マイク→マイケル→マイケル・ジャクソン→マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー
まで発想が飛んだところ、「あの頃は日本のゲーム業界は開発力も競争力もあったどうして今こうなったヽ(゚Д゚)ノなんてこった」という風に考えた際、真っ先に思いついたのはゲームハードが進化したらカモという可能性でした。
まで発想が飛んだところ、「あの頃は日本のゲーム業界は開発力も競争力もあったどうして今こうなったヽ(゚Д゚)ノなんてこった」という風に考えた際、真っ先に思いついたのはゲームハードが進化したらカモという可能性でした。
これは私だけじゃなく他の人も一部で行っていますが、かつてのゲーム開発はハードの性能が低かったことから非常に制約が多く、容量一つ、プログラム処理一つとっても可能な限り無駄を省く工夫が必要だったとされています。スーパーマリオの芝生と雲は、実は色を変えただけのだ同じ画像だったというのも有名なエピソードです。
また特にスーファミ時代なんかは画像描画能力の限界が低く、高品質なグラフィック、それこそ1枚絵なんてバンバン出せる時代ではなく、演出においては非常に厳しいハードルとなっていました。その分、プレイヤーを楽しませるためにストーリーなどで工夫が測られるようになったことからJRPGは発達したとも言われますが、プレステ、プレステ2などとハード性能が発達していくにつれ、こうした開発における制約はどんどんとなくなっていきました。同時に、和製ゲームの世界的評価もどんどん落ちていき、海外製ゲームと比べ「時代遅れ」とまで言われるようになっていきました。
ハード性能の進化と和声ゲームの凋落が歩調を共にしたのは偶然なのか。多くの意見を聞いている限りだとやはり偶然だとは思えず、その原因は日本人は制約のある環境での開発に強い一方、制約のない自由な開発環境となると弱くなる特徴があると私自身考えています。これはゲーム開発に限らずあらゆる技術、成果物の開発において日本人の共通する特徴と言われていますが、「予算も人材もあるから誰もがあっと驚くようなすごいの作って」というと弱くなる一方、「この限られた枠の中でどうにかして」とか言われると、何故かその枠の中で完璧なものを作ってしまうということが日本はかねてから多いです。
いくつか例を挙げると飛行機のゼロ戦なんかまさにその典型で、「火力もあって、俊敏で、おまけに航続距離の長いのを作って。予算はないけどな」とか言われて、本気でそんな戦闘機を作っちゃいました。もっとも開発要求で言及されなかった、防御力に関してはその分完全に犠牲になりましたが。
また現代における技術面で見れば、自動車の燃費なんか最もいい好例だと思います。こちらも画期的な技術とかそういうのではないですが、「とにもかくにも枠を小さくして言って」的な開発方針の中、世界的にも驚異の燃費水準を日系車はどこも確立させています。もっとも、「燃費下げられないのなら、数値を弄ればいいじゃない」的な三菱自動車も存在しましたが。
ここまでくるともう日本人のメンタリティ的なものがあると私は考えており、基本的に徳川吉宗に始まる倹約精神が重きをなしているように感じます。ともかく今あるものを最大限有効活用してブレイクスルーを起こすというようなメンタリティで、やはり制約のある環境では圧倒的に強いものの、逆に全く枠のない新規の発明とかそういうのでは西欧人には及ばないというのが自分の見方です。そんなわけだから、ゲームハードが進化してなんでもゲーム内で反映できるようになったから、日本人は途端に開発が弱くなったとみています。
以上の考えは以前にもこのブログにも書いたし、他の人も同じように言っている人はよく見ます。ただ今回なんでブログに書き起こしたのかというと、ここから今回はさらにもう一歩進んで、「日本人はニッチ市場に強いのでは?」と思い至ったからです。
ニッチ市場の定義についてはいちいち解説しませんが、改めて考えると日系企業は基本的にマーケティングが下手だと思う一方、自分が先週取り上げたマヨネーズなど食品系企業は、食文化のハードルがありながら海外市場でもマーケティングに成功し、市場を自ら開拓するに至っています。
同様に調味料を細かく見ていくと、日本の調味料は非常に多品種、それこそカロリーゼロとかハーフとか、濃口とか薄口とか様々に分かれていますが、それぞれに対してきちんと市場が出来ててちゃんと商売が成り立っています。
改めてこの辺りに着目してみると、先ほどにも述べた通り、日系企業はマーケティング、特にマスマーケティングは全体として上手くなく、この点では韓国企業に大きく遅れていると私は思っています。一方で狭い範囲のマーケティング、敢えて言うならニッチマーケティング分野においては、非常にごく限られた市場の中で如何にシェアを取り、既存ユーザーの満足度を高め、他社製品と同差別するのかという点では、日系企業はそこそこ成功を得ているように見えます。先ほどの多品種に渡る調味料市場なんかまさにそうで、「こんな味誰が求めてるの?」と思うようなものでも、結構がっちりした固定消費者層を形成していてロングセラーだったりしますし。
特にユーザー満足度の面に関してみると、幅広い層に受け入られるようなマーケティングはそれほど見るべく物もないですが、狭い範囲の特定ユーザー層に対するアプローチや維持の仕方は、工業製品分野でも日系企業は比較的よくやっているような気もします。工業製品でもニッチな部品とかデバイスなんかで強い日系企業は少なくないですが、これはやはりその限られた市場の中でのマーケティングが上手いのではと示唆しているようにも見えます。また、ユーザーがほとんどいないような市場で、一からユーザーを広げていくような方面でも意外と強いかもしれません。そうしたニッチ市場の強さは、「制約下で力を発揮する」というさっきの日本人のメンタリティにも通じるのではないかと考えました。
こう考えると日系企業は世界の表舞台ではなく、「こんなんどこに需要あんだよ?」的なニッチ市場こそがメンタリティ的に最も相性がいいかもしれません。先ほどのゲームに関しても、なんか最近見ていると、最近日本はインディーズゲームの方がなんか面白いの増えてきているように思え、やはり開発人員とか予算が潤沢にあっても日本出は良いもの出来ないんだな、国家プロジェクトが良く大失敗するのもそういうところなんだなとか一人で納得しています。
唯一例外を出すと、元コナミの小島監督なんかは潤沢な予算に対してきっちり売れる対策を作れる日本ではレアな欧米型開発者だったと考えています。もっとも同業者からは、納期は守らないは開発人員を横から奪っていくわであまり評判は良くないですが、エジソンとかあのあたりの人間の話聞くとやっぱそういう人多いから、欧米型なんだろうな。