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2023年6月4日日曜日

英国らしい夜間戦闘機


 キット自体は3月に購入していたものの、作り終えたのはつい先週の5月末だったのが上の写真の二次大戦期における英夜間戦闘機、ボーファイターです。

椅子も座布団も黒くてなんか映りが良くならなかった

 ボーファイターについて軽く説明すると、二次大戦前に長距離を飛行できる双発(エンジン2基)の戦闘機として開発されましたが、実際始まった戦闘ではそこまで長距離飛行が必要とならず、また単発(エンジン1基)のスピットファイアが大活躍したため、戦争途中から戦闘機から軍艦や地上を攻撃する攻撃機、またはレーダーを搭載した夜間戦争期へと役割が変わっていった機体です。


 機体自体は双発機にふさわしく相応にでかく、作り終えた後の見栄えは非常に悪くありません。ただでかいゆえに、置き場所にかなり困りましたが。

水平尾翼がやや上っぱねであるのがわかる

左手前がモスキート、ピントは何故か炊飯器基準

 前述の通りに役割が変わっていったボーファイターですが、最後に行きついた攻撃機としての役割では上の写真にある同じ英国製のウルトラ木製攻撃機ことモスキートの方があらゆる面で性能が上回っており、ハブられた先にとんでもないライバルがいたという憂き目に遭っています。なんでも、腕のいいパイロットにはボーファイターからモスキートに乗り換えさせられたともいわれ、スパロボ的にはGP-03をニュータイプパイロットに載させるような感じだったんだと思います。

右はスピットファイア、左下にあるのは四号突撃戦車

 狙ってたわけじゃないですがなんか連続して英国機をこのところ作っており、せっかくなのでモスキートも含め1か所にまとめて置いてあります。っていうかも本当に置き場所なくて、置き場所探している最中に墜落させてしまったA-4はこの際廃棄することにしました。


 何度も書いているように、モスキート同様に攻撃機なだけにボーファイターもともかくでかく、置き場所に困ります。ただでかいゆえに見栄えも抜群で、今回作ったタミヤのキットだと部品数も少なくシール貼りも含め3時間で作れたので、置き場所に余裕ある人ならこのキットは割かしおすすめです。


2023年6月3日土曜日

中国らしい腕時計

 男性の中では腕時計にこだわりを示し、数十万円、下手すりゃ数百万円もする高級腕時計を度々購入する人もいると聞きます。中には新卒の若者に対してこうした高級腕時計を勧め、時計に負けないくらいの中身を身に着ける励みにしろという人もいますが、普通逆じゃねとか内心で思ってたりします。っていうか身に着ける時計で中身が変わってしまう時点で薄っぺらいような。

 こんなこと言うくらいだから私自身は腕時計にこだわりはなく、単純に時間確認でスマホ見るより早いからという理由でつけています。持ってる時計も、同僚がくれたファーウェイウォッチと、前にデザインだけで選んだところ手首が細い自分にしてはやたら分厚くい時計を見かねて、ソ連人民の敵であるうちの親父がよこしたシンプルな時計の2つしかありません。
 このうち前者は悪くはないもののスマートウォッチなだけにそこそこ分厚く、Yシャツとの組み合わせが少し悪かったりします。また後者も結構古く、すでに風防にもひびが入っているので、まだ使う予定ではあるもののいざというときにサブが必要だなと前から感じ、タオパオでいい感じな腕時計がないかちょくちょく探していました。

 その際にポイントとしたのは、やはりサイズです。前述の通り手首が女性並みに細いため分厚かったり文字盤がでかい時計だとがつがつ骨に当たり痛むので、基本薄く小さい時計しか付けられません。こうしたサイズに加え、なるべく人目を惹くけど過度に派手じゃないデザインでいい時計がないか、せっかく中国にいるんだし中国らしい時計はないかと探し続けて三千里、ある時計が目につきました。






















これ

 見ての通り、文字盤がまさかの漢字表記。でもってその文字も漢数字ではなくまさかの干支という、「この手があったか(´・ω・)」と思わせられるデザインで一目見て気に入りました。タオパオの情報によるとどうも故宮博物館のお土産として売られているもので、値段は180元(約3400円)と、時計に金かけたくない自分のお小遣いでも十分出せる金額だったため、若干1日だけ悩んだけど最終的に注文し、昨日無事に家に届けられました。

 早速これ付けて無駄に自転車乗ったりしましたが、少し分厚いものの許容範囲で、つけながら自転車乗ってても邪魔だとは感じませんでした。ただ文字盤が文字盤なだけに、ぱっと見では今何時か微妙にわかりづらく、「今何時?」と聞かれても「午の刻にてござる」と言いそうな文字盤です。さすがに丑の刻(夜中1~3時)だと告げる機会はないでしょうが。
 あと文字盤の真ん中部分が銀色した金属になっているので、外で見ようとしたらもろに太陽光反射して若干見えづらかったです(/ω\)

 とはいえインパクト抜群なこのデザインはマジ気に入り、昨夜も中国人の同僚たちに「おニューの時計買った(´・ω・)」とメッセージを送ったところ「すげぇ!」という返事をみんなからもらいました。また中国風なデザインが気に入ったと言ったら、「中国人の自分からしてこんなの見たこともないけど、中国風か」という返信を受けました。

 っていうかこれあれば野外であっても八卦占いとかなんかできそうな気がします。この時計に加えひげはやして変な服着れば道士っぽく見えそうで、風水師とか名乗ろうかなという妙な気がもたげてきます。

2023年6月1日木曜日

年1回のメンタルヘルスチェック義務化に関する提議

 中国のECサイトは最強大手タオパオのほかモニターなども作っている京東方もそれに次ぐ勢力なのですが、京東方が毎年6月18日にセールやってるのを見てタオパオも6月入ってから対抗セールをやりだしたので、ちょっと妙な時計を自分も注文してしまいました。届くのがマジ楽しみ。

 話は本題ですが、先日長野県で起きた四人の死者を出した立てこもり事件について犯人にはかねてから精神疾患を抱えており、それが事件を引き起こしたとの見方が強まっています。またかつて山口県で起きた連続放火殺人事件に関しても、こちらに関してはすでにはっきりと犯人が事件当時に精神疾患を抱えていたと判定されています。もっとも後者に関しては逮捕拘留後に疾患が深まり、罪の認識すら覚束なくなっているとも報じられていますが。

 どちらの事件も地方を舞台に短時間の間に多くの人間が殺害されるという凄惨な事件内容となっていますが、事件の根本的原因を求めるなら犯人の家族関係や経歴、事件の舞台ではなく、やはり犯人の精神疾患こそが大きな影響力を持っていたと窺われます。もちろん精神疾患を抱えている人がこのような事件を起こすとは必ずしも限らず、精神疾患そのものだけが起因して起きたと判断するのは以ての外です。自分がここで言いたいのは、「精神疾患+α」でこういう事件が起きることもあるということで、精神疾患者に対し偏見を持つべきではないという立場を取ります。

 ただ、これほどの大事件を起こさないまでも、日本国内には潜在的にかなり多くの精神疾患者で溢れていると前から思っています。その率は前回記事でも書いたように成人の約3割くらいに上るのではないかと思え、この数字の判断根拠としては、自分が日本で会話していて生気が感じられず、機械と会話しているような印象を覚える日本人の割合が3割だからです。
 文字に起こすとしたら「イラシャイマセ」みたいな感じに、言葉そのものとしては丁寧であるものの何か思考して出した言葉というより、その場や相手の種類に応じて機械的に打ち出されたような言葉で会話する人が凄い多いと自分は感じます。

 このように感じる理由ははっきりしていて、普段会話する中国人と差を感じるためです。中国人はまさに日本人とは対照的に、シロッコ風に言えば生の感情むき出しで一方的に言いたいことを言ってきて、こっちの言葉に対し不快感や喜びの感情をはっきり出してきます。ありていに言えば中国人は表情を多く見せるのに対し、日本人は顔に表情を見せずに会話するし、街中を見ても表情に乏しいというか張り付いたような顔面している人が多い気がして、自分から見て軽度だろうが鬱を含む何らかの精神疾患を抱えているのではと思う節があります。

 言うまでもなく、精神疾患はあるかないかでいえばない方がいいに決まっています。仮に私の想像の通りに日本人の少なくない割合が診断が出ていないだけで潜在的に精神疾患を抱えているとしたら、社会はギスギスしてみんなしてストレス増やすし、死ななくていい人が自殺したり、日常の仕事においても効率下げたりと悪いこと尽くしです。
 特に最初のギスギス感に関しては、不倫などした芸能人に対して過激なバッシングが行われることがあり、自分から見ていてなんとなく怒りをぶつけていい相手というか、ストレスの捌け口を日本人はみんなして探しているような気がします。更に言えば、自分以外でこうした日本の風潮について誰も言及しない、気づいていないのも、密かに異常だと感じています。

 以上のような考えから、前々から日本人は健康診断みたく、毎年1回はメンタルヘルスチェックの受診を義務付けた方がいいのではないかとこのところ思うようになりました。具体的には年1回のメンタルヘルスチェックに対して国が税金を投入して無料で受けさせる形が望ましく、毎年1回受けさせて潜在的な精神疾患者を早期発見し、早期に治療する流れを作るべきじゃないかと思います。
 税金を投入することにはなるものの、この措置によって潜在的精神疾患者が減れば経済効率は改善を期待でき、また冒頭の事件のような犯人の発生も防ぐ可能性もあるだけに、最終的には投入した税金を上回る効果が得られるのではないかと取らぬ狸のスキンフォーミュラーを立てています。

 自分でも内心大げさかなと思う一方、自分が精神疾患を抱えていないと思い込んでいる精神疾患キャリアほど、本人にとっても周りにとっても危険な存在はない気がします。

 また診断結果を統計化することで得られるメリットは確実にあります。例えば企業別に潜在的精神疾患者の割合を調べることで、どんな業界のどんな仕事が精神疾患を発症しやすいのかがわかり、対策につなげることができます。また一つの企業で従業員の精神疾患診断割合が30%などのラインを越えたりしたら、ブラック企業と判断して労働改善を勧告または処分を科すことにより、通報がなくともブラック企業を見つけ淘汰することもできると思います。
 これは学校などにも同様に使えることができ、いじめなどが発生しやすい学校や教師の特定につなげられるでしょう。

 こうしたデータの社会活用を含めても、毎年のメンタルヘルスチェックをこの際義務化するというのはこの際ありじゃないあkと思います。ただ日本の精神医療は患者を薬漬けにすることが多く、治療を開始してから症状が悪化するという例もよく聞くだけに、診断後の処置をどうするか整備してから進めるべきかもしれません。

2023年5月31日水曜日

長野立てこもり事件と山口県連続放火事件に感じた共通点

 このところのワイドショーで主役と言えるニュースとくれば、岸田首相の評判よくなかった息子の秘書辞職と、長野県中野市で先日起きた警察官二人を含む四人殺人事件でしょう。わずか短時間の間に4人も死者が出て、またその凶器には猟銃が使われた上に犯人が立てこもるというショッキングな内容から、犯人を検挙した後も動機などを巡り今も活発に報じられています。
 事件発生から日数も経ってだんだんと犯人同期についても捜査情報からか報じられるようになってきていますが、殺害された地元住人二人が精神病を発症していたと思われる犯人の家の近くを散歩して談笑することがあり、その声が自分を馬鹿にしているように感じたからなどという説が出ています。真偽は分かりかねるものの、仮に実際に馬鹿にする言葉があったとしても殺害していい理由にはならないだけに卑劣な犯行であることに間違いないですが、この犯人が語ったとされる動機を聞いて真っ先に思い出したのが「つけびの村事件」こと山口県連続放火殺人事件でした。


 上のリンクはその事件を負ったノンフィクション本に対する私のレビュー記事ですが、端的に書くと、この事件の犯人も今回の長野県の犯人と同じような動機を持っていた可能性が高いとみられます。上記の本の作者が現地で取材したところ、近くの住人が生協で一括購入した商品を村の住人に分配していた場所が犯人の家近くにあったそうです。ほぼ毎週行われる分配時に住人同士で談笑する声を、ほぼ確実に精神病を発症していた犯人が「自分を馬鹿にしている」と妄想し、主に談笑していた住人を狙った可能性があると本ではまとめられています。

 多分人によりけりかもしれませんが、長野事件といい山口の事件といい、なんてことのない外から聞こえてくる声に思い悩むというのは十分ありうるのではないかと私は思います。自分も精神的にかなり参ってたときなんかは外から聞こえてくる声に結構負い目を感じたというか、率直に言ってストレスを感じたことがあります。もちろん正常な状態ならそんなことないし、中国なら日常茶飯事的なおばさんの応援合戦みたいな大声も今じゃ気にならないものの、若干精神が病みがちな時というのは何気ない声が結構胸に来たりします。
 ましてや、長野の事件はこれからの鑑定待ちでしょうが、山口の事件に関しては犯人は事件当時、精神病を発症していたことがほぼ断定されています。そうした精神病を抱えた人間からすると、本当に些細なことをきっかけに大きな殺傷事件を引き起こす可能性があるのをひしひしと感じます。

 そういう意味では、今回の事件に関して一部犯行の凶器が猟銃であったことから猟銃許可について議論する声も見られますが、論点はやはりそこじゃない気がします。本当に論ずるべきは「精神病になっている人はごく身近に溢れている」という点で、こうした精神病キャリアをすぐ見つけ、治療することこそこうした事件を防ぐ上では重要な一手になるのではないかという気がします。

 一部報道では、事件前に犯人の両親らが心配して犯人に精神科の受診を勧めたものの本人が拒否したという内容が書かれてありました。こちらも本当であるかはわかりませんが、仮にその通りだとしたら正しい対応に動いていた両親の無念を考えると強い同情の念を覚えずにはいられません。

 その上で、田んぼの持ち主にカエルの声をどうにかしろと抗議する人がいるという報道がこの前ありましたが、自分は診療関係者ではないものの、この抗議をした人も多分精神を病んでいるなとはっきり言って思います。っていうか日本では診断されていないだけで、鬱を含め何らかの精神疾患を抱えている人が潜在的にかなり多い気がします。
 具体的な率で言うと、日本人の3割くらいは精神疾患キャリアだと私は思います。この辺についてはまた次回にでも詳しく書いていくこととします。

2023年5月30日火曜日

日野自動車と三菱ふそうの経営統合について

 前に「溺れるプーチンは習近平をも掴む」と言いましたが、こんな感じで「プーチンも歩けばドローンに当たる」、「驕るプーチン久しからず」、「二階からプーチン」などいろいろ想像し続けています。

日野自動車と三菱ふそうの経営統合、親会社トヨタと独ダイムラートラック含む4社で基本合意(読売新聞)

 そういうわけで今日のこのニュースですが、このところのトヨタの日野に対する冷たい態度からこうなることは予想していたと、「後だし孔明(事後諸葛亮)」的に思っています。なお事後諸葛亮に関して、この前のクリントン元大統領が「ロシアが侵略するのは分かっていた」という発言を見て、クリントンも耄碌したなとはっきり感じました。

 話を本題に戻すと、具体的な取引詳細こそ書いていないものの持分交換方式で世界各国の証券監督委員会の承認が得られ次第、経営統合を行うのではないかと思います。でもってその際、トヨタグループは日野に対する持分をほとんどすべて譲渡する気がします。少なくとも、連結対象から外すくらいには持ち分比率を落とすでしょう。
 前にも書きましたが日野、というよりここの従業員に関してははっきりと異常性を感じた唯一の企業なだけに、まだまだま掘ればネタは出てくる気がします。それがよりによって自動車欠陥隠しの大御所のような三菱ふそうと組むあたり、なんかすごいコラボだなと正直思いました。まぁふそうはこのところ不正出てませんが、だからこそ逆に気になるってもんなのですが。

 トラック業界は正直あんま詳しくないのですが、業界展望としてはまぁ明るいというか、物流需要は今後も拡大し続けると思うので一定の成長は見込めると思います。ただ中国のトラック業界、というより大型車業界を見ると、ぶっちゃけ日系メーカーよりも実力高いと感じる節があり、もしなんかの形で日本に拠点を持ったりしたら一気に市場シェア取られるんじゃないかと密かに見ています。
 そういう意味ではこの日野の身売りについては内心、中国メーカーに変われる方が日野自身にとっても、日本にとってもいい結果になるのではないかと思っていました。UDトラックスなんかは東風汽車と関係が深いですが、ダイムラーとか中国市場だとどうなんだろうな。

2023年5月28日日曜日

見逃せないナゴルノ・カラバフ問題の推移

 「ナゴルノ・カラバフ」と聞いて、それが何を意味するかすぐ分かる日本人はごく少数だと思います。端的に説明すると、アルメニアとアゼルバイジャンの間で起きてきた、アゼルバイジャン国土に囲まれたアルメニアが自領と主張する飛び地であるナゴルノ・カラバフを巡る領土争いです。

ナゴルノ・カラバフ(Wikipedia)

 リンク先の地図を見てもらえば早いですが、アルメニアはトルコの北東にあり、トルコとジョージアに麻まれる国です。それに対しアゼルバイジャンはアルメニアの東側にあり、アルメニアと大きく国境を接しています。

 このナゴルノ・カラバフ問題をめぐる歴史は非常に長いのですが、ソ連成立時に国境線を画定する際、同地域にはアルメニア系住民が多数居住しているという民族的理由をアルメニアが主張したのに対し、周辺の領土を支配するアゼルバイジャンとの対立が起こり、ソ連政府が仲介する形でナゴルノ・カラバフは自治州という形で火種が作られました。
 こんな背景してるもんだからかソ連崩壊後はその帰属をめぐって両国の争いは激化し、ソ連崩壊以降は数万人の死傷者が出るレベルの戦争が両国間で繰り広げられ続け、そのたびにロシアが両国の仲裁を行う形で停戦させていました。

 しかし2020年における衝突で、かつてないほどアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフ内の実効支配地域を大きく広げることとなりました。これに対しアルメニアは協定違反であることを仲裁国のロシアに訴え続けましたがロシアはあまり動こうとはしなかったことで、アルメニア側はロシアに対する不信感を大きく募らせていきました。
 なおこの2020年の衝突は史上初の「ドローン戦争」とも呼ばれ、特にアゼルバイジャン側のドローン運用が世界の軍事関係者の間で大きく注目されました。現在のウクライナ戦争におけるドローン運用においても、この時の戦訓が大きく影響しているように見えます。


 話を戻すと、そのナゴルノ・カラバフの帰属について2020年の衝突、そしてウクライナ戦争後に起きた2022年の衝突により実効支配地域を大きく減らしたアルメニア側が先週、同地域の帰属をめぐるアゼルバイジャンに対し譲歩する姿勢を見せました。アルメニア側が譲歩した背景として大きいのは、これまで軍事面や仲裁において依存してきたロシアがウクライナ問題でナゴルノ・カラバフに構えなくなったことが指摘されており、このまま状況が好転することもないとアルメニア側が悟ったためとみられています。

 この問題に関して自分は専門家ではありませんが、飛び地というのは紛争を生む諸悪の根源みたいなもので、なければないに越した方が将来の禍根を絶つ上でいいに決まっています。そうした考えからアルメニア側も色々あるでしょうが、今回のアゼルバイジャンに対する譲歩は長い目で見れば必要な譲歩であるように見え、これを機に両国間で未来に向けた友好関係を構築していってほしいと願います。

 その上で、今回この1世紀にも及ぶ領土問題が解決したきっかけはアゼルバイジャン側の攻勢もさることながら、同問題に対するロシアの関与がウクライナ戦争によって薄れたことにあります。見方を変えると、仲裁する側の立場だったロシアが消えたことで領土問題が解決に動いたとするならば、初めから仲裁役がいなければもっと早くにケリついてたんじゃないかという気になります。
 同時に、今回のアルメニアの譲歩は中央アジアにおけるロシアの影響力が低下していることを示す象徴的な事件であるように見えます。東欧、そして中央アジアにおけるロシアの影響力は日本人だとピンときませんが、現地の人々からすると「米国に次ぐ大国は間違いなくロシア」と言い切るほど強いものがありますが、それがどうもだんだんとそうじゃなくなってきているように変化してきています。

 何が言いたいかというと、今回のウクライナ戦争を経てロシアは国際最適な地位を落としただけでなく、米国にとっての南米のような、自国の影響力を及ぼせる周辺地域すらもロシア離れを引き起こしており、その失ったものは計り知れないと言えるでしょう。またこれ以上ないタイミングというか、現在のロシアの最大の同盟国であるベラルーシでルカシェンコ大統領に健康不安説が出ており、仮にそのままぽっくり行ったら、ベラルーシも今後どう転ぶかわからなくなるでしょう。
 少なくとも、ウクライナからすればベラルーシに攻め込む口実はいくらでもあるし。

 以上のようなドミノ倒し、というよりオセロみたいな展開を見る上で、ナゴルノ・カラバフの動きはかなり重要だと思ってみています。っていうかこの動き、最終的にはイランにも波及するだろうか。

2023年5月27日土曜日

日本のLCCターミナルの呆れるしょぼさ


 本題と関係ないけど上の記事見て、「さすが対立を煽る国、英国」と思いました。お好み焼き一つで広島と大阪の対立をこれほど刺激するとは……。


 話は本題ですが、ちょっと古いニュースながらかなり記憶に残ったというか同じ感想を持ったので取り上げます。上の記事を読んでもらった方が早いですが、格安航空会社ことLCCを使って日本を訪れるのは低所得層のみならず高所得層も少なくないものの、何故か日本の空港でLCCの離発着に使われる空港ターミナルは何故かどこもしょぼく、訪れた人がみんなして「なんやこれ?」と思う仕様になっています。
 記事ではこうしたしょぼいLCC専用ターミナルについて、お金持ちも来るんだからもっと印象よくしなよと書いていますが全く以って同感です。っていうか、あのしょぼさは「てめーらはLCCに乗るようなカスどもなんだよ!( ゚∀゚)アハハ」とマジで言っているような感じがして、自分もマジ不愉快です。

 自分の実体験で話すと、実際にLCCの乗客はやや品のない人が多いため、多少値段が高くても自分はLCCの利用は避けるようにしています。春秋航空のに乗ったときなんか、機内で唾吐くおっさんいてマジビビったし(;´・ω・)
 ただ、乗り降りの時間帯や行先によってはLCC便が有利であることもあり、そうした場合に何度かLCCを使ったことがあります。でもって上の記事に書かれている通り、日本到着後のターミナルを見て何度かびっくりさせられたことがありました。

 具体的にはどの空港のLCC用ターミナルはほかのターミナルと比べて内装が露骨に安っぽいです。下手すりゃ壁や天井がコンクリ打ちっぱなしになっており、実際に降り立って「あれ、なんか間違えて倉庫とかに入った?」と思ったことが何度かありました。
 次に飲食店を含め店舗数が露骨に少なく、LCCが到着する早朝の時間帯とかには開いていないというケースもありました。LCCでは食事があまり出ないだけにすぐ食べたいと思いつつもお店は開いてないし、コンビニもなかったりしたので、結局メインターミナルに移動して食べる羽目となりました。

 あと内装に関してだと、移動案内も露骨に少ない気がします。関空の第二ターミナルなんかゲートを出たところ、鉄道などにつながっているメインターミナルへ行くためのバス乗り場への道順が書かれておらず、初めて降り立ったときなんかどっち行けばいいのかマジ迷いました。そんな広くないターミナルであんな風に迷わされるなんて、ある意味凄いことなのですが。

 このほか細かい点を挙げると、店員の質も露骨に悪くなる傾向もある気がします。というのもあるときにLCCターミナル内にある吉野家で牛丼頼んで番号札289番をもらったところ、自分の注文が出る前に「290番の牛丼の方ー」ってアナウンスされてあれって思ってたら、「あー、289番も同じ牛丼だった(笑)」って声が聞こえてきました。それからしばらくして自分の分も出されましたが、変に我慢せず一言文句言っとけばよかったと今でも思います。

 ぶっちゃけLCC用ターミナルを広く豪華にしたり、メインターミナルとの距離を短くする必要はないですが、冒頭にも書いた通り降り立った乗客に露骨に格差を感じさせるあの設計だけはやめろと言いたいです。でもって店舗もいいお店を揃えれば絶対利用する客は多くなるだけに、LCCだからと言って高級店を排除するのもやめてほしいです。高級店が少しあるだけで、内装ぼろくても格差感が出づらくもなるし。