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2009年4月1日水曜日

このところの株価上昇について

 ここ一、二週間で日本の株価は急激に回復して現在も八千円台を推移していますが、結論から言うと私は日本はまだ不況の底を脱しているとは思えず、むしろこれだけ株価が上がる今の状態に対して不安感を覚えています。

 このところこうした株価予想をしておらず久々なのですが、何故このところ日経平均株価が上がっているかといえば私は一番の原因は円安だと思います。というのもこのところの株価上昇の裏で一時は90円を切った対ドル円価が三月に入って急激に上昇し、今日には98円台にまで回復しております。元々輸出依存型の経済の日本では円価が低ければ低いほどいいということもあり、為替変動が与える経済への影響は元から強かったとはいえこのところの株価全体の動きはまさに円価に沿って動いているように思えます。

 ただ私はこの前国会で本年度の予算案が通過したとはいえ、その中身といい現在審議中の政府の対策といい、何一つ現状に対して有効だと思えるような政策(生前贈与の減税は悪くはないと思うが)が見えてこず、正直言って現時点で株価が上がるというのはなにかおかしいように思っていました。そうした疑問から追っていったら先ほどに述べたように為替の動きに連動していると思ったわけなのですが、これは逆を言えば今後またドルの価値が急激に低下すれば大幅に株価が下がる恐れが強いという予想につながってきています。

 ここで話を外に向けますが、海外の経済状況で特筆すべきは中国です。北京五輪が終わってリーマンショックとのダブルパンチで一気にバブルが弾けるかと思ったら意外や意外にまだ踏ん張って成長を維持し、二桁成長は止まって去年は6%成長に止まるようですが、マイナス成長にまで陥った日本と比べるとまだたいしたものです。ただこの中国が逆に日本にとって良くも悪くもネックで、昨日のNHKのクローズアップ現代でも特集されていたように建設機械などの受注は未だに中国からは多くて日本としても助けられているのですが、もし中国がなにかの拍子に手持ちの外貨ことドルを市場に売り始めたら、一気にドル価値が下がってまた円高を起こし、そのまんま中国に引導を渡されかねないというのが今の日本の状況だと私は考えています。

 そういうわけで、かなり飛ばして書いていますがこのところの株価上昇は決して日本の対策や対応がうまくいったものではなくどちらかといえば偶発的な上昇で、またしばらくしたら大幅に下がる恐れがあるのではないかというのが私の意見です。いくら安くなっているとはいえ、株をこの期に一気に買い増そうというのならもう少し待つべきではないかと思います。

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