2011年2月13日日曜日

TPPに日本は加盟すべきか 前編

 先日に来た友人からのメールに今の日本は大相撲の八百長問題とTPPのことばかりと書かれてあったので、ちょっと今日は調べる時間もあったのでTPPについて私の意見を紹介しようと思います。

環太平洋戦略的経済連携協定(Wikipedia)

 このTPPの正式名称は「Trans-Pacific Partnership」で、日本語だと「環太平洋戦略的経済連携協定」になります。この協定は2006年にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドで結ばれたもので、協定締結国内同士では原則関税をすべて撤廃して自由貿易を行うという内容です。一体何故このTPPが急に日本で取りざたされるようになったのかというと去年頃からこのTPPの締結国拡大議論にアメリカが参加するようになり、それに対して日本の菅首相が十月の会見にて参加を目指す方針を述べたことから各業界入り乱れての議論となったようです。すでにあちこちのサイトやニュースにても報道されておりますが、仮に日本やアメリカが参加するとなるとTPP内の総生産高はこの二カ国が九割を占めることになるため、この議論は実質日米のFTA(自由貿易協定)議論であると指摘されております。

 そういうわけでTPPとはアメリカと自由貿易協定を結ぶかどうかという話になるのですが、結論から言うと私はまだ時期尚早で、将来的にはともかく今急いで加盟するべきではなくもっと多方面で議論を重ねた上で決断するべきだという立場を取ります。

 まずこのTPPで一番槍玉に上がっているのは農業です。自由貿易をするとなるとアメリカ産を始めとした安価の農作物が日本に大量に入り込んで日本の農業は衰退を超えて絶滅すると農林水産省を始めとした各団体が主張していますが、率直に言ってこの意見は逆にどうかと私は思います。
 一体何故そう思うのかというとそもそも高い関税障壁の上に税金の保護を行っている現時点でも日本の農業は年々衰退しており、TPPに参加しなくてもこのまま行けば結局駄目になるのがはっきり目に見えているからです。簡単に調べたところ米には700%もの関税がかけられていますがそれでも農家は減少の一途を辿っており、さらに国は減反政策まで取って自ら減らそうとしている始末です。

 確かにTPPで関税がなくなることで大豆(自給率6%)を始めとしたいくつかの品種については国産農家はさら苦しむことになるかもしれませんが、現在農業が衰退している一番大きな原因は現金収入が少なく生計が立て辛いからです。何故収入が少ないのかといえば米が作りすぎてあまってしまうほどそれを食べる人間がいない、つまりは販路がないということや、日本産の作物だと価格が高すぎて市場で売れないなどありますが、その一方できちんと黒字を出している農業法人なども確かに存在します。そういった黒字を出している農業法人からすれば自由貿易による国内価格低下で痛手を被る可能性もありますがその一方でTPPは世界に販路を持つチャンスにもなり、どうせ失うものなどほとんどないのだから挑戦するだけしてみた方がかえって日本の農業振興にはよいのではないかという気がします。

 また外国産の流入によって自給率が下がって大変になるという意見もよく聞きますが、これついても以前に書いた「書評:日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」の記事の中でも引用しているように、そもそもの日本の自給率の捉え方、対策が問題で、このTPPの議論以前の問題でしょう。
 さらに穀物に限れば仮に安い外国産が入ってきたとしても私はあまり影響はないのではないかと見ています。そう思うのもかつて冷害でミニマムアクセスとしてタイ米が一時出回った時の体験で、やはりお米については高かろうとも国産を食べ続けたいと小学生ながら当時は心底思いました。またこうして海外で生活していてもやはり日本産の米が欲しいといつも思え、多分10キロ5000円であろうとも売っていたら私は間違いなく買います。特にいろいろと問題が起こっている中国にいるだけに……。

 元々、日本人は食にはやけにうるさい民族です。かつての米国でのBSE騒動の際も同じ日本人でありながらどうしてここまで拘るのだろうかと思うくらいの反発を見せましたし、食料ナショナリストとでも言うべきか、穀物に限らなくとも安いからといってそうそう外国産を信用することがなく簡単に乗り換えるようなことはないんじゃないかと思います。
 ただ唯一の懸念としては価格の安さから外食産業が外国産を仕入れるようになるというケースが考えられますが、これの対抗策として前もって「全国産使用販売店」などといったお墨付きや臨検を行うことで国産食材使用店のブランドイメージを意図的に高めるような手を使うのもありなんじゃないかと思います。まぁ吉野家は米国産牛肉使用しているから、関税がなくなればますます価格が下がるだろうけど。

 その上で日本は水や南北に長く伸びた国土といった農業上の利点がありますが、耕作可能面積が狭いという難点があります。それゆえに無理にどの作物についても何でもかんでも無理に自給しようとするのではなく、工業についても最近はこの流れですが農業は少量高品質生産を中心に行い、世界で購買力のある層へ販売していくという戦略をとる方が現実的です。元々日本一国で今の人口を全員食べさせるだけ耕地はないのだし、それならば農業を如何に産業として育てていくかという視点でこのTPPを考えていくべきでしょう。
 幸いにも近年の日本食ブームで日本でしかほとんど消費されない食材を世界で販売するチャンスは増えてきております。また今の日本人もそうですが食というものは一回おいしいものを食べてしまうとなかなかそれより味の劣る同じ食材を選びづらくなる所があるので、日本の高品質で味のよい食材を日本食ブームに乗って口にさせて二度とほかの食材を口に出来なくさせてしまえば日本の農業としてはしめたものです。なんか麻薬の売り方みたいだけど。

 こんな具合で私はこのTPPを考える上では農業保護はあまり考えなくともよいのではないかと考えています。むしろTPPによって日本の農業は発展する可能性もあるので、こと農業については私は加盟を検討すべきだと思います。
 現在農業保護を理由にTPP加盟に反対しているのは農水省と全農ことJAですが、私はこれまでこの二組織が日本の農業に対して何をやってきたのかという点で疑問を持っており、特にJAについてその運営から世界的にもあまりに高い日本の農作物流通コストを考えると日本の農業を駄目にしている張本人ではないかとすら疑っています。なんか聞くところによると、市場価格の十分の一程度しか生産者の手元には来ないというくらいだし。

落選させようTPP反対派議員-関税で農業は救えない!!(アゴラ)

 中には上記リンク先の北村氏のように結構激しい意見を言う方もいますが、農業についてはもっといろいろな意見を議論させて見る必要があるものの現時点では農水省の言い分を私は信用しません。

 ではそれにもかかわらず何故今回のTPPについて慎重にするべきだと最初に言ったのは、実はTPPによって好影響があるといわれている工業方面において疑問があるからです。すでに大分長いので、続きはまた次回にて。
 それにしても狙ったわけじゃありませんが、リンク相手のリュウマの独り言さんと見事に記事内容がTPPでかぶってしまいました。なんていうか街中で同じTシャツを着た人に会ってしまったような気まずさですが、これはこれで参考になったりお互いに意見を見比べあったり出来るので歓迎しようと思います。リュウマの独り言さんのところでもTPPについていろいろ書かれているので、もしよければこちらも一緒にご閲覧をお願いします。


  参考サイト
のらくり

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