氏のどっちが嘘をついているのか白黒つけるためにネット上にでもそのテープを早く公開してもらいたいものです。

 今日のNHKニュースではこの事件について、今ちょっと私の中で急速に株を挙げて佐藤優氏に次ぐ位置にまで昇ってきている佐野眞一氏がインタビューに答えていましたが、新潮側は証言者の生い立ちや人生を調べることもせずやはり私同様に裏づけ取材はしてないだろうと見て、今回のこの新潮の報道はジャーナリズムの自殺だと強く非難していました。その上で新潮は明日発売の号での謝罪記事上で、自分たちは島村氏に騙されてしまったとだけしか書いておらず、読者への謝罪や反省の言葉がないとこれまた強い口調で非難していました。

 一応念のために今回の新潮の連載が載った記事は今でも保管していますが、明日発売の記事ははてどうするものかとは思うものの、これ以上新潮に乗ってはならないと思うのでどっかの喫茶店にでも読みに行こうと思います。それにしても、こんなパーでも編集長ってやれるんだな……。

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