2016年6月25日土曜日

英国のEU離脱とその影響について

 先月から長く続いていた咳が一度は病んだのですが、今日とんかつ食って自宅に帰る途中で何故かまた急に再発して鬱陶しいです。別に喉に何か詰まらせたわけではないと思うのですが、難だろアレルギーか何かなのかな。吐きだした痰の一部がやや異なる色しているのも気になるけど、早く治ってもらいたいです。

 話は本題に入りますが、既にあちこちで報じられている通りに英国が昨日の国民投票の結果、EUから離脱することが決まりました。離脱は2年以内とのことですがこの選挙結果を受け世界中の金融市場は大混乱に落ち、日本も日経平均が約1300円も落ちただけでなく為替も1米ドル=100円を一時切るなど私の職場でもリアルに悲鳴が出ました。でもって給料を人民元で受け取る現地採用の我々も、「何もしていないのに給料が下がるなんて……(´・ω・`)」と呟くのでした。まぁ私はあんま気にしないですけど。

めいろま 「イギリスがEUを離脱した本当の理由」(アルファルファモザイク)

 英国は一体何故今回EUから離脱したのかという背景については上のまとめ記事に書かれている内容が大まかな背景で間違いないと思うので、今回の解説については省略し、今後どうなっていくか今回の選挙結果の影響を中心に解説します。

<英国自身への影響>
 真っ先に起きることとしてはポンド下落に伴う経済的打撃で、ポンドは事実上、米ドル、ユーロに続く世界第三位とされる基軸通貨の地位を失うことになるとみてほぼ間違いないでしょう。代わりに世界第二位に上がるのは日本円でそれについては後述しますが、近年の産業が金融を中心で、なおかつ不況が続いていることもあって深刻な状況に陥ることもあり得ます。

 ただそれ以上にダメージが大きいのは政治面での打撃で、既に今回の選挙結果を受けてキャメロン英首相は辞意を表明しており後継を巡ってしばらくごたごたが続くでしょう。また地区投票ではEU残留派が上回ったスコットランド地方では今回の選挙結果を受けて英国からの独立議論が再燃しており、それに続く形でウェールズや北アイルランドも同じような議論が起きていると報じられています。スコットランドに関しては以前も独立可否を問う選挙を故行っているだけに笑い話ではなく、下手したら英国連邦解体の一石となる可能性は否定できないだけに今後の情勢は荒れたまま続くだろうというのが私の見方です。

<EUへの影響>
 こちらも英国同様にその影響は甚大で、真っ先に考えられるものとしてはドミノ倒しの様に英国に続いて離脱を検討する国が出てくるという事でしょう。一部のEU参加国は通貨がユーロに固定されているがゆえに市場に現金を供給するなどと言った金融政策が打てず景気が打開できないと考えている節があり、言うなればEUにいるからこそ不景気だと考え、これを機に決別したいという国は決して少なくない気がします。
 もっとも、そういった国々はEUから離脱して独自通貨に切り替えたとしても景気打開はできないと思え、上記の考えは幻想であると私は考えていますが。

 また、ギリシャは以前にも離脱を検討しましたが、恐らくギリシャとしてはEU離脱、ユーロから独自通貨に切り替えることによってドイツ等からの借款を踏み倒したいというのが本音であるように見えます。逆を言えばユーロから離脱するついでにあれこれ理由をつけて借金を踏み倒そうとする国はほかにもいるように思え、そうなったら事実上のEUの長でありさりげなくユーロの金融政策で独り勝ちしているドイツとしては気が気ではないでしょう。

<世界経済への影響>
 今回の英国のEU離脱が2008年のリーマンショックに並ぶ経済危機となるか友人と昨夜議論し、そうなるのではという私に対して友人はそこまではいかないという見解でした。ただどちらにしろ、リーマンショック以降としては世界経済に最も大きな影響を与える一打になることは間違いなく、来週は首吊るトレーダーが後を絶つことがないでしょう。真面目にあの選挙結果が出たのが金曜日で良かったと思う。
 株価もそうですが今回の場合は通貨の変動の方が明らかに大きく、今回の結果を受けて上記で説明したようにユーロ、ポンド共に不安が高まりその国際基軸通貨としての信用を大きく落とし、成り行き上、日本円が第四位から一気に第二位に駆け上がることになると思います。位置的には米ドルがもちろん中心ですがリスクヘッジ用の第一位の通貨となるわけで、来週以降は延々と円高が続くこととなり連動する形で日本の株価も下がり続けることでしょう。もっともそれ言ったら世界中で株価下がるわけだから日本だけってわけでもありませんが。

<日本への影響>
 上記で述べた通りに巻き込まれる形で円高になり経済的には大打撃を受けるでしょう。ただ皮肉なことですが、伊勢志摩サミットで無駄に「リーマンショック前の状況だ」と声高に叫んで消費税増税延期に安倍首相は持ってこうとしまししたが、実際にそれに近い状況になっており消費税増税を延期して結果的には正解となりました。逆にもし強行していた場合は次の参院選で批判のやり玉に挙がっていたことは間違いなく、そういう意味では安倍首相もなかなかいい幸運を拾っています。
 その上で今後の日本の課題としては、これから起こる円高を何が何でも抑えなければなりません。ではどうすれば抑えられるかですが、実現性は無視して何でも言っていいという前提で述べるならば、敢えて中国の人民元を推したりバックアップして、その国際基軸通貨としての地位を高めるよう工作するのもありではないかと密かに考えています。中国としては人民元の国際基軸通貨化に対する野心が高く、上手くそれを利用出来て日本に来る衝撃をいくらか緩和できればなと期待してます。

<中国への影響>
 EUは中国にとっても有力な貿易相手地域であるだけに経済的な打撃で言えばもちろんおっきいです。ただ景気が減速傾向とはいえ世界全体で見ればまだ勢いがあるだけに、あれこれ言う人がいるでしょうが多分平常運転でしょう。仮に上記で述べた通り、ここで人民元を前に押し出してくるってんなら色々面白いですが。

<世界のパワーバランスへの影響>
 今回の結果を受けて私が真っ先に考えたこととしては、世界のパワーバランスにおけるEUという一角が崩れ、それに伴って必然的にロシアのプレゼンスが高まるだろうという事でした。余計な説明抜きで続けると、仮にそうなればかつての米ソ冷戦構造よろしく米露の二極構造化が進むのではと思う一方で、「一帯一路」という方針を掲げ海洋政策では強気を維持する一方で陸上の中央アジア各国に対しては融和政策を取る中国がますます力をつけ、三極構造に発展していくのかなという仮定も浮かびます。
 これまでは米国、EU、最近になって尖がってきたロシアの三極構造+イスラムグループみたいな感じでしたが、この構造からEUがまるごと脱落することになるのは確実で、世界のパワーバランスは大きく変化すると断言できます。まぁこの辺は状況を見ながらおいおい判断していくしかないでしょう。

2 件のコメント:

  1. 現在イギリスの国内世論がEUの脱退を望んでいるわけですが、イギリス政府が脱退を断念する可能性はありますかね?

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    1.  仮に選挙結果を反故にしたら民主主義を否定することになるので、日本人ならともかく英国がそのような愚かな行為はしないというかできないでしょう。ただ、日本のマスコミはまともな分析が出来てないであれですが、今後の議論としては「どのような離脱方式」を取るかが重要な論点です。拠出金を一部支払って経済提携関係を維持する、人の国境移動はある程度自由にするスウェーデンモデル、一部制度で提携するスイスモデルなど今後の選択肢は色々あり、その点についても余力があれば今度また解説しますね。
       もっともこの話、全部聞きづてでマイオリジナルなネタってわけではないのですが……。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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