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2011年7月31日日曜日

権力にすり寄るメディア

 ちょっと古い話になりますが、松本前復興相が宮城県を馬鹿にするような発言をした後に同行した取材記者に対して、「このことを書いた社は終わりだから」と発言し、その後辞任に追い込まれています。この件については私もブログに取り上げましたが、その後続いて書いた記事にて片倉(焼くとタイプ)さんがコメント欄にて、

「あと松本元大臣の発言をそっくりそのまま放映したのは当初は宮城の東北放送
だけだったそうです。これについて
ネット上では、部落差別問題の無い東北地方では、部落解放同盟の圧力が
およびにくい事に気づかなかった松本氏の誤算だったといわれています。」

 というコメントをしてくれました。

 この件については事件発覚当初にてネットでよく取り上げられていましたし、敢えて名を明かしませんがある大新聞でもコラムにて、現場の記者たちは松本前復興相の脅しに従って当初報道を控えてしまった。記者として恥ずべき態度であるなどと自己批判をしていたことから間違いない事実だと思います。
 一体何故当時の東北放送以外の現場記者たちは取り上げなかったのか。言ってしまえばすくんだ意外にほかなく、普段権力に対する防止装置、ペンは剣より強しとか言ってるくせに情けない人間だった以外にほかないでしょう。ただ一つ弁解をしてあげるならばこの時の記者たちが特別だったわけじゃなく、こういうことは日本のメディアにおいてはままあることです。

 私がいまだによく覚えているのは故中川昭一氏が大臣辞任、ひいては後の落選につながるきっかけとなった2009年に起こったG7後の酩酊会見で、この会見は当時たくさんの日本メディアが取材していたにもかかわらず、当日に報道したメディアは一つとしてなく、たまたま入ってきていた海外メディアが報道してから一斉に報じ始めました。

 この二つの事件における日本のメディアに対する私の意見はというと、別にいつ報じるのは構わないとは思うけど、後になって報じてから批判するのは如何なものかということです。最初手控えたくせしてみんなが叩いているのを見てから一緒になって批判していて、カッコ悪いと自分で思えないのではちょっと救えません。
 あと紙幅が余っているのでもう一つ付け加えると、マスコミ文学はいい加減放棄してほしいことです。これなんか自分がこの業界に入ってきてからわかりましたがどの漢字をひらがな表記にするかとかどの表現を使っちゃいけないとか、日本人特有の妙な横並び精神を如何なく発揮して滅茶苦茶注意されてます。別に小学生相手にしているわけじゃないんだから旧字以外だったら好きなの使っていいじゃん、文章が悪い汽車は自然と淘汰されるんだしなどと不遜なことを考えてはフラストレーションを溜めてます。もっとも自分の場合は誤字が多いのは問題なんだけど。

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