2015年5月30日土曜日

どうすれば日本は二次大戦に参戦しなかったのか

 先日、大学の先輩からアニメ「シュタインズゲート」を見るようやけに猛プッシュされました。どうもGW中が暇だったのかこのアニメを全部見て気に入ったようだったようで、ひとまず付き合う形で自分はアニメの原作となったゲームからやると言って、日本に一時帰国した際に購入し、つい先ほどエンディングを見ました。
 このゲームはどんな内容かというと端的に言ってアドベンチャーゲームで、基本はシナリオを楽しむだけのゲームです。ではどんなシナリオかというと悲惨な結末を迎える未来を変えるために何度もタイムリープして過去に戻るといういわゆるタイムトラベル物です。話自体はよく出来ていてそこそこ骨のあるシナリオでしたが、敢えて苦言を呈すと主題歌がちょっと悪いなという気がします。

 ここで話は変わりますが、歴史議論において「もし○○だったら」という仮定の話がよく出てきます。小説なんかだと「歴史IF物」としてジャンルも固まっている程ですが、二次大戦に関するものだと「どうすれば日本は米国に勝てたか?」という視点でよく語られることが多いような気がします。
 しかし本当に検討すべきはそこではないのでは、具体的に言えばどうすれば日本はあの無謀な戦争に参戦しなかったという点こそ議論すべきではないかとふと思え、今日は仮に自分がタイムトラベラーとなるのであればどうすれば参戦を回避できたのかという視点でもって、当時の未来改変ポイントを探ってみようと思います。

ポイント1、東条英機がいなかったら
× 東条の代わりはいくらでもいた
 これは断言してもいいですが、開戦時の首相である東条英機は確かに熱心な開戦論者であったものの、彼以外の陸軍幹部らもほぼ全員が同じ思想を持っていました。そのため仮に東条が存在しない、もしくは開戦以前に暗殺されていたとしても、山田風太郎のいうように「東条の代わりはいくらでもいた」というのがオチだったでしょう。
 ただ開戦後であれば、東条がいない、または暗殺されていればもう少し早く終戦できた可能性はあるかと思えます。実際に暗殺しようとした人たちも多かったし。

ポイント2、満州事変が起こらなければ
× 満州事変以前から日米間で中国市場の権益競争は起こっている
 日本が本格的に帝国主義でもって侵略を開始する第一歩となった満州事変ですが、これ自体は関東軍の独断専行による陰謀で、少しテコ入れすれば阻止できた可能性は高いです。しかし仮に満州事変が起こっていなくても日米は日露戦争以降から中国市場の権益を巡って競争しており、遅かれ早かれ何らかの形で衝突が起こったのではないかと私は考えます。これと同様に、盧溝橋事件に伴う日中開戦が無くても同じでしょう。
 もし本気で中国権益において日米の衝突を避けようものなら、日露戦争直後に満鉄経営でハリマンの出資を受け入れることしかなかったかもしれません。っていか、この出資拒否こそが日米戦争の根源たる原因だったと私は思います。

ポイント3、ソ連と開戦していたら
× 漁夫の利を得るタイミングで米国は参戦してくると思える
 日米開戦以前、具体的には独ソ戦開始と共に日本が日ソ中立条約を破ってソ連と開戦していたらという仮定です。仮にこのタイミングで日本がソ連領内に進撃していたらさしものソ連もスターリングランド戦はおろかモスクワまでドイツに占領されていたと断言してもいいでしょう。ただこのような状況になればさすがに米国もドイツを叩かねばと腹をくくる可能性が高く、何らかの口実でもって連合国側として参戦してきたのではと私には思えます。でもってソ連もモスクワを奪われた後も結構しぶとく戦ってきそうですし、大戦の結果も大きく変わらなかったのではと思えます。

ポイント4、軍部の暴走を抑え政党政治が続いていれば
× むしろ政党議員の方が好戦的だった
 はっきり言ってこれは論外もいい所ですが、軍部が台頭せず政党政治が続いていたとしても日米戦は確実に起こっていたでしょう。というのも当時の政党は贈賄が横行するなど激しく腐敗していた上に、下手な軍人よりも外交において好戦的で米国にも勝てると信じ込んでいた議員が多かったと聞きます。結局、手をかけるのが軍人か議員かの違いだけになるでしょう。

ポイント5、日独伊三国軍事同盟を結んでいなければ
△ 断言こそできないものの回避できた可能性がある
 当時の外交で一番致命的だったと言えるのがまさにこの日独伊三国軍事同盟で、ファシズム国家のドイツ、イタリアと結んだことによって英国やフランス、米国との関係を日本は一気に悪化させています。仮にこの同盟が結ばれず米英との関係を多少なりとも維持できていれば国民感情も違ってたでしょうし、場合によっては欧州の大戦勃発を受けて軍需による経済恩恵を日本が得ることも出来たかと思えると、日米戦は回避できたのかもという期待はもてます。
 ただ日本の中国への侵略はこの時既に始まっており、米国にとっては日本のこの行動は許し難い物であったことに間違いありません。そのため回避できたかどうかに関しては半々ではないかというのが私の見方です。

ポイント6、日本がハル・ノートを受諾していれば
〇 開戦する理由が日米間でなくなる
 敢えて象徴的な意味合いを汲んでハル・ノートという言葉を使いましたが、要するに日米交渉が妥結していればという仮定です。通商や中国問題を巡って日米間で協議が持たれ、最終的にこの交渉が決裂というか日本が投げるに至って真珠湾奇襲が行われることとなりますが、仮にこの交渉が妥結していれば日米の通商も復活し、また欧州大戦の特需も受けられて日米開戦は回避できた可能性が高いのではと思います。
 だた妥結した場合、日本は侵略した中国の領土、及び仏領インドシナからすべて撤退せざるを得なかったのは間違いありません。これは当時の日本から見れば大きな損失で、そのような条件を呑んだ場合は書く量の一人や二人は確実に暴動や暗殺によって死ぬこととなったでしょう。しかしそれでも、日米戦によって失われた損失に比べればそれは本当に小さな小さな損失でしかなく、日清戦争後の三国干渉を受け入れる度量があの時の日本にあればとつくづく思えます。

 以上が私が考えられる、主だった未来改変に至る重要なポイントというか歴史の分岐点です。いろいろ意見はあるでしょうが日本がもう少し粘り強く米国と交渉していれば、大局を見て中国から撤退していればあの戦争は起きなかったのではというのが私の見方です。
 ただこれらとは別に、大きな歴史の分岐点がもう一つ存在しています。

ポイントX、ヒトラーがいなければ
◎ 日米戦どころか二次大戦も起こらなかった
 また山田風太郎からの引用ですが、「東条はいなくても戦争は起こったが、ヒトラーがいなければあの大戦は起こらなかった」というのは恐らくどの歴史家の間でも一致する意見ではないかと思います。それほどまでにヒトラー一人の歴史における影響力は桁違いに大きく、彼一人の存在の有無だけで当時いた数千万、下手すれば億単位の人間の生き死にが変わったことでしょう。ヒトラーの代わりはおらず、ヒトラーはヒトラーでしかなれなかったと考えるとまさしく魔人といってもいい人間といえ、あれほどまでに世界史に影響を与えた人物はほかにはチンギス・ハンくらいかもしれません。
 となると私がタイムトラベラーとなる場合、なるべく早い時期にヒトラー暗殺をもくろんで過去へと渡ることになりそうです。なんかターミネーターっぽくなるけど、そもそもドイツ語出来ないから行くの面倒くさいなぁ。

2 件のコメント:

  1. それでは、第三次世界戦争に参戦する予定でしょうか?

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    1.  孫氏の兵法に則るならば、戦争に巻き込まれないようにするのも一つの知恵だ。もっとも、巻き込まれないのと巻き込まれないというのはまた別だが。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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