今日は特に書くこともないので適当に時事ネタでかわそうとニュースを検索したら、先日番組でやらせがあったと報道されていたNHKの「クローズアップ現代」がBPOで審議入りするというニュースが出ていました。別に無視してもいいっちゃいいのですが、そろそろ時効だしこのクローズアップ現代のやらせ体質について実体験者でもある私の口から一つの事実を明かそうと思います。
何人かの友人には明かしておりますが、実は私はかつてこのクローズアップ現代の取材を受けたことがあります。どういう経緯での取材を受けたのかというと、2010年に初めて中国への転職を試みた際、当時使っていた人材派遣会社の方から「中国に転職しにいく若者を取り上げたいとNHKから要請があったので紹介しても構わないか」という連絡が来て、別にかまわないと返事したことから正式に取材を受けることとなりました。
受けた取材の回数は合計二回で、一回目は渋谷前で待ち合わせNHKの記者と喫茶店でどうして中国で仕事を探すのか、将来をどう考えているのかなどを話し、その後上海に渡って転職活動をしている最中にスカイプで二回目の取材を受けました。一回目と二回目の取材で聞かれた内容にはそれほど大きな差はなく、担当記者が途中で変わったこともあって一から説明するような感じで二回目の取材は行われています。
二回目の取材を終えた後にNHK側からは、中国で転職を果たすこと(既に現地日系企業の内定を得ていた)について私とこのところ頻出な私の親父で自由に話し合ってもらいその場面をカメラに撮って番組で使いたいという要請があり、撮影日もとんとん拍子で決まりました。過去に梅田駅前でMBSの該当取材を受けた際にテレビデビューは果たしておりますが、NHKの番組でるのはこれが初めてだなと内心ワクワクして撮影日を待っていたところ、当時日本で開かれていたAPECの取材で急遽カメラマンが足りなくなったので撮影日を延期する、また別日程を追って通知するとNHK側から連絡ありました。
少し残念な気持ちと共に次の撮影日を待っていたところNHK側から今度は、「大変申し訳ありませんが花園様の取材は今回の番組では使用しないことを決定いたしました」という、妙なお祈りメールが送られてきました。一体何故私に対する取材部分を使わなくなった理由はというと、
「花園様は日本で正社員として勤務され、また過去に中国留学をして中国語も始めから話せる状態で今回中国での転職を行っています。番組としては今回、中国語が全く使えないにもかかわらず中国での仕事を求める別の方を取材して番組に使うことを決定しました」
暗にですが、私の代わりに番組で使われた方は恐らく正社員ではなく派遣やフリーターの立場だったのではないかと思います。要は、日本でまともな仕事が見つからないので中国語もわからないが仕方なく中国に仕事を求めにいくという、如何にも社会に抑圧されているようなステレオタイプな人物を番組に求めたというか使用したかったのでしょう。その点では私の経歴はむしろ順風満帆過ぎて、一言で言えば絵にならないと判断されたのだと思います。
まぁ向こうのやることなんだから私がどうこう言うのは筋ではないと思うものの、NHKは中国に転職しにいく人間の実態よりも「絵」を取るのかと、皮肉っぽく思ったもんです。周りの反応も似たようなもんで、案外民放と変わらないじゃないかなどという意見が多かったと記憶しています。
こうした実体験があったので今回のクローズアップ現代のやらせ問題を見て、私はそれほど驚きを感じず、むしろ報道されていないだけでこの手の小細工はほかにもいっぱいあるんじゃないかとも考えています。それにしてもNHKは取材の着眼点がやっぱり違うんじゃないかと今現在になって思えます。そんな中国での就職を希望する若者なんかより現地採用勤務者の実態とか、中国留学経験者がほとんど中国語を使わない仕事についている実態とかの方が私の中ではもっとニュースです。
最後に紙幅が余ったので余計なことを書くと、NHKのグループ会社で人材派遣業務を行っている「NHKビジネスクリエイト」は派遣のマージン率をインターネット上で公開しておりません。事業所ごとのマージン率公開が義務付けられたもののほとんどの派遣会社が公開に対して消極的であるということを報じるためにも、NHKは身近にいい例があるんだからもっと取材に力を入れるべきではないかとこの分野の第一人者であると自負する私からアドバイスしておきます。
8 件のコメント:
こんにちはです~。
中国に行く若者を取材するなら、何の準備もせず行く人より、それなりの準備をしてから行く人を紹介したほうが、本当に中国で働きたい人のためになるのに、と思いました。そういう「冒険者」を紹介した方が、ドラマチックで、視聴者の興味をひきやすかったんでしょうかね。
最近、ニセ医療やアンチワクチンなどを論破する本にはまってます。
ジャズミン・カフェという女医さんのブログに書いてあったのですが、そういう医学的に不確かな説をもっともらしくいう人の動機は、
「みんなが驚くようなことを言って注目してもらいたい」
「誰かを不安にさせると面白い」
「自分はすごい人なんだと認めてほしい」
「自分の商品を買ってもらいたい」
などなどだそうです。
近々、食べ物に関する情報の正しさについての本も読んでみたいと思います。
マスコミも、視聴者の興味をひきつけるような、間違った情報を面白おかしく煽るから、罪が大きいですよね。
間違った情報に騙されないような目を、遅ればせながら、少しずつ学んでいきたいです。
医療に対して疑問を呈す本は確かに増えていますね。代表格はがん治療ですが、こうした疑問問いかけ系の内容はいくつかは説得力を感じるものの、多くはちょっと怪しいと思いながら見ています。
昔記事にも書きましたが、めてぃあというのは注目されてナンボなためニュースを煽る傾向は確実に存在します。それはメディアの宿命ともいうべきところなのですが、消費者としては如何に情報の真偽をとるか、昔以上に求められてくるようになっているのかもしれません。
花園さんの経験談だけあって非常に説得力があります。
メディアの中でもテレビ、新聞、ネットでそれぞれ長所があるように思われるのでこの三つでうまく役割分担できればなぁと常々思ってます。ネットの長所は情報のスピードだと思いますのでそこに重きを置き、新聞については、読む人はある程度の教養がある方が多いと思うので少しディープな内容を担い、テレビでは編集する時間があると思うので、わかりやすさを重点に報道する、というように明確に役割分担すればそれぞれの短所を上手く補えるような気がします。ただ現状を見ると難しそうですね。
とりわけ最近のテレビは色々とひどいので僕はテレビ自体持ってませんが(笑)
消費者は情報の真偽をしっかりと見極め、情報から知識へ変換できるように努力しなければならない、と肝に銘じておきます
メディアの役割についてそのように考えているとは、テレビはわかりやすさを重視するという話などは初耳なので興味深いです。
メディア自体も発達しなければなりませんが、それ以上に市民も教養のレベルを今後上げてかないと内心うまくいかないのではと密かに考えています。なんだかんだ言いつつネットの普及で情報に対する価値観は以前より良くなっていると感じられるものの、メディア自身はむしろ退化してきているのかなぁ。
僕もメディアの発達以上に市民の教養レベル、思考レベルのアップは必須だと思います。この二つの能力が低いと、情報やプロパガンダに踊らされて愚かな大衆、家畜になってしまうだけですからね・・・
民主主義は過去の歴史を見ても国民がある程度の水準の判断力があってあってはじめて成立するものであるように思います。よって一般人においてもある程度の思考力や教養が必要だと思います。ただ日本人は政治家の悪口は言うくせに選挙にはいかない、民主党の悪口は言うくせに自分たちが民主党に投票したことの反省はしない、といった大衆が多い気がしますね。
コメントがダブってた様なので一つを削除しておきました。
選挙で投票しない層が多い件については私が言うのもおかしいですが大目に見てあげてください。というのも現在自民党の政策に納得いかなくても対案を出す野党がなく、実質的に受け皿がない状態です。だからといって自民に投票できないとなると無投票にならざるを得ず、こういう投票行動に出るのだと思います。
ついでに書くと、自分はこのところずっと海外いるせいで実はあんまり国政選挙に投票したことがなかったりします。そんなに投票したことない癖に普通の人よりは確実に政治に文句言うことが多いですが、大人ってこんなもんです。
media関連の人間はホンマに世界で最も狡い人と言っても過言ではありません。
うん、それはよくわかる。まぁ俺もちょっと記事の方向性を弄ったりはしてたが。
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