一言で読み物と言っても、こうしたブログなどのコラムから解説などたくさんあります。ただ現代において読み物として最高の地位、つまり最も面白いと言われているのは小説だと思いますが、私は内心そのようには思っておらず、やはり伝記が一番面白いと考えています。理由は何故かというと、結局のところ空想は事実に対し面白さで優ることがないと考えるからです。
現代までに悲劇や喜劇、冒険活劇などたくさんの読み物が作られていますが、いろいろ読んでみたところで私が感じたこととしては、現実に起こった出来事の方が面白さで一段抜くところがあり、そういう意味では事実を元に人物を主人公とする伝記が一番面白いと感じています。三国志演義といった軍記物は確かに面白いものの、ベースとなった三国時代や明代の事実も負けず劣らず面白く(諸葛亮のモデルとなった劉基など)、またナポレオンの実際の軍事活動も波乱と知略に富んでいてこちらも面白かったりします。
そのほかサスペンスに関しては、実際に起きた事件の方が確実に面白いです、古いのを挙げると日野OL不倫放火殺人事件もあれば、酒鬼薔薇事件に至っては多くの媒体がこの事件(というか犯人)をモデルに小説や漫画を制作したという事実も、上記の私の考えにつながっています。
唯一、空想が現実を上回る可能性がるジャンルとしてはSFです。こればっかに関しては現実で超能力使える人はそんな目にするほどはいないことから、現実が勝ることはないでしょう。ついでに書くと、ハチロクがFDやランエボに勝てることはまずありないので「頭文字D」はSFに加えていいでしょう。
しかしそういった空想より面白い現実がしばしば、空想の下に置かれているのは何故か。一言で言ってまとめ方の問題で、伝記とかでも書き方によって全然見方や評価、面白さが変わります。先ほど挙げたナポレオン戦記に関しても、長谷川哲也氏の漫画版「ナポレオン」は一部脚色も加わってはいるものの、ナポレオン本人のみならずその周辺、特に元帥らを大きく取り上げていて他のナポレオン本と一線を画す面白さがあります。企業の創業家や政治家に関してもそうで、取材量にもよるでしょうがきちんと書けば面白い人はいろいろ出てきます。
そういう意味で、空想のお話を展開する漫画家や小説家に至っては、如何に面白い現実を見聞きしたり体験するかが、ストーリーセンスに物凄く影響する気がします。最近はネットの発達に伴って社会人経験を有する作家も以前より増えてきているのではないかと思いますが、やはり社会人経験のあるなしはSF以外のジャンルにおける実力を大きく左右する要素に見えてなりません。これがないと、作家が実際に体験した読者との共有体験というのは学校生活くらいとなりますし。
またレアな体験を紹介する「実録レポート」的な漫画はやはりその体験の分だけ強くなると思います。極端な話、物凄い体験をした人なら下手に空想を描くよりも自伝書いた方がずっと面白く、水木しげるなんかまさにその典型でした。あの人の場合、体験というか本人の性格によるところも大きいですが。
ちなみに同じく体験系だと、松本ひで吉氏の犬と猫(あとトカゲ)シリーズがやっぱ見ていて面白いです。っていうかこの人の漫画はどれも緩急が強い。
5 件のコメント:
全くもって同意です。日本の漫画やゲームの主要人物は何故みんな高校生くらいなんだ、と海外の人は疑問に思うらしいですが、漫画家やゲームクリエイターはそのほとんどが学生時代からその道しか通ってなかったりするので、そりゃ他に体験がないんだから学生の物語しか描けないよな、と思ったことがあります。
小説や映画だと他の道に進んでから転身する人がいるので、もう少し幅が広いですね。でも映画の世界一筋、みたいな人が幅を利かせてるから邦画の業界が苦しんでるのかもしれません。
音楽なんかもそうですが、自分のいる業界しか知らない特化型のクリエイターは生きていけない時代なのかもしれませんね。
取材力のある作家、若しくは原作や編集者が付いているならその辺の問題をカバーできるのですが、漫画、小説を含め大半の作家はサラリーマン的な仕事をしたくなくてその道を目指す人が多いため、どうしても実社会に関しては疎くなってしまいがちです。むしろそうした実社会の経験こそが、作家としてデビューした後で物凄い武器となるのに。
おっしゃる通りに映画業界は今や象牙の塔と化している雰囲気がありますね。俳優も芸能界しか知らずに生きてきている人が多いし、今やデジカメとPCで誰でも映画を作れる時代なのだから、もっと広い世界を知っている人に活躍してほしいところです。
日本の漫画やゲームの主要人物が高校生なのは、子供過ぎず、大人過ぎないため
作り手にとって都合のいい存在だからだと思います。中学生では子供過ぎて恋愛
を中心にした話は作りづらいです(女子はともかく男子はそうです。) 高校生
位になれば 主人公が男でも恋愛をからめた話が作れます。 体格も大きくなり
そこそこ社会経験も積むため、行動範囲を広げる事が出来ます。 その一方
就職(これについては高校卒業後に働く人もいますが),結婚などといった大人
としての責任を負わなくてもいいのです。それらは将来の問題として先送りし
作品中で描画しなくてもいいのです。
最近一番笑った事実は 任侠業界での出来事です。任侠団体の「親父」と呼ばれる人が
病気になり、 子分たちの中から血液型の合う人を探しました。 血液型の合う子分は
見つかったのですが、この子分は「体によくない薬」を使っていたため、彼の血は輸血
用としては使えない事が検査の結果わかりました。
自分が笑ったのは朝日新聞の通販マスクと、そのマスクに関する質疑応答をわざわざ記事から削除した点です。痛いところ突かれているのを自分で認めているようなもので、余裕のなさが見て取れます。あとは自称コロナ男が愛知に集中しているという事実かなぁ。
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