ページ

2011年2月8日火曜日

80年代生まれと70年代生まれのお金の価値観の違い

 中国は二月に入ってから旧正月休暇のためどこの企業も休みで、大体明日くらいからまた業務再開のところが多いです。私のいる会社はメーカーのため休暇前と休暇後の土日を出勤日とする代わりにまとまって休日を作っており、私自身も休暇は明日までで明後日からまた出社する予定となっております。

 あまりプライベートなことを書いても仕方がないですが、先ほどネットで見た「日本の嫌な慣習」というテーマの掲示板内にて日本企業における「飲みニュケーション」を挙げている方がいましたが、こういったことは日本に限らずというか中国は日本以上にアルコールの強制が多く、私の親父の知り合いであるレクサスのハイブリッドエンジン搭載車を乗り回している(ちょっとうらやましい)社長も中国に商談で訪れた際に無理やり酒を飲まされ、なんでも入院までしたそうです。となるともちろん中国で働いている私も例外ではなく、休暇に入る前に何度もあった忘年会の度に紹興酒やワインの一気飲みを何杯も強制され、元々アルコールに弱いのもあって幾度となく吐かされては肺気胸を起こすくらいの痩せ型なのにさらに体重を大きく落としたため、この休暇中はともかく体重を増やすために出来るだけ多く食べてはよく眠ることに努めました。
 体重計が家にないために具体的に測定することは出来ませんが鏡で見る限りは一時は大きくこけた頬が大分戻り、食欲も一食にご飯二合を食べた上に夜食にインスタントラーメンやらおやつもバリバリ食えるくらいに順調で、健康状態は現在すこぶる良好です。ただ早朝にランニングを行ったところ、息が切れるより早く足が痛んで走れなくなるというのが我ながらちょっと不思議でした。足腰は自転車でそこそこ鍛えているのに。

 話は本題に入りますが、体調がいいということもあって久々に挑戦的な内容を記事にまとめようと思います。
 このブログで何度か書いておりますが、私は80年代の生まれです。この世代の特徴を挙げるとすれば物心ついたときから日本は不況であったため、割と世の中を斜めにというか悲観的に見る人間が多いと一部で言われております。これについては私の在学中、リーマンショック直前の日本の景気がやや持ち直して好況だと言われた時期にある授業で講師が、「最近好況だと言われているもののどうも君たち学生の反応が薄いように前々から感じてましたが、考えてみたら君たちは生まれてこのかた好況というものを一度も経験していなかったですね」と授業中に話したことがありますが、私はこの講師の発言こそが我々の世代と別の世代を比較する上で重要なファクターだと考え、よく周りにも話しております。

 私の専門は社会学だったために学生時代はこのような世代間の認識の違いことジェネレーションギャップについていろいろと友人と議論したり自分で勉強していましたが、同じ80年代生まれでもこの世代の青春期に当たる90年代後半から2000年代前半において携帯電話など小型通信機器が異常に発達したため、一年や二年の差でポケベルとかPHSを見た、触ったなどといった経験が変わってくるために一緒くたにすべきではないのですが、敢えて十年タームで区切ってその一つ前の70年代生まれの世代と比較すると、あくまで私自身の感覚でですがお金に関する価値観が真逆とも言っていいくらい違いがある気がします。

 具体的にどのようにお金に対する価値観が違うのかというと、どちらの世代も月給でいくら稼いでいるのかはもちろん気にはするのですが、私を含む80年代生まれはその上でどれだけお金を貯蓄しているかに価値を重く置いているように感じます。実際に私と周囲の友人も、さすがに中国みたいに「月給いくら?」とストレートに聞くことはしませんが(中国人はすぐ聞くし教えてくれる。これはこれでいいんだけど)、毎月どれくらい貯蓄に回して一年間でどれくらい貯金を貯めたかについては割合によく尋ね合い、節約方法や支出の抑え方についてよく話し合っています。

 それに対して70年代生まれですが、あくまで私の実感としてよくこの世代の人からは、「旅行に三十万使ったんだ」、「一晩で十万使った」などと、自分の感覚からすると何かと消費した金額を周囲にやや自慢げに話すことが多く、80年代生まれと比べてどれだけお金を消費したのか、貯蓄に対して消費することに強く価値を置いているように感じます。
 そのため学生時代からケチで鳴らした私はこの世代からよく、「もっとお金は使わなきゃ駄目だ」、「そんなに貯めてどうする」などと言われるのですが、ちょっと不思議というか同じ年長の世代でも60年代生まれの人からはあまりこういうことは言われることがありません。接点が少ないというのが一番大きいでしょうが。

 恐らくほかの世代とも比べると、我々80年代生まれは明らかに貯蓄傾向が強く物事に対して慎重な人間が多いように思います。何故そうなったのか仮説を挙げるとすればやはり生まれ育った環境というか、生活は物質上豊かでも世の中は不況一色で中高年のリストラや就職氷河期を見ているだけに、人生何が起こるかわからない(+レールから外れたらもう戻れない)というのを強いレベルで意識しているのではないかと私は考えます。

 それに対して70年代生まれは、こちらは私自身がその世代に属していないためにはっきりと言い切る自信はありませんが、やはりバブル期を見た、経験したというのが一番大きいかと思います。また自分の実感で話させてもらえば、自分は一度失ったお金は二度と返ってこないと思うのに対して70年代生まれの人の話を聞いていると、使ったお金はまたすぐに自分に帰ってくる、すぐに稼ぎなおせばいいというような考えを持っている方が多いように感じます。

 くれぐれも言っておきますが、私は80年代生まれの貯蓄傾向と70年代生まれの消費傾向のどちらが正しくてどちらが悪いと区別するつもりはなく、どっちもどっちでいい面もあれば悪い面もあると考えていますし、またそれぞれの世代の中には反対の傾向を持つ人間も少なからずいると思います。ただ今回の記事で私が言いたいのは、世代別で見ると全体としてこのような傾向があるのではということと、バブル時代を見ているかいないかは日本の世代別傾向を探る上で非常に大きなファクターであるということを強く主張しておきたく思います。

0 件のコメント: