2011年7月8日金曜日

中国高速鉄道についての鉄道部発言

中国の高速鉄道は「海賊版新幹線」ではない、日本の報道に反論―中国鉄道部(レコードチャイナ)

 日本でも多分大々的に報じられているかと思いますが、先日中国ではこれまで上海と杭州や南京などをつなげて運行していた中国版新幹線(高速鉄道)を上海~北京間の路線でも開通させました。開通させるとともにこの新幹線技術を欧米数カ国に特許を出願したことで、車両の原型となったCRH2型を販売したJR東日本&川崎重工が「そんなの、聞いてない(;゚Д゚)」と反応し、元から中国に売るのに反対していたJR東海が先の二社に「どういうことだよ(#・∀・)」と怒っていると聞きます。内心、今回の一件で川崎重工なんかは株価下がるんじゃないかなと思ったけど、そういうことは見てたところありませんでした。

 日本で報道されているから説明は要らないのでぱっぱ話は進めますが、日本の技術を使った新幹線であるのにその技術を自国のものとして特許申請した中国に大して日本側の高まる不満はこちらでも報じられております。それに対して中国鉄道部(中国では日本の「省」を「部」と呼ぶ)の王勇平報道官が回答したのが最初のリンク先です。簡単にまとめると、というより答えは言うまでもなくいつもの通りですが、今走っている高速鉄道は川崎重工に提供してもらったものとは別の中国独自開発の車両で文句を言われる筋合いはないというものです。

 実は何気にこの元記事を私も空いた時間に暇つぶしがてら昨日翻訳していたわけなのですが、気になった箇所をいくつか抜粋すると、

・川崎重工から提供してもらったのはCRH2型
・今走ってるのはそれを改造したCRH380A型
・カタログスペックが日本の新幹線とはまるで違う、全然別物
・日本の新幹線の技術をすでに越えている
・平均運行速度だって、日本みたいにくねくね走らないからこっちのが上
・日本が我々に追い抜かれた
・日本は技術に驕りがあった。だから我々に負けた
・中国人は人のものをパクって自分のものと言い張る民族じゃない、伝統的に

 といった感じで、まぁ見ていて本当にイライラさせられることばかり言っております。特に最後の奴なんか、街宣車出して去年の万博パクリソング(岡本真夜)の曲を流してやろうかと言いたくなって来ます。
 あと今回の特許出願について彼の論理ですが、ちょっと長いですが私なりにまとめると以下のようになります。

「現在の中国の高速鉄道は確かに日本の技術が大きく貢献しているが、技術というものは過去の技術を下地に徐々に向上していくものだ。そういう意味で日本の果たした役割は大きく我々も認めるが、そもそも日本の新幹線だって島秀雄(新幹線の父と呼ばれる人)が欧州を回っている最中に見た車両が元になっているじゃないか。それをいちいち前の人間の技術だ何だといっていたらしょうがない。第一、今回中国が特許を出願するのは優れた技術を世界に後悔するためであって、特許思想の宗旨に叶う。なんだったら、日本が我々の進んだ技術を学びたいというのならいくらでも教えてやるよ。それをいちいち自分の技術だ特許だといって秘匿しようとしたり、我々の出願を阻もうとする日本は本当に器が小さい」

 といった具合です。まぁちょっと悪者っぽく訳しているのもありますが、一応最後にはフォローとしてなのか、「今日(七月七日)は盧溝橋事件の起きた日だが、過去の戦争は過去のものとして、中日両国は前向きに関係を発展するべきだ。過去の戦争の事なんか忘れたほうがいい」とも言ってます。まぁ戦争を一番持ち出すのは中国政府で、なおかつ政府の人間がこういうときはやましいことがきまってあるのですが。

 ただこうやってわざわざ翻訳しておきながらですが、上記の王勇平報道官の発言はあまり真に受けないようにしてください。というのもこれは政府の発言であって、中国全体の発言ではありません。何気にこの高速鉄道に関しては国家プロジェクトとしては異例なくらいに現地紙でもその運用コストや必要性、果てには安全性に対して疑義を呈する声が大きく取り上げられており、また特許出願については多くの中国人は興味がないというか、あまり意識がないのが本当のところだと思います。私としてはこの中国政府の特許出願を見て日本人が、「中国人は汚い」と言うのを一般の中国人が見たり聞いたりして、この件に興味なかった中国人が「なんで日本にこうも言われるんだよ……」と思うようになるのが一番好ましくないです。それゆえ、大雑把に「中国」とするのではなくこの件で批判する対象は「中国鉄道部」と限定してもらいたいのが、この記事で一番言いたいことです。

 また今回の件は、はっきりいってこうなることを予想しなかった川崎重工とかがかなり迂闊だったと私は思います。なんか重役が「中国は大人の対応を……」などと言ったそうですが、川崎重工こそ大人、っていうか最低限の判断力を持つべきではないかという気が少しします。

 あと最後に、このインタビューの最初の方で王勇平報道官は、

「日本からやってきた取材者も、中国の高速鉄道は技術が高くとても早い。内装も完璧で、日本の新幹線にはない……って、TBSの真下淳氏は言ってたよ」

 と、書かれてあります。
 この真下淳という名前の記者の方は知りませんが、ちょっとどういう人なのか興味がわきます。ちなみに私は高速新幹線に上海~杭州間でかなり多く乗った事がありますが、内装は完璧に日本の新幹線そのまんまで、中国人にもそういわれてました。片側三席、反対側二席という作りなどで。直接コメントとかしてくれないかなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

注:ブラウザが「Safari」ですとコメントを投稿してもエラーが起こり反映されない例が報告されています。コメントを残される際はなるべく別のブラウザを使うなどご注意ください。