また聞きかじりの内容で記事を書いてしまいますが書かないよりはマシなので一応紹介することにします。一応自分で加工した情報とかも用意してはいるのですが、一気にまとめて書きたいから今度の週末かなぁ。
さて昨年は日中間で尖閣諸島沖漁船衝突事故が起こりましたが、この事件における日中の応酬過程で突如として現れたのが今日の表題のレアアースです。はっきり言って露骨とも言っていいくらいに中国は突如として日本向けレアアースの輸出を差し止めてプレッシャーをかけてきたわけですが、この輸出停止によって大多数の日本人がレアアースの貴重性と中国への過剰なまでの依存に気づくきっかけとなりました。もっとも中国は一昨年辺りからそろそろこういった掘削材料から電球のフィラメントに用いるタングステンなどを含む貴重な鉱物の輸出量を減らすと宣言しており、去年のあのレアアース輸出停止は突然ではありましたが日本に限らず欧米向けも一気に減らしましたら来るべき時が来ただけとも見ることは出来ます。
そんなレアアースですが、そもそもなんで世界の市場を中国が握っているのでしょうか。確かに中国国内にレアアースに属する鉱物がある鉱床がたくさんあるのは事実ですがこういった鉱床は中国に限らず、アメリカ大陸にも結構ちらほらあるそうです。それにもかかわらず世界中で今なおレアアースは中国に頼りきっているわけなのですが、実はこれにはわかりやすい裏があったそうです。レアアースというのはその産出量が希少であるだけでなく発掘にあたり一つ大きな問題を含んでいるのです。その大きな問題というのは発掘に伴い出てくる廃棄物のことで、レアアースを発掘するとほぼ必ずといっていいほどウランやトリウムといった放射性廃棄物も一緒に出してしまうそうです。
トリウムなどはそれほど放射能被害は大きくないそうですがそれでも普通に発掘を続けていたら自然と放射能汚染を受けてしまいます。そのため米国などではレアアースを昔に発掘していた際には鉱床で大きな塊を切り出した上で専門の施設へ運び、作業員が放射能汚染を受けないようにレアアースを抽出するという方法で発掘を続けていたそうです。
もちろんこんな七面倒なことをしていたらたくさん費用がかさみます。それをどうも中国は労働災害なんて全く無視して鉱床で発掘から抽出までガンガンと低コストで掘っていき、そうして掘り出したレアアースを破格の安さでばら撒くことで一挙に世界市場を独占するに至ったそうです。ちなみに、初期にレアアースの抽出方法を教えたのは日本人技術者だったそうです。
現代の日本にはもう炭鉱労働に従事する人はほとんどいませんが中国にはそこらかしこに炭鉱があり、また少なからず労働災害や事故の話を耳にします。去年にチリの炭鉱での救出劇が大きなニュースとなりましたが、中国では二桁の人間が炭鉱で事故にあって生き埋めになるというニュースは日常茶飯事とまではいきませんが決して珍しくはありません。そういう意味ではこれまでの中国のレアアースはやや人道を無視して発掘されてきたと取ることも出来ますが、そうして発掘されたレアアースを世界で一番買っていたのは日本人ということも忘れてはならないでしょう。
目下、中国のこの急な輸出引き締めに対して各国でレアアース対策が話し合われております。中国が輸出量を減らしたことによって値段が高騰し、一度閉山した鉱山でもう一度発掘を再開しようという動きや代替材料の研究などが行われておりますが、もし実現できるとして一番手っ取り早い方法はというと、発掘の際に出てきてしまうトリウムを原発燃料として使うことではないかと私は見ています。現在この方面も研究は進められているようですがまだトリウムを原発燃料としての実用化は目処が立っておらず、あまり期待ばかりしていてもしょうがないでしょう。また代替材料についても生成に成功したなどというニュースをたまに見ますが、コストなどの面でほとんどどれも産業ベースとしては使えるレベルにまでは至っていないそうです。
望むと望まざるを得ず、まだ数年はレアアースについては中国に頼らざるを得ないでしょう。ただ個人的にちょっと思うこととして、レアアース材料が必須なパソコンに使うハードディスクなどの値段はもうちょっと高くたっていい気がします。大体二年位前に1TBの外付けハードディスクを15,000円くらいで買いましたが、その後値段が下がりまくってすでに市場価では1万円を割っているのが普通です。
わかっちゃいたけど、ここまで下がっちゃうとなぁ。
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