大分日が空いての連載再開です。現在この北京留学記とともに時間の概念についても連載をしておりますが、二つも重ね合わせるもんじゃないなと現在は激しく後悔しております。ちょっとこっちの北京留学記の方は集中して取り組み、早く終わらせないと(´Д`)。
前回までは私の北京での生活など、主にこれから中国に留学を考えている方向けの情報ばかりでしたが、今回辺りからは当時でしか味わえなかったというか、リアルタイムで私が見聞きした現地の情報をオリジナルな解説を加えてお送りします。そんなまず一発目は、恐らく聞きたい方も多いであろう2005年の小泉首相(当時)の靖国参拝時の北京の様子です。
2005年の10月17日、いわゆる郵政選挙といわれた9月11日の選挙での大勝の余韻も覚めやらぬこの日、小泉首相(当時)は在任中五度目にあたる靖国神社参拝を行いました。この靖国神社参拝はかねてより日中間の外交に影響を及ぼしており、特に中国側はA級戦犯を靖国神社が祀ってあることから日中戦争を日本政府が肯定するような行為だと激しく非難しており、この前年の2004年の参拝時には中国にある日本大使館や領事館前でデモや抗議活動、中には投石まで行われるほどの騒動となりました。
そのためこの五度目の参拝時も再び反日活動や暴動が起こるのではないかと日本側は取り上げ、NHKの海外向け注意報でも中国に滞在している邦人に対して気をつけるように、またみだりに大使館周辺をうろつかないようにという外務省から出された注意が放送されました。また私の親父もわざわざ私にメールで外出を控えた方がいいのではと伝えてきたほどだったのですが、結果から言うとこれらはすべて杞憂に終わりました。
私はこの参拝当日に中国のニュース番組を細かく確認していましたが、その報道振りはというと非常に事務的な内容ばかりでした。参拝に対してどう思うかというような街頭インタビューも少なく、ただ中国政府が日本に対して非難を行ったということを述べるのみで、前年、またそれ以前の中国から日本への抗議、非難の仕方からすると随分と大人しかったという印象でした。
事実前年のあの反日デモはどこ吹く風か、大使館周辺でも目立った騒動は起こらず、北京市内の雰囲気ははっきり言って普段の日常と何も変わりませんでした。
ここでは詳しい解説を行いませんが、何故このときに平穏を保ったのかというとやはり日中双方が事を荒立てたくない心理が作用したせいだと私は考えております。特に中国はそれまでの参拝時における中国国民の暴動に自身が相当に懲りたか非常に気を使っており、少なくとも国民を煽るような報道、抗議の仕方はしていなかったと断言できます。まぁそれを言ったら、中国人もさすがにもう五回目という事で、「またか('A`)モー」、ってな感じに受け取っていたのかもしれませんが。
そんなこんなで、大体二週間もすると参拝した事すらみんな忘れてしまってました。
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