「李強」といっても恐らく大半の人は「三国志とかに出てくる武将?」と思われるかもしれませんが、れっきとした中国共産党の序列2位の人です。この人はこの前までは上海市書記を務めており、市長よりも共産党のほうが立場が上な中国では実質的に上海市のトップであった人です。それはつまり、私も多いに苦しめられた今年4月から5月にかけて行われた上海ロックダウンの責任者であったということを意味します。
その上海ロックダウンは自分もこのブログで散々愚痴ったように、労多くして得るもの少ない壮大な社会実験で終わりました。現在上海は比較的落ち着いてはいるものの、中国は北京市や広州市を中心に各地でオミクロン株が絶賛猛威を振るっていて、あちこちがリスク区域に指定されて今も封鎖が続いています。そんなだから上海ロックダウンの責任者にあたる李強氏も更迭されるかと思いきや、前回の中国共産党大会で序列が2位に上がり、来年の全人代で現認の李克強氏に代わり首相に就任することが確実視されています。
何故やらかした李強氏が首相になれるのかというと、言ってしまえばヘイ親分の習近平氏の引きによるものというのが大勢の見方、というよりそれ以外ないというのが実情です。そのため中国人の間でも、「あいつで大丈夫なのか(;´・ω・)」という声はガチで非常に強く、今後の中国における内政、特に経済政策を懸念する声は少なくありません。
また偏見かもしれませんが、李強氏についてはその風貌について「馬鹿っぽい(´・ω・)」と話す中国人も実際にいました。確かにと言っては何ですが、ほかの並み居る中国共産党幹部の顔ぶれと並べると、ほかの人たちは強面なエリート然とした人が多いのに対し、李強氏のみ和み系というか普通のサラリーマンっぽく、オーラのような迫力で明確に欠けているという印象を私も感じます。
そもそもこの10年間の中国経済は、習近平氏がいきなり学習塾業界潰したり、ゼロコロナ強行したりと経済活動に対してマイナスにしかならない理想主義的政策を行う傍から、首相の李克強氏が必死でその穴埋めを行うようなテコ入れを繰り返して持たしてきたところがありました。
しかし来年からは、偶々ですが李克強氏から「克」の字が抜けた李強氏が首相となります。完全にヘイ親分でのし上がってきた人物なだけに、習氏の政策に一切逆らわずにそのまま実行してくることは目に見えており、マジで来年から中国経済どうなんだろとか私も思っています。
この辺、別記事仕立ててもいいのですが、私はこれまで中国の経済リスクに関する主張についてほぼ一貫して慎重な立場を採ってきました。言い換えれば中国はまだまだ経済成長するし伸びると述べてきた側で、自分自身でも経済に関して中国の肩を持つ立場であると辞任しています。
しかし上述の通り、マジで最近は今後の中国経済はどうなるのかとずっと心配しています。現時点でも過ちを認めないゼロコロナ政策の堅持によって多方面に経済への悪影響が広がっており、これで頼みの綱であった李克強氏まで去っちゃって、馬鹿っぽい李強氏が政策決定権握ったら本当どうなるのかと、ガチで不安視しています。
追い打ちをかけるようにこのところの中国の不動産市場は不穏なニュースが多いです。端的に言えば今年に一部の未完成物件に関して現地政府が消費者の負債を肩代わりするというニュースがありましたが、かつての中国だったら「は?そんなの知らねーよバーカ」みたいな感じで借金抱えてた消費者を突き放していたことを考えると、今マジで市場がやばいんじゃねーのかと逆に不安を感じました。
とにもかくにも来年以降は自分も中国経済に対し、かつてない悲観的な見方を持っています。自分自身の予想ながら、自分の給料も影響してきそうだからあんま当たってほしくない予想ですが。あと予想と関係なしに日本円はもっと底なしの円安に陥ってほしい(´;ω;`)ウッ…