日本の大卒の政治家はいうまでもなく法学部や経済学部など文系出身が多いですが、中国の政治家は圧倒的に理系出身が多い、というより文系出資は正直レアです。なもんだから以前に中国人に対して日本は文系が幅効かせてるよと言ったら、「それで国回していけるの?(;゚Д゚)」と真顔で言われました。
以前までこの違いは文化の差だとしてあまり意識はしていなかったのですが、このところ仕事であれこれ政府発表とか見るにつけ、理系出身が多いだけに技術分野の政策に関しては中国の政治家はよくわかっているのではないかと思うことが増えてきました。いくつか例を挙げると、たとえば3Gや4Gといった携帯電話の通信規格について中国では共産党の政権担当者が名前入りでよく発言しており、曰く「3Gは普及段階にあるし、ここで4Gに移行させたら設備投資が無駄になる」とか言う一方、一部都市では中国独自の4G規格であるTD-LTEの実験を続けるなど、なんていうか物の切り回し方がよくわかっている印象を覚えます。
もう一つ例を挙げると、これなんか多分記事にしたのは中国で自分だけだと断言してもいいですが、ゲーム専用機の流通禁止措置です。中国では昔はファミコンからスーパーファミコン、プレイステーションまではゲーム機が自由に流通していたのですが、2000年から突如ゲーム専用機の国内流通禁止令を出してきました。もっとも個人が取り寄せる並行輸入に関しては現在も黙認されているのですが、何故禁止にしたのかというと中国国内のゲームソフト開発業者の技術が当時は低く、プレイステーション2やXボックスを国内解放したら海外のゲームメーカーによって駆逐される恐れがあると考えたそうです。この政策が功を奏したかどうかまではわかりませんが、中国ではパソコン向けオンラインゲームが韓国同様に発達し、現在はそこそこのノウハウや技術を持つように至っており、ことここに至って市場を拡大させるために禁止令を廃止するのではないかという報道が出てます。なんかソニーもこそこそ動いているようだし。
ちょっと話が長くなりましたが、回しているのは官僚かもしれませんがこのように技術分野の投資や育成政策について非常にあれこれ考えがめぐらされている印象を覚えます。それに対して日本の政治家ですが、多くの国会議員はきっと3Gと4Gの区別がつかないばかりか、IT産業の育成なんて頭の片隅にすらない人も多いのではないかと思います。もはや死語と言ってもいいですが昔は技術官僚をかっこよく「テクノクラート」などと呼ぶ時期もありましたが、現代ではそもそも技術官僚という言葉すら目にすることがなくなりました。自分は文系出身で文系の優位性を常日頃からアピールしてやまないですが、もうちょっと理系出身も社会で登用すべきではないかとこの頃思います。もっともこういいながらも、鳩山由紀夫元首相と管直人前首相はともに理系出身だったことを考えると一抹の不安を覚えずにはいられないのですが。
最後に中国の大学事情について、かつては理系に非ずば大学生に非ずというくらい理系が強く、文系に進学するのはロマンに生きる奴だとみられていたのですが、近年は日本同様に進学しやすい文系の方が人気が高くなってきております。それでも日本よりは理系が大事にされているけど。
また政治家に関しても、これなんか私の友人が言ってましたが今の温家宝総理は中国地質大学出身なのですが、「あんな奴に流通経済の仕組みがわかるのかね」と資本主義経済下においては資質を疑う人もおります。逆に次に総理に就任することがほぼ確実視されている李国強は経済学専攻だったこともあり、その友人はやけに期待しております。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2012年8月22日水曜日
2012年8月20日月曜日
ごめんなさい産経さん
以前に私は「ここ数日の産経の気になる報道」という記事で、7月に出た「丹羽大使が9月に更迭」という記事はどこも後追い報道してないから誤報ではないかと指摘しましたが、今日になってどうやらマジっぽいということがわかりました。
・丹羽・中国大使交代へ 後任は西宮・外務審議官(朝日新聞)
朝日新聞に限らずどのメディアも既に同じ内容を取り上げており、最初の産経の記事では9月と書かれておりましたが10月以降に交代する予定で既に後任として西宮伸一外務審議官の名前も挙がっております。交代時期に多少の違いはあれど、この事実を先月の時点で報道していたということは紛れもなく産経のスクープでしょう。疑っちゃたりして本当にごめんなさいです。
・丹羽・中国大使交代へ 後任は西宮・外務審議官(朝日新聞)
朝日新聞に限らずどのメディアも既に同じ内容を取り上げており、最初の産経の記事では9月と書かれておりましたが10月以降に交代する予定で既に後任として西宮伸一外務審議官の名前も挙がっております。交代時期に多少の違いはあれど、この事実を先月の時点で報道していたということは紛れもなく産経のスクープでしょう。疑っちゃたりして本当にごめんなさいです。
2012年8月19日日曜日
天皇のタブー性
以前の記事でも書いたように韓国の李明薄大統領が天皇に対して謝罪を求める声明を出したことによって、現在日韓関係が急激に冷めてきております。心なしかYahooニュースのエンタメ欄も韓国系アイドルの報道が急に見えなくなったようにも思えるのですがそれは置いといて、今日はちょっと思うところがあるので日本の天皇に対するタブー性について自分の意見を書こうと思います。それにしてもいい時代になったもんだ、以前に叔父が「わしが若い頃に核保有議論なんかした時点でクビ飛んだで」と言ってましたがきわどい意見が随分言いやすくなってる気がします。
まず今回の日韓関係のこじれのそもそもの始まりは李明博大統領の竹島訪問ですが、今これだけ日本人の感情が悪化しているのは訪問したという事実よりも、先に書いたように天皇への謝罪要求でしょう。この辺、多分見ていてくれているかと思いますが韓国にいる友人に聞きたいのですが、日本の報道の一説によると土下座や両足を縛って謝れというような過激な文言も入っていたそうで、本当かどうかはわかりませんがかなり強気な発言だったのは間違いないようです。
私自身としてはこれが李明博大統領の国内対策のための発言で日本向け発言でないことは重々承知ですが、それにしたってあまりにも唐突感が否めず、何故ここで急に天皇を持ち出すのかいろいろと疑問に感じます。それとこれも以前に書いていますが、日本における天皇の特殊性は対日外交官であれば知っておかねばならない内容で、どうして発言前に韓国の外交部署の人間は止めなかったのか、一体韓国の官僚は何をやっているのかとかえってその能力に疑いを持ちます。
そんな天皇ですが、大日本帝国憲法において「神聖にして不可侵」と書かれていたように日本におけるタブー性は群を抜いております。さすがに戦前ほど極端ではないにしろ戦後の歴史を振り返れば年々そのタブー性は高まっており、1945年以降としては多分今がピークだと思います。
私がこういう風に考える根拠として、以前に読んだ半藤一利氏の「昭和史探究」という連載でまさにこの天皇タブー性が触れられていたからです。半藤氏によると、戦後直後に昭和天皇は各地を巡行して一般市民とも会話を交わすなど、GHQなどからの追及を避ける目的もあって「開かれた皇室」を目指したと書かれてありました。その「開かれた皇室」がピークとなったのは今上天皇の皇太子時代にあったご成婚パレードで、当時が一番国民と皇室の距離が短かったと分析されてあり私もこの説を支持します。
ではそれ以降は何故皇室のタブー性が高まっていったのか。この点については自分のような素人が口出しするべきでなく専門家に任せますが、具体的事例は敢えて挙げませんが現在の皇室は明らかに昭和の頃と比べると「菊のカーテン」が厚みを増しています。一つだけ素人っぽい理由を出すと、天皇のタブー性が高まったのはいわゆる自虐史観に対する反動もあるかと思います。90年代に「新しい歴史教科書をつくる会」などができるなど戦前の日本をただ批判するだけの言論に対する巻き返しが起こりましたが、それこそ正当な批判ならまだしも天皇制に対して感情的で俗っぽい批判をする左翼活動家に対して私も強い反感を覚え、高校生の頃は逆に天皇制に親近感を感じるようになった気がします。
ちょうどいい機会なので当時の左翼とされる言論者たちの天皇制批判について具体例を挙げると、最も代表的なのは「週刊金曜日」の佐高信がやらかした「皇室コント事件」です。これはあまりにも下品過ぎる内容なので、リンク先を閲覧ください。
また自分自身が直接見た中だと2006年に京都市内で格差社会問題に対するシンポジウムがあるというのでとある公会堂に足を運んでみたら、これまた天皇をモノマネして茶化す非常に下品なコントが延々と続けられて肝心要の格差社会についてはなかなか議論を始めず、見ていて腹立ってきたので中座して帰ったことがあります。それにしても大学生時代とはいえ、こういうのによく自分も足を運んでいたもんだ。
皮肉な話ですが天皇制を貶めようとする活動が度が過ぎ、かえって日本人の天皇制意識を強化したのではないかというのが私の意見です。外国人にはなかなか理解できないかもしれませんが、日本人にとって貶したり、肯定的以外に天皇制を話題にすることは理屈抜きでタブーで今回の韓国との問題はずっと尾を引くでしょう。
最後に自分の天皇制に対する見方を書きますが、国家として見るならばロイヤルがいる方が外交チャンネルが多くなり、単純に機能として有用であるから護持すべきだという立場を取ります。それこそアメリカやフランスといった国は日本やイギリスと違ってロイヤルがいなく、大統領自身が外交の矢面に立たざるを得ず、そうした役割を日本の政治家に期待するというのはファーストレディ共々不可能だと思いますし。
あと蛇足ですが今上天皇のあるエピソードの中にこんなのがあります。
時折、くだけた一面も覗かせる。登山時に天皇の姿が見えなくなった折、取材のため同行した新聞記者が天皇のことをうっかり「おとうちゃん」と呼んだところ、記者の背後に突然現れ「おとうちゃんはここにおりますよ」と冗談めかして言い、驚かせたことがある。(Wikipediaより)
なんかこのエピソードだけで今の天皇はいい人だなぁと感じました。
まず今回の日韓関係のこじれのそもそもの始まりは李明博大統領の竹島訪問ですが、今これだけ日本人の感情が悪化しているのは訪問したという事実よりも、先に書いたように天皇への謝罪要求でしょう。この辺、多分見ていてくれているかと思いますが韓国にいる友人に聞きたいのですが、日本の報道の一説によると土下座や両足を縛って謝れというような過激な文言も入っていたそうで、本当かどうかはわかりませんがかなり強気な発言だったのは間違いないようです。
私自身としてはこれが李明博大統領の国内対策のための発言で日本向け発言でないことは重々承知ですが、それにしたってあまりにも唐突感が否めず、何故ここで急に天皇を持ち出すのかいろいろと疑問に感じます。それとこれも以前に書いていますが、日本における天皇の特殊性は対日外交官であれば知っておかねばならない内容で、どうして発言前に韓国の外交部署の人間は止めなかったのか、一体韓国の官僚は何をやっているのかとかえってその能力に疑いを持ちます。
そんな天皇ですが、大日本帝国憲法において「神聖にして不可侵」と書かれていたように日本におけるタブー性は群を抜いております。さすがに戦前ほど極端ではないにしろ戦後の歴史を振り返れば年々そのタブー性は高まっており、1945年以降としては多分今がピークだと思います。
私がこういう風に考える根拠として、以前に読んだ半藤一利氏の「昭和史探究」という連載でまさにこの天皇タブー性が触れられていたからです。半藤氏によると、戦後直後に昭和天皇は各地を巡行して一般市民とも会話を交わすなど、GHQなどからの追及を避ける目的もあって「開かれた皇室」を目指したと書かれてありました。その「開かれた皇室」がピークとなったのは今上天皇の皇太子時代にあったご成婚パレードで、当時が一番国民と皇室の距離が短かったと分析されてあり私もこの説を支持します。
ではそれ以降は何故皇室のタブー性が高まっていったのか。この点については自分のような素人が口出しするべきでなく専門家に任せますが、具体的事例は敢えて挙げませんが現在の皇室は明らかに昭和の頃と比べると「菊のカーテン」が厚みを増しています。一つだけ素人っぽい理由を出すと、天皇のタブー性が高まったのはいわゆる自虐史観に対する反動もあるかと思います。90年代に「新しい歴史教科書をつくる会」などができるなど戦前の日本をただ批判するだけの言論に対する巻き返しが起こりましたが、それこそ正当な批判ならまだしも天皇制に対して感情的で俗っぽい批判をする左翼活動家に対して私も強い反感を覚え、高校生の頃は逆に天皇制に親近感を感じるようになった気がします。
ちょうどいい機会なので当時の左翼とされる言論者たちの天皇制批判について具体例を挙げると、最も代表的なのは「週刊金曜日」の佐高信がやらかした「皇室コント事件」です。これはあまりにも下品過ぎる内容なので、リンク先を閲覧ください。
また自分自身が直接見た中だと2006年に京都市内で格差社会問題に対するシンポジウムがあるというのでとある公会堂に足を運んでみたら、これまた天皇をモノマネして茶化す非常に下品なコントが延々と続けられて肝心要の格差社会についてはなかなか議論を始めず、見ていて腹立ってきたので中座して帰ったことがあります。それにしても大学生時代とはいえ、こういうのによく自分も足を運んでいたもんだ。
皮肉な話ですが天皇制を貶めようとする活動が度が過ぎ、かえって日本人の天皇制意識を強化したのではないかというのが私の意見です。外国人にはなかなか理解できないかもしれませんが、日本人にとって貶したり、肯定的以外に天皇制を話題にすることは理屈抜きでタブーで今回の韓国との問題はずっと尾を引くでしょう。
最後に自分の天皇制に対する見方を書きますが、国家として見るならばロイヤルがいる方が外交チャンネルが多くなり、単純に機能として有用であるから護持すべきだという立場を取ります。それこそアメリカやフランスといった国は日本やイギリスと違ってロイヤルがいなく、大統領自身が外交の矢面に立たざるを得ず、そうした役割を日本の政治家に期待するというのはファーストレディ共々不可能だと思いますし。
あと蛇足ですが今上天皇のあるエピソードの中にこんなのがあります。
時折、くだけた一面も覗かせる。登山時に天皇の姿が見えなくなった折、取材のため同行した新聞記者が天皇のことをうっかり「おとうちゃん」と呼んだところ、記者の背後に突然現れ「おとうちゃんはここにおりますよ」と冗談めかして言い、驚かせたことがある。(Wikipediaより)
なんかこのエピソードだけで今の天皇はいい人だなぁと感じました。
2012年8月18日土曜日
オリンピック中に中国で盛り上がった話題
コメント欄でリクエストを受けたので、今日は先日に閉幕したロンドンオリンピックの最中に中国で盛り上がった競技について簡単に紹介しようと思います。それにしてもこのところは中国ネタが続く、需要があるのはいいんだけれど。
まず率直な感想として一番盛り上がったのは、ほかでもなく水泳の飛込みだった気がします。中国はこの競技の女子シングル、ツインとかで前大会に続き金メダルをほぼ独占しており、元々人気競技であることから新聞などニュースの取り扱いもでかかった気がします。これは中国に限らずロシアなど旧共産圏に一致することですが、どうも連中は甲乙つけがたいというか、得点評価の難しいこういう飛込みとかバレエ、フィギュアスケートなどといった競技をやけに好むところがある気がします。逆にアメリカなどバリバリの資本主義国はタイムがはっきり出る陸上とかが好きな感じしますけど。
話は戻って中国で盛り上がったオリンピック競技ですが、私が特に扱いがでかいと思ったのは女子水泳バタフライで金メダルを取った選手です。名前は忘れてしまいましたが叩き出した記録が男子の最高記録を上回っていたことから欧米から「ドーピングしてんじゃね」とクレームをつけられてましたが、少なくとも現時点で検査違反などの報告は出ていないからやっぱり欧米のやっかみだったんでしょう。ただこうした欧米の批判に、「何故中国選手が金メダルを取ったら文句言われなきゃいけないんだ」とやや民族意識を伴った声が出ており、変な話ですが通常以上に注目されることになりました。
あと最後、というかある意味一番議論が盛り上がったのはほかならぬ陸上ハードルの劉翔選手です。日本でも大きく報じられていましたが2004年のアテネ五輪でアジア人として非常に貴重な陸上短距離金メダルを取った彼は次の北京五輪でも大きく期待されておりましたが、結果はなんと試合に出る前に棄権という、中国人を大いに落胆させる内容でした。
そして今回のロンドン大会。大会開始前から集団練習に参加しなかったり休養を取るなどしてかなり怪しい行動を取っていましたが、いざ本番が始まるやなんと一本目のハードルで転倒、そしてそのまま退場という内容で、こっちの新聞にも「悪夢再び」という見出しが躍りました。ただ劉翔選手は一旦退場した後、片足ケンケンで戻ってきて競技場を一応完走し、最後にハードルにキスをするという行動を取りました。
この一連の行動に対し翌日の中国紙では、大半は「よく頑張った」的な彼を擁護するような論調が目立ちました、っていうか10ページくらいに渡って大きく特集が組まれ期間中としては最大の扱いがされてました。しかし一部の新聞に限っては、大会開始前に棄権しなかったのか、このレースでアキレス健を切ったといっているが本当なのか、なんで中国に戻らずロンドンで手術を受けるのか、調子が悪かったのであればほかの選手に代表を譲るべきではなかったのか、というように疑問を並び立てているのもありました。
では一般中国人の反応はどうだったのかですが、少なくとも私が見る限りだとにしおかすみこ(最近マイブーム)ばりに「がっかりだよ!」という具合で、前大会といいこいつは一体何やってるんだと呆れる声が多かったように聞こえます。私の上海人の知り合いなんか最後に競技場に出てきたことに対し、「パフォーマンスが過ぎる」とむしろ批判していました。多分メディアは監督官庁からのお達しで擁護してやれと言われて書いたものの、世論としてはやはり批判的だったというのが私の見方です。
このほか日本を余裕で打ち破り中国が金メダルを獲得した卓球ですが、こっちではそれほど大きく話題にならずむしろ「金で当然!」という雰囲気でした。確かに中国は卓球のプロリーグがあり世界でも断トツの強さを誇っておりますが、現時点でスポーツとして根強い人気があるというわけでなく、強いけどみんなやってるわけじゃないスポーツになってる気がします。逆にサッカーは人気が高いのに弱いというジレンマがありますが。
まず率直な感想として一番盛り上がったのは、ほかでもなく水泳の飛込みだった気がします。中国はこの競技の女子シングル、ツインとかで前大会に続き金メダルをほぼ独占しており、元々人気競技であることから新聞などニュースの取り扱いもでかかった気がします。これは中国に限らずロシアなど旧共産圏に一致することですが、どうも連中は甲乙つけがたいというか、得点評価の難しいこういう飛込みとかバレエ、フィギュアスケートなどといった競技をやけに好むところがある気がします。逆にアメリカなどバリバリの資本主義国はタイムがはっきり出る陸上とかが好きな感じしますけど。
話は戻って中国で盛り上がったオリンピック競技ですが、私が特に扱いがでかいと思ったのは女子水泳バタフライで金メダルを取った選手です。名前は忘れてしまいましたが叩き出した記録が男子の最高記録を上回っていたことから欧米から「ドーピングしてんじゃね」とクレームをつけられてましたが、少なくとも現時点で検査違反などの報告は出ていないからやっぱり欧米のやっかみだったんでしょう。ただこうした欧米の批判に、「何故中国選手が金メダルを取ったら文句言われなきゃいけないんだ」とやや民族意識を伴った声が出ており、変な話ですが通常以上に注目されることになりました。
あと最後、というかある意味一番議論が盛り上がったのはほかならぬ陸上ハードルの劉翔選手です。日本でも大きく報じられていましたが2004年のアテネ五輪でアジア人として非常に貴重な陸上短距離金メダルを取った彼は次の北京五輪でも大きく期待されておりましたが、結果はなんと試合に出る前に棄権という、中国人を大いに落胆させる内容でした。
そして今回のロンドン大会。大会開始前から集団練習に参加しなかったり休養を取るなどしてかなり怪しい行動を取っていましたが、いざ本番が始まるやなんと一本目のハードルで転倒、そしてそのまま退場という内容で、こっちの新聞にも「悪夢再び」という見出しが躍りました。ただ劉翔選手は一旦退場した後、片足ケンケンで戻ってきて競技場を一応完走し、最後にハードルにキスをするという行動を取りました。
この一連の行動に対し翌日の中国紙では、大半は「よく頑張った」的な彼を擁護するような論調が目立ちました、っていうか10ページくらいに渡って大きく特集が組まれ期間中としては最大の扱いがされてました。しかし一部の新聞に限っては、大会開始前に棄権しなかったのか、このレースでアキレス健を切ったといっているが本当なのか、なんで中国に戻らずロンドンで手術を受けるのか、調子が悪かったのであればほかの選手に代表を譲るべきではなかったのか、というように疑問を並び立てているのもありました。
では一般中国人の反応はどうだったのかですが、少なくとも私が見る限りだとにしおかすみこ(最近マイブーム)ばりに「がっかりだよ!」という具合で、前大会といいこいつは一体何やってるんだと呆れる声が多かったように聞こえます。私の上海人の知り合いなんか最後に競技場に出てきたことに対し、「パフォーマンスが過ぎる」とむしろ批判していました。多分メディアは監督官庁からのお達しで擁護してやれと言われて書いたものの、世論としてはやはり批判的だったというのが私の見方です。
このほか日本を余裕で打ち破り中国が金メダルを獲得した卓球ですが、こっちではそれほど大きく話題にならずむしろ「金で当然!」という雰囲気でした。確かに中国は卓球のプロリーグがあり世界でも断トツの強さを誇っておりますが、現時点でスポーツとして根強い人気があるというわけでなく、強いけどみんなやってるわけじゃないスポーツになってる気がします。逆にサッカーは人気が高いのに弱いというジレンマがありますが。
2012年8月16日木曜日
魚釣島上陸者逮捕に対する中国の反応
昨日も中国ネタを書いたのにまた今日も書くことになるとは……。
・中国外務省、14人の釈放要求を繰り返す(NNN)
もはや説明するまでもないでしょうが、香港から出向し尖閣諸島こと魚釣島に上陸した中国人活動家を日本が逮捕した件で、こっちも昨日から大騒ぎになっています。昨日の新聞の一面はほぼすべてが連続殺人犯の射殺された死体でしたが、今日は今日で尖閣諸島関連の写真が経済誌を含めてトップを飾りました。なおちょっと面白い話を書いとくと、頼んでもないのに配達してくる中国版恐怖新聞こと人民日報だけは全く関係ない話題が一面トップでした。
こちら側の反応ですが概ね日本でも報じられている通り、日本側の対応への非難と逮捕者の即時解放を要求するというもので特にこれと言って私から紹介するようなものはありません。なので中国側の意向と今後の展望について軽く書いておくことします。
まず今後日本が取るべき対応ですが、やはりすぐにでも逮捕者を強制送還することに限るでしょう。弱腰だといわれるかもしれませんが日本も中国もこの問題で長々争って得することは何もありません。また以前の漁船衝突事故の場合は海保の船が損傷するなど刑事事件に発展せざるを得ませんでしたが、今回はあくまで上陸だけで不法入国だけです。以前の小泉政権時代も全く同じことが起こりましたが、その時もすぐに強制送還処置を取ることで大ごとにまで発展することはなく、今回もこの轍を踏むべきでしょう。
中国側をかばうというわけではありませんが、私が見る限りだと向こうもそれほど大事にしたくはないというメッセージを出している気がします。まず今回の上陸船出航前には「あまり薦めない」としてやんわりですが制止をかけており、これを受けてか台湾で合流する予定だった活動家は今回参加しませんでした。また上記リンク先のニュースによれば北京にある日本大使館への抗議デモも当局が止めてくれているようです。こうした中国側のメッセージに対して日本もある程度応じるべきで、さっと返して早くお互いに忘れてしまうことが一番です。
もちろん中国側がこういうメッセージを出していると鵜呑みにしてはならない、っていうかしてはいけない国なのですが、今の中国の状況を考えれば今回に限れば信じてもいいのではないかとみております。まず前にも記事を書きましたが中国は今年十月に党大会を控えて政権交代をする予定ですがこの直前の今の時期にあれこれ政治問題を起こしたくない、胡錦濤総書記にとっても晩節を汚したくないのではないかと予想されます。さらに中国の経済は未だに好調ではあるものの、これまでの成長率が半端じゃなかった反動からプラス成長を保っているものの、景気減速によって資金繰りに悩む企業が増加するなどちょっと今の経済は微妙な状態となっています。輸出成長率も先月は1%台だったし。
今の状態で日本との貿易関係が悪化したら、恐らくダメージは日本側のが大きいでしょうが中国側も相当の物を覚悟せざるを得ません。特に最大の貿易相手先であるEUがあっぷあっぷしている最中で、ただでさえ日本やアメリカ、東南アジアとの取引を増やさなければいけない時期なだけに、尖閣問題で言い争っている場合じゃないと考えるのは自然じゃないかと思います。
そんなわけで私個人としては現在報じられているように、明日にでも逮捕者を強制送還してもらいたいのが希望です。もし変な対応を取ったら中国側も国内世論を気にしなければならず、2010年のように通関を止めてくるということも場合によっては有り得ます。
なお日本のメディアは中国側の反応として「環球時報」という中国の新聞をなんかあっちこっちで引用していますが、今日うちの上司とも話しましたけど、「あれ使うのはおかしいよね( ´゚д゚)(゚д゚` )ネー」ていうことで一致しました。というのも環球時報はタブロイド紙で、日本で言うなら夕刊フジみたいな感じで過激な意見を載せることで読者を取っている新聞で、中国の世論を反映しているかとなるとかなり微妙な新聞です。日本だって東スポの記事を日本人の意見として海外で紹介されたら困るだろうに。もっともこう言いながら、「一番過激な意見はこんな感じです」っていう具合で過去に日本の自治体に紹介したことは私もあるのですが。
最後に話が脱線しますが、私は領土問題というか二国間関係では中国より韓国の方が今えらいことになっていると思います。多分これを読んでいる皆さんも知っているでしょうが任期間近の李明薄大統領が先日、天皇に謝罪要求(後に表現を訂正)をしましたが、滅多に怒らない日本人の逆鱗と呼べるのはかつてのBSEなど食品問題と天皇に関する事柄なだけに、今回の発言でヒビの入った日韓関係を修復するにはシャレ抜きで長い時間が必要になるかと思います。はっきり言わせてもらえばもう日本でコリアンエンターテイメントが活躍する余地は全くなく、すでに日テレが放送予定だった韓流ドラマを竹島関連で批判が高まっていることから放送延期を決めたそうですが、ほかの局も韓国関連のエンターテイメントを出せば視聴率どころか批判を集めることになるでしょう。
更にこれは勝手な予想ですが、大抵の人間は「ここまで言ったらまずいよな」という悪口なり批判なりに自分なりのラインを持っていると思うのですが、一旦そのラインを越えてしまうとそれまでためらっていた発言内容をこれみよがしに繰り返すようになるとこれまでの経験則から私は感じます。これは即ち今回の天皇への謝罪要求を韓国は今後もためらわずに繰り返すようになるという予想で、そうなれば経済的な損失を無視しても日本人は国交関係を絶つのではないかと私は思います。それだけ日本において天皇という言葉はタブーであるという裏返しでもありますが。
・中国外務省、14人の釈放要求を繰り返す(NNN)
もはや説明するまでもないでしょうが、香港から出向し尖閣諸島こと魚釣島に上陸した中国人活動家を日本が逮捕した件で、こっちも昨日から大騒ぎになっています。昨日の新聞の一面はほぼすべてが連続殺人犯の射殺された死体でしたが、今日は今日で尖閣諸島関連の写真が経済誌を含めてトップを飾りました。なおちょっと面白い話を書いとくと、頼んでもないのに配達してくる中国版恐怖新聞こと人民日報だけは全く関係ない話題が一面トップでした。
こちら側の反応ですが概ね日本でも報じられている通り、日本側の対応への非難と逮捕者の即時解放を要求するというもので特にこれと言って私から紹介するようなものはありません。なので中国側の意向と今後の展望について軽く書いておくことします。
まず今後日本が取るべき対応ですが、やはりすぐにでも逮捕者を強制送還することに限るでしょう。弱腰だといわれるかもしれませんが日本も中国もこの問題で長々争って得することは何もありません。また以前の漁船衝突事故の場合は海保の船が損傷するなど刑事事件に発展せざるを得ませんでしたが、今回はあくまで上陸だけで不法入国だけです。以前の小泉政権時代も全く同じことが起こりましたが、その時もすぐに強制送還処置を取ることで大ごとにまで発展することはなく、今回もこの轍を踏むべきでしょう。
中国側をかばうというわけではありませんが、私が見る限りだと向こうもそれほど大事にしたくはないというメッセージを出している気がします。まず今回の上陸船出航前には「あまり薦めない」としてやんわりですが制止をかけており、これを受けてか台湾で合流する予定だった活動家は今回参加しませんでした。また上記リンク先のニュースによれば北京にある日本大使館への抗議デモも当局が止めてくれているようです。こうした中国側のメッセージに対して日本もある程度応じるべきで、さっと返して早くお互いに忘れてしまうことが一番です。
もちろん中国側がこういうメッセージを出していると鵜呑みにしてはならない、っていうかしてはいけない国なのですが、今の中国の状況を考えれば今回に限れば信じてもいいのではないかとみております。まず前にも記事を書きましたが中国は今年十月に党大会を控えて政権交代をする予定ですがこの直前の今の時期にあれこれ政治問題を起こしたくない、胡錦濤総書記にとっても晩節を汚したくないのではないかと予想されます。さらに中国の経済は未だに好調ではあるものの、これまでの成長率が半端じゃなかった反動からプラス成長を保っているものの、景気減速によって資金繰りに悩む企業が増加するなどちょっと今の経済は微妙な状態となっています。輸出成長率も先月は1%台だったし。
今の状態で日本との貿易関係が悪化したら、恐らくダメージは日本側のが大きいでしょうが中国側も相当の物を覚悟せざるを得ません。特に最大の貿易相手先であるEUがあっぷあっぷしている最中で、ただでさえ日本やアメリカ、東南アジアとの取引を増やさなければいけない時期なだけに、尖閣問題で言い争っている場合じゃないと考えるのは自然じゃないかと思います。
そんなわけで私個人としては現在報じられているように、明日にでも逮捕者を強制送還してもらいたいのが希望です。もし変な対応を取ったら中国側も国内世論を気にしなければならず、2010年のように通関を止めてくるということも場合によっては有り得ます。
なお日本のメディアは中国側の反応として「環球時報」という中国の新聞をなんかあっちこっちで引用していますが、今日うちの上司とも話しましたけど、「あれ使うのはおかしいよね( ´゚д゚)(゚д゚` )ネー」ていうことで一致しました。というのも環球時報はタブロイド紙で、日本で言うなら夕刊フジみたいな感じで過激な意見を載せることで読者を取っている新聞で、中国の世論を反映しているかとなるとかなり微妙な新聞です。日本だって東スポの記事を日本人の意見として海外で紹介されたら困るだろうに。もっともこう言いながら、「一番過激な意見はこんな感じです」っていう具合で過去に日本の自治体に紹介したことは私もあるのですが。
最後に話が脱線しますが、私は領土問題というか二国間関係では中国より韓国の方が今えらいことになっていると思います。多分これを読んでいる皆さんも知っているでしょうが任期間近の李明薄大統領が先日、天皇に謝罪要求(後に表現を訂正)をしましたが、滅多に怒らない日本人の逆鱗と呼べるのはかつてのBSEなど食品問題と天皇に関する事柄なだけに、今回の発言でヒビの入った日韓関係を修復するにはシャレ抜きで長い時間が必要になるかと思います。はっきり言わせてもらえばもう日本でコリアンエンターテイメントが活躍する余地は全くなく、すでに日テレが放送予定だった韓流ドラマを竹島関連で批判が高まっていることから放送延期を決めたそうですが、ほかの局も韓国関連のエンターテイメントを出せば視聴率どころか批判を集めることになるでしょう。
更にこれは勝手な予想ですが、大抵の人間は「ここまで言ったらまずいよな」という悪口なり批判なりに自分なりのラインを持っていると思うのですが、一旦そのラインを越えてしまうとそれまでためらっていた発言内容をこれみよがしに繰り返すようになるとこれまでの経験則から私は感じます。これは即ち今回の天皇への謝罪要求を韓国は今後もためらわずに繰り返すようになるという予想で、そうなれば経済的な損失を無視しても日本人は国交関係を絶つのではないかと私は思います。それだけ日本において天皇という言葉はタブーであるという裏返しでもありますが。
2012年8月15日水曜日
中国の連続殺人犯の射殺について
今朝の中国の新聞は控えめに言ってもとても面白かったです。というのも一般紙から経済専門誌に至るまでどれも一面トップに、昨日射殺された連続殺人犯の写真を持ってきておりました。
・中国連続強盗殺人凶悪犯、重慶で射殺(人民日報日本語版)
念のため言っておくと上記リンク先には写真の類は一切ありません。ただ今日の中国紙では大半が顔面部分にモザイクをかけていたものの、ものの見事に射殺されて横たわる犯人の死体を掲載しておりました。一部に限ればモザイクもありません。香港の新聞だったら車にひかれたり、高所から落ちた死体の写真をノーモザイクで載せることは多い、っていうか毎日1枚は載っているのですが、中国本土の新聞でこういうことは自分が知る限りだと初めてです。そのせいで香港にいた頃の同僚なんか、「アップルデイリーだけは私に見せないで」と明言するくらいでした。
今回射殺された人物は周克華という人物で、2004年から現在に至るまで何度も強盗事件を起こしており、今月10日にも重慶市の銀行で強盗を行い1人を射殺、2人に重傷を負わせております。これまでに殺害した人物は10人にも及んでおり、拳銃を所持していたことから中国の警察も発見次第に射殺するように通達されていたのだと思います。
最終的には昨日早朝に路上を歩いていたところを市民から通報があったのか警官が発見し、様子を探っていたところ発砲してきたために応戦し、4発を撃ち込んで射殺したとのことです。なお今日自分が読んだ新聞には「正義の銃弾4発」という見出しが書かれておりました。
私個人がどうこう言うのもあれかなという気もしますが、この犯人に関しては前科が前科だけに射殺されてもしょうがないと思うのと同時に、ほんの少し前にも強盗事件で殺人を犯した上、拳銃を所持していたことから中国警察の対応は正しかったのではないかという気がします。ただ以前にも私は人質を取ったりしている立てこもり犯に対しては射殺条件を緩めるべきだと主張しましたが、そんな私ですら中国の警察対応を見ると時々ぞっとしたりします。
以前に女性に刃物を突きつけ立てこもっていた若い男が警察に水を要求し、言われた通りに見るからにおばさんという感じの中年女性が持っていき犯人が受け取ろうとしたその時、そのおばさんがパッと懐から拳銃を取りだしこともなげに犯人の頭を正確に打ち抜いて射殺する動画(人質は無事)を見ることがありましたが、そのおばさんというか警察官が本当に自然な動作でやってのけた姿にはちょっとビビりました。
何はともあれ今回の犯人は足掛け8年間にも渡って逃げ続け、上海でも以前に指名手配写真があちこちに貼られていただけにこっちではちょっとお祭り騒ぎになってます。射殺した警官2人は既に実名どころか年齢も出ていて、「20年以上も勤務した警官としての勘が……」などとインタビューに答えていますが、これから大規模に表彰されるそうです。今回の例は極端だとしても、日本も活躍した警官をもっと大規模に表彰することも必要なのではないかという気がします。
・マツダ、1-7月の中国販売は12%減 中国紙「未熟」(人民日報日本語版)
上の事件とは関係ありませんが、見ていて笑ったというか「言うなぁ中国」と思ったのでこのニュースも報じておきます。
内容は今年のマツダの中国市場の売れ行きが悪かった、っていうか私も先週くらいにマツダ本社広報部に直接電話して販売台数を確認しておりますが、マツダが主張する不振だった理由に対して人民日報が、「言い訳がましい」と書いているわけです。以下抜粋すると、
「マツダ中国法人の山田憲昭会長兼CEOは『販売減少は主に自動車市場の低迷や酷暑・豪雨などの異常気象、競合他社の大幅な値下げなどの影響によるものだ』と述べた。
マツダが販売減少の原因を『競合他社が強すぎるため』としたのは、これで何度目だろうか。自動車市場の低迷、酷暑・豪雨などの異常気象は、マツダだけに対するものだろうか。その他のメーカーは影響を被らなかっただろうか。
これはただの言い訳だ。周知の通り、マツダは中国市場でいつまでも方向性を見出せないでいる。これは中国市場をないがしろにし、新車を出し惜しみしていることと関連している。世界のほぼすべての自動車企業が業務の重心を中国に移す中、日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか。今後も子供のように駄々をこねるならば、マツダに未来はない」
確かに書いている通り、ほかのメーカーと比べてマツダが中国市場に最新車種を持ってくる時期というのは明らかに遅いです。日本では数年前にモデルチェンジしたアクセラを今年になってようやく持ってきたくらいですし、スカイアクティブ搭載車もまだ少ないです。
それにしたって、「日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか」とまで言ってくるとは、まぁ一流でないことは事実だとしてもここまではっきり言ってしまうのかといろんな意味でびっくりです。ただマツダの中国市場戦略は私もいまいち読めないというか方向性がはっきりしていないと感じますし、マツダ関係者はこの記事を金言として今後に役立てるべきだと個人的に思います。
・中国連続強盗殺人凶悪犯、重慶で射殺(人民日報日本語版)
念のため言っておくと上記リンク先には写真の類は一切ありません。ただ今日の中国紙では大半が顔面部分にモザイクをかけていたものの、ものの見事に射殺されて横たわる犯人の死体を掲載しておりました。一部に限ればモザイクもありません。香港の新聞だったら車にひかれたり、高所から落ちた死体の写真をノーモザイクで載せることは多い、っていうか毎日1枚は載っているのですが、中国本土の新聞でこういうことは自分が知る限りだと初めてです。そのせいで香港にいた頃の同僚なんか、「アップルデイリーだけは私に見せないで」と明言するくらいでした。
今回射殺された人物は周克華という人物で、2004年から現在に至るまで何度も強盗事件を起こしており、今月10日にも重慶市の銀行で強盗を行い1人を射殺、2人に重傷を負わせております。これまでに殺害した人物は10人にも及んでおり、拳銃を所持していたことから中国の警察も発見次第に射殺するように通達されていたのだと思います。
最終的には昨日早朝に路上を歩いていたところを市民から通報があったのか警官が発見し、様子を探っていたところ発砲してきたために応戦し、4発を撃ち込んで射殺したとのことです。なお今日自分が読んだ新聞には「正義の銃弾4発」という見出しが書かれておりました。
私個人がどうこう言うのもあれかなという気もしますが、この犯人に関しては前科が前科だけに射殺されてもしょうがないと思うのと同時に、ほんの少し前にも強盗事件で殺人を犯した上、拳銃を所持していたことから中国警察の対応は正しかったのではないかという気がします。ただ以前にも私は人質を取ったりしている立てこもり犯に対しては射殺条件を緩めるべきだと主張しましたが、そんな私ですら中国の警察対応を見ると時々ぞっとしたりします。
以前に女性に刃物を突きつけ立てこもっていた若い男が警察に水を要求し、言われた通りに見るからにおばさんという感じの中年女性が持っていき犯人が受け取ろうとしたその時、そのおばさんがパッと懐から拳銃を取りだしこともなげに犯人の頭を正確に打ち抜いて射殺する動画(人質は無事)を見ることがありましたが、そのおばさんというか警察官が本当に自然な動作でやってのけた姿にはちょっとビビりました。
何はともあれ今回の犯人は足掛け8年間にも渡って逃げ続け、上海でも以前に指名手配写真があちこちに貼られていただけにこっちではちょっとお祭り騒ぎになってます。射殺した警官2人は既に実名どころか年齢も出ていて、「20年以上も勤務した警官としての勘が……」などとインタビューに答えていますが、これから大規模に表彰されるそうです。今回の例は極端だとしても、日本も活躍した警官をもっと大規模に表彰することも必要なのではないかという気がします。
・マツダ、1-7月の中国販売は12%減 中国紙「未熟」(人民日報日本語版)
上の事件とは関係ありませんが、見ていて笑ったというか「言うなぁ中国」と思ったのでこのニュースも報じておきます。
内容は今年のマツダの中国市場の売れ行きが悪かった、っていうか私も先週くらいにマツダ本社広報部に直接電話して販売台数を確認しておりますが、マツダが主張する不振だった理由に対して人民日報が、「言い訳がましい」と書いているわけです。以下抜粋すると、
「マツダ中国法人の山田憲昭会長兼CEOは『販売減少は主に自動車市場の低迷や酷暑・豪雨などの異常気象、競合他社の大幅な値下げなどの影響によるものだ』と述べた。
マツダが販売減少の原因を『競合他社が強すぎるため』としたのは、これで何度目だろうか。自動車市場の低迷、酷暑・豪雨などの異常気象は、マツダだけに対するものだろうか。その他のメーカーは影響を被らなかっただろうか。
これはただの言い訳だ。周知の通り、マツダは中国市場でいつまでも方向性を見出せないでいる。これは中国市場をないがしろにし、新車を出し惜しみしていることと関連している。世界のほぼすべての自動車企業が業務の重心を中国に移す中、日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか。今後も子供のように駄々をこねるならば、マツダに未来はない」
確かに書いている通り、ほかのメーカーと比べてマツダが中国市場に最新車種を持ってくる時期というのは明らかに遅いです。日本では数年前にモデルチェンジしたアクセラを今年になってようやく持ってきたくらいですし、スカイアクティブ搭載車もまだ少ないです。
それにしたって、「日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか」とまで言ってくるとは、まぁ一流でないことは事実だとしてもここまではっきり言ってしまうのかといろんな意味でびっくりです。ただマツダの中国市場戦略は私もいまいち読めないというか方向性がはっきりしていないと感じますし、マツダ関係者はこの記事を金言として今後に役立てるべきだと個人的に思います。
2012年8月13日月曜日
意志の強い人間について
昨日の記事で私は人間の性格なんて言うものは環境によって容易に変わり得ると主張しましたが、その一方で環境に左右されにくい人間もいるのでは、そういう人間は一般的に「意思が強い人」なのではという意見を書きました。今日はここからさらに掘り下げて、意思が強いという人間について考察を書いていきます。
まず意志が強い人間とはどんな人間を指すのかですが、私の中の定義ではどんな場所でも自分の意思を貫き通すというか、あきらめの悪いような人間を指すかと思います。それこそ受験勉強を例にとると目標とする学校に合格するためには膨大な量の勉強時間が必要となると、それを苦にせずきちんと果たすような具合の人間がそれで、逆に理想は高くてもその理想の実現に必要な努力をしようとしない、または途中であきらめてしまうのは「意志薄弱」と言えるでしょう。
またある意味では妥協をしないというか、自分が正しいと思うことを信じ続けて、どんな逆境においてもそれを主張し続けるというのも意志が強いといえるでしょう。これも例を取るなら戦前の山本五十六など、勝てないとわかっている日米戦に対して暗殺予告が来ても主張し続けるようなもので、昨日の南原繁の話じゃないですがこういう人間が当時も今も日本には少ない気がします。どうでもいいですが南原の弟子の丸山眞男はあまり好きじゃないです。
昨日にも書きましたがこうした意思の強い人間は恐らく、現代社会、というかほとんどの時代で爪弾きにあうでしょう。いつの時代、どの国でも直言居士というものは大抵煙たがられるもので、逆に妥協を是とする人間はどの時代、どの集団でもちやほやされるでしょう。またさらに言えば、意志の強い人間が変な方向に理想とか思想を持ってしまうのも非常に問題です。例は悪いですが極左やオウム真理教に走った人間はこの典型で、方向性さえ間違えなければと周囲の人間が言う世にその気真面目さがおかしな方向に行って世の中を悪くさせてしまう結果となりました。
ここまで書いていると意志の強い人間はさも面倒くさそうな人間に見えてきますが、それでも私は意志の強い人間に強い憧れを持つと同時に、そうした人間を明らかに好んでいると言い切れます。私自身はどちらかと言えば意志が弱い方で言いたいことを時たまかみつぶすことがありますが、人間いうべき時は言わないと物事がおかしな方向へ行ってしまうと常々感じます。それこそ空気に支配された集団ほどどうしようもないものはなく、そうした空気に抗する人間というものは一定数は必ず必要だと思います。
なんでこれほど意志の強い人間にこだわるのかですが、もうはっきり書いてしまえばこうした人間をないがしろにしてきたからこそ今の日本の苦境があると思うからです。オリンパスの損失隠しを例にとることなく、日本では問題に対して真正面から取り組もうとする人間がパージされる一方で責任逃れがうまい人間が出世していきます。このオリンパスの問題も外国人社長によって初めて明らかになったことを考えると、これは日本人、というより日本社会が劣っているという風に考えてもいいでしょう。
また古くは山一證券でも、破綻の数ヶ月前にしっかりと対策を取っていれば破綻を免れたと元社員が書いているにつけ、責任逃れこそが山一を破たんさせた最大の原因のように思います。なんかちょっと話がずれてきているように感じますが、真面目に意志の強い人間がもっと世の中に出る必要があると感じつつあることからこうして記事にすることにしました。
まず意志が強い人間とはどんな人間を指すのかですが、私の中の定義ではどんな場所でも自分の意思を貫き通すというか、あきらめの悪いような人間を指すかと思います。それこそ受験勉強を例にとると目標とする学校に合格するためには膨大な量の勉強時間が必要となると、それを苦にせずきちんと果たすような具合の人間がそれで、逆に理想は高くてもその理想の実現に必要な努力をしようとしない、または途中であきらめてしまうのは「意志薄弱」と言えるでしょう。
またある意味では妥協をしないというか、自分が正しいと思うことを信じ続けて、どんな逆境においてもそれを主張し続けるというのも意志が強いといえるでしょう。これも例を取るなら戦前の山本五十六など、勝てないとわかっている日米戦に対して暗殺予告が来ても主張し続けるようなもので、昨日の南原繁の話じゃないですがこういう人間が当時も今も日本には少ない気がします。どうでもいいですが南原の弟子の丸山眞男はあまり好きじゃないです。
昨日にも書きましたがこうした意思の強い人間は恐らく、現代社会、というかほとんどの時代で爪弾きにあうでしょう。いつの時代、どの国でも直言居士というものは大抵煙たがられるもので、逆に妥協を是とする人間はどの時代、どの集団でもちやほやされるでしょう。またさらに言えば、意志の強い人間が変な方向に理想とか思想を持ってしまうのも非常に問題です。例は悪いですが極左やオウム真理教に走った人間はこの典型で、方向性さえ間違えなければと周囲の人間が言う世にその気真面目さがおかしな方向に行って世の中を悪くさせてしまう結果となりました。
ここまで書いていると意志の強い人間はさも面倒くさそうな人間に見えてきますが、それでも私は意志の強い人間に強い憧れを持つと同時に、そうした人間を明らかに好んでいると言い切れます。私自身はどちらかと言えば意志が弱い方で言いたいことを時たまかみつぶすことがありますが、人間いうべき時は言わないと物事がおかしな方向へ行ってしまうと常々感じます。それこそ空気に支配された集団ほどどうしようもないものはなく、そうした空気に抗する人間というものは一定数は必ず必要だと思います。
なんでこれほど意志の強い人間にこだわるのかですが、もうはっきり書いてしまえばこうした人間をないがしろにしてきたからこそ今の日本の苦境があると思うからです。オリンパスの損失隠しを例にとることなく、日本では問題に対して真正面から取り組もうとする人間がパージされる一方で責任逃れがうまい人間が出世していきます。このオリンパスの問題も外国人社長によって初めて明らかになったことを考えると、これは日本人、というより日本社会が劣っているという風に考えてもいいでしょう。
また古くは山一證券でも、破綻の数ヶ月前にしっかりと対策を取っていれば破綻を免れたと元社員が書いているにつけ、責任逃れこそが山一を破たんさせた最大の原因のように思います。なんかちょっと話がずれてきているように感じますが、真面目に意志の強い人間がもっと世の中に出る必要があると感じつつあることからこうして記事にすることにしました。
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