何故か続いてしまったステマ記事ですが、今回はこれまでに起きたステルスマーケティングの事例を紹介します。基本有名どころばかりになってしまいますが。
まず初めに、ステルスマーケティング(ステマ)の定義づけを先に行っておきます。これに関しては私の言葉で述べると、「組織的な広告・宣伝活動であると明示せず中立な第三者を装って商品やサービスを紹介・宣伝する。または競合先のネガティブキャンペーンを行う」といったところに落ち着きます。実際のところ、どこからどこまでがステマであるのか線引きについては議論の分かれるところで、今日書く記事はその線引きも敢えて意識して作っています。
・ソニー発のステルスマーケティング
1、デビッドマニング事件
2、ゲートキーパー問題
3、その他もろもろ
既に解説済みだし解説するのにも飽きているので詳細はリンク先を見てください。
・ペニーオークション詐欺(2012年)
こちらも有名な事件なので知ってる人も多いと思われますが、2012年に発覚したペニーオークションサイトを舞台にしたステマ事例です。
この事例の首謀者はペニーオークションと言って、入札ごとに入札料を支払うという形式のオークションを行うサイトを運営し、初めから一般の入札者が商品を落札できないようにプログラムを組んでいただけでなく、そもそも入札する商品も最初から仕入れてもいないという悪質極まりないサービスが展開されていました。どう見たって怪しいシステムだし全く入札できないという声が集まったことから警察の強制捜査が入り敢え無く御用となりましたが、事件化されたことによってこのサイトではステマが行われていたことが明らかとなりました。
この業者が逮捕される以前、グラビアアイドルを中心に「ペニオクで安くで商品買えちゃったー」という記事を個人ブログに掲載する芸能人が多数存在しました。当初からそのシステムの怪しさと芸能人らがやや組織立って推薦するような記事を書いていたことから怪しまれていましたが、案の定というか業者から芸能人に謝礼付きで、第三社を装って記事を書くようにと依頼を受けての行為でした。
事件化によってステマであったことが発覚し、これによりほしのあきや小森純などは騒動を謝罪したものの半引退に追い込まれ、グラビア仲間に「アルバイト」としてステマをあっせんした松金ようこに至っては芸能界から完全に引退する羽目となりました。業者の悪質さやステマの不法行為を考えると仕方のないものかと思われますが、私個人として一番の疑問は引き受けるのに抵抗を覚えなかったのかって点です。明らかに怪しい業者なんだし。
・ハレ晴れユカイ騒動(2006年)
これは当時リアルタイムで見ていたのでそこそこ詳しい自信があるのですが、当時大人気だった「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメの主題歌「ハレ晴れユカイ」に対するステマがきっかけとなり非常に大きなネット騒動が勃発しました。
・第一次ブログ連戦争(ニコニコ大百科)
大まかな概略は上の記事にも書かれてありますが、今では当たり前の存在となっているいわゆる「2ちゃん記事まとめブログ」という、大手掲示板のスレッド内容を読みやすいように編集加工してのせる「まとめサイト」がこの時辺りからネットで増えていました。ただ当時のネット住民は「のまネコ騒動」でもみられたように無料公開されている2ちゃんねるの記事を商業利用することに対して強い嫌悪感を持っており、まとめサイトに対しても批判が少なくありませんでした。
そんな中、とあるまとめサイト管理人のmixi(SNSとしてはもはや死語だなぁ)での、他のまとめサイト管理人らとのやり取り内容がネットに流出し、その中には「ハレ晴れユカイをプッシュしよう!」というような内容が書かれていたそうです。ついでに書くと、「アフィうめぇ」というのもあったとも。
一体これはどういう事かというと、まとめサイトは基本的に自分のサイト内でアフィリエイト広告を掲示し、この広告へのクリックによる紹介料を収入としています。この当時、まとめサイトの管理人らがやろうとしたことは2ちゃんねるでの「ハレ晴れユカイ」に関するスレッドを意図的に多く掲載することによって各サイトにある同曲のアフィリエイト広告へと誘導するという方法で、実際当時いろんなまとめサイトを訪れていましたがこの時に「ハレ晴れユカイ」のプッシュのされようはブームというのを通り越すくらい異常に多かったです。
このステマで特徴的な点は二つあり、ステマ当事者はその商品・サービスの直接の販売者ではないということと、複数のサイト管理人が共謀してプッシュしていたということです。特に後者に関してはかねてから批判の多かったまとめサイト管理人同士の横のつながりがあったことがわかったことで2ちゃんねるを中心に猛烈な反発が起こり、各まとめサイトでコメント欄が炎上しただけでなく、管理人らの個人情報が暴露されて電話突撃なども敢行されたと聞きます。
こうした甲斐あって当時隆盛を誇ったまとめサイトの多くは消滅し、逆に当時はマイナーでこのステマに関わってなかったまとめサイトがメジャーに昇格するという現象が起こりました。当時、まとめサイトの老舗中の老舗である「痛いニュース」を除いて一番勢いがあったと思われる「ニャー速」も、この時の騒動では最大ターゲットとされ荒れに荒れた末に消滅しました。当時よく見てたからなくなった時はちょっと寂しかったですが。
以上、簡単にステマ事例を紹介しましたが必ずしもこうであるとは限らないものの、どれもインターネットを介したステマ事例となっており、ステマというのは本質的にネットを舞台に行われる違法なマーケティング手法と見ても間違いではないでしょう。またその線引きも曖昧であるため、ペニオク騒動の様に本人らの自覚のないままにステマに加担するような例も今後増えてくるのではないかという気がします。
私自身もこうした点には注意を払っており、たまにAmazonのアフィリエイト広告を貼っていますがこの際に貼る広告は必ず自分が読んだ本、遊んだゲームなど直接体験した物に限っています。読んでもない本を紹介するのはステマではないものの推薦するのにおかしいと考えるからですが、逆を言えば体験もしていないのに広告を貼る輩も多いと言ったところでしょうか。
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