2016年6月9日木曜日

違法ではないのに舛添は何故問題なのか

舛添叩いてる奴ら何なの?www(アルファルファモザイク)

 時間がないのでちゃっちゃと書きますが上のまとめ記事で一番最初に書かれている、「法律に触れてるわけじゃないから叩く要素皆無でしょ」というやや中二病が入っているような意見について他の人があれこれ反論を呈しているのですが、私から見ていて少々生温いというか鋭さに欠ける意見しかないように見えるため、舛添都知事問題についてこれまで何も語ってこなかったこともあるし一つ私なりの反論意見をここで紹介します。

 まず、「違法ではないから問題ではない」という根本的な問いについて一言で回答するなら、「一般市民なら」と私なら言うでしょう。この回答は根源的な倫理問題(何を逸脱と定義するかや、認知されなければ犯罪とはならない等)に触れないこと前提ですがこれはここで議論すること自体馬鹿馬鹿しいことでもし仮に言い出す人がいたら前提と討論内容も区別して理解できない輩なのでそこで見切っても十分でしょう。
 話は戻しますが先ほども述べた通り一般市民であれば法律に触れなければよほどのことがない限り問題ではありませんが、今回の騒動の大きな論点は「都知事」である舛添都知事がいろいろやらかしているという点です。先程の掲示板ではこの点を誰も指摘出来ていないのが私にとって非常に不満でした。

 政治学的な論点で話を進めると、地方自治体の長である都知事という役職は行政職としては非常に権限が強く、また日本の自治体情勢上、実質的に立法職も兼ね備えている役職です。これが何を意味するかというと、都知事を含め政治家というのはある程度自分で法律を変えることができる地位であるということです。極端なことを言えば自分にとって不都合な条例や規定を排除することも出来てしまい、今回の例だと出張規定などを変えれば外遊渡航費などの上限を取っ払うことも不可能ではないでしょう。また逆に自分にとって都合のいい法律を作ることもでき、実際に小沢一郎は国家から金を懐へ入れられるように政党助成金制度を作って悪用し、舛添都知事も今回同じように悪用したわけです。
 そのように法律を変えられる政治家に対し、「法律に触れていないから問題ない」と言うことに何の価値があるのか、変則的に言い返すならば法律の制定、運用過程を理解しているのかと聞き返すのもありでしょう。

 上記の意見を踏まえた上で今度は法学的な論点に変えて話を進めると、政治家と言うのは法律を変えることができる地位であることから、一般市民に比べより強い倫理性が求められるものだと私は考えます。というのも倫理観の低い人間であれば自分に都合の良い法律を作ったり排除したりする可能性が高く、仮にそうなれば社会全体として不利益しか生まれません。また「法律に触れていないから」と言って好き勝手やる政治家を見て、果たして一般市民は法律を守ろうと思うでしょうか。
 「信なくば立たず」という言葉があるように、法律というのは誰もが守るから効力を発揮しますが上の人間が守ろうとせず市民から信頼が得られなければ、結局誰もが法律を守らなくなっていきます。だからこそ政治家と言うのは厳格に法を守る立場なり姿を見せる必要があり、法律に書かれてなくてもより倫理的な行動を取らなければ上にも書いたようにコミュニティが上手くいかなくなっていく可能性があるだけに、政治家と言うのは法律に書かれていなくても倫理性が求められるわけです。

 もっとも、綺麗ごとだけで世の中渡りあって行けるわけではないことは私も重々承知で、多少なりとも法律に違反するようなお金の使い方も政治の世界には求められます。一例を挙げると高杉晋作なんか藩のお金を勝手にちょろまかして軍艦とか買ってたりしましたが、彼がそうやって長州藩の軍備を整えていなければ明治維新は起こらなかったかもしれません。また外交の世界でも、賄賂と言うのはどこでも違法ですがどこでも飛び交う物でもあります。
 こうした法律に反するお金の使い方の是否かは実に簡単に区別することができ、即ちそれが国益のために使われたのか否かです。国益を思って使われたとしても許されない使い道ももちろんありますが、法律に反したお金の使い道で見ていて納得できるか否か、許すか許さないかのラインはこの国益に叶うか否かに尽きるでしょう。

 今回の舛添都知事の例の場合、仮に大金を貪ったとしてもそれが純粋に国益に叶うものであれば恐らくは大きく問題視されなかったでしょう。しかし報道でもせこいと書かれているほど舛添都知事の場合はスイートルーム借りたり、ファーストクラス乗ったり、家族旅行を会議と言いはったりと全て私利私欲に基づいた支出しかなく、されに彼の場合はこうした誰がどう見てもおかしいと思う支出を「国(都)益のための支出」だと主張するからなおさらムカつくんでしょう。っていうか最初の段階で変に強弁張らず、「もうしません。反省してます」と言っておけばここまで大事にならなかったような。

 以上の意見をまとめると、法律に触れていなくても問題であると判断する私の主張は以下の三点に集約されます。

・舛添都知事は法律を変えることのできる政治家である
・政治家は法律の条文以上に倫理が求められる
・問題とされる支出は国益につながらない。むしろ下手すりゃ資本流出

 まぁそもそもの話、法律に触れてないとか言いますが政治資金規正法では政治活動目的以外の支出がある時点で違法なんですがね。更に領収書の書き換えもやっていることから会計報告上でも明確に違反なんで、「法律に触れていない」という前提自体が間違っているっていうのが私の立場です。

4 件のコメント:

  1. 違法ではないのに舛添は何故問題なのか
    何が問題なのかという人は、物事を浅くとらえている場合が多いような気がします。
    陽月秘話氏の文章は「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を実践している分だと思います。(作家 井上ひさしの言葉)
    陽月秘話氏のブログの中でも分かり易さ、読みやすさ、で上位に来る文章ではないでしょうか?
    陽月秘話氏の文章の面白さ、読みやすさは天性の才能なのでしょうか?
    いつも参考にしております。

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    1.  ケイ様、コメントありがとうございます。
       最近趣味の話題(+派遣問題)ばかり書いてて時事解説をサボってきましたが、久々に書いた割にはそこそこ論点をわかりやすく明示し、解説できたかなと自分でも思っています。
       お褒めいただき本当にありがたい限りで、実際に難しい話題をわかりやすく解説して文章にする技術は昔から自信があります。この方面の技術が熟達した理由としては、高校時代に読解力のない友人に囲まれ、どうすれば文章内容をわかってもらえるかに試行錯誤した経験が何よりも大きいです。ポイントとしては、「どれだけ文字数が増えてもいいから、やりすぎと思うくらいくどく説明する」というスタンスで書くというのを今も続けています。

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  2.  最近は、別荘を売却したり(最初手術して、入りづらくなったので大きなお風呂が必要と言っていた気がしますが、それなら、うってはいけなのでは・・・)、給料を下げる条例を提出したり、待機児童問題を上げて、続投を宣言したり(そういえば、新宿でしたか、韓国人学校の問題も保育園?を建てたいと区が要望していたらしいという話をおも出しながら見ていましたが)と、上のエントリーの「猛将列伝~ゲオルギー・ジューコフ 」ではないですが、初動を誤った挙句に小手先の手段で挽回しようとして、泥沼にはまっている印象がますます強くなります。
     しかし、最初に下手に出ていたら、意外と単純な我々日本人の感情はどうなっていたのか、結果を知りたい気がしますね(笑)。

     結局、やることをやっていれば、擁護論も「実績が~」、という形でそれなりに説得力のある形で出たのでしょうが、あげられる実績がなかったのかなと遠目に見たりしています。

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    1.  最初の別荘の会見で、「ああこいつ、市民を馬鹿にしてるんだな」ということをみんながみんな見抜いたんじゃないかと私は見ています。最初から真面目に火消していればその後の疑惑も追及されなかったでしょうし、前の猪瀬も猪瀬だったのでやめさせるくらい奈良に動いたのではないかと思え、おっしゃる通りに初動にミスって、「第三社の目」を含めて言うことやること全てが裏目に出ている状態ですね。
       もう少し続けるとここにきて前任の猪瀬待望論も出てきていますが、彼は彼で都知事時代にやたらまわりに怒鳴ってばかりで職員からしたら舛添の方がずっとましだという話を聞きましたが、恐らくこれも事実であるという気がします。記者出身ってのは人に文句を言うのは長けていますが自分で何かやれってなると案外できない人が多いですし。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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