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2018年11月21日水曜日

ゴーン氏の逮捕の背景

 昨日二本も記事書いたから今日は何も書かずにおこうと思っていたものの、ゲームの「バレットガールズ2」をほぼクリアしてしまい暇なのと、意外とどのメディアも分析足りないのではと思うのでゴーン氏の逮捕の背景について自分の見解を紹介します。
 ちなみに昔香港の日産グローバル本部に取材した時、中国事業の先行きについて、「うちのゴーンも言ってましたが……」と、なんか自宅で飼ってる犬みたいに呼んでたのが凄く印象に残っています。

 あまり長く書いてもしょうがないので簡潔にまとめますが、一部メディアでは日産の内部告発やクーデターが逮捕につながったと報じていますが、私個人としてはこれはあり得ないと思います。理由は非常に簡単で、その後の特捜が逮捕に至るプロセスがあり得ないからです。
 仮に日産内部の社員又は役員が告発する場合、告発先がどこになるか想像してみましょう。普通に考えて、証券取引委員会とか特捜へいきなり垂れ込む奴なんてまずおらず、普通は社内、つまり日産内部でしょう。

 その上で日産内部の不正通報窓口なり役員連中に話が行った場合、次は何が起こりどうするかです。普通に考えて、ゴーン氏を特捜に突き出すという選択は最初には起こりません。突き出す場合、然るべき措置というかステップを普通踏むというか、踏まないとしたらただの馬鹿でしょう。
 具体的には役員会を開いて役員権限の解任、ソフトに軟着陸させるなら引退、本人が嫌がる場合は以前の富士通みたく急病とか反社会的団体とのつながりということにして無理やり下ろして、会社との関係を断った上で特捜に突きだします。そうしたある意味の企業防衛ステップが今回は一切踏まれていない時点で、内部通報からの逮捕なんてシナリオは自分としては考えられません。

 これを裏付けるように、今回の逮捕を日産内部であらかじめ知っていた人間はいなかったとみるべきでしょう。誰も記者会見などの準備もしておらず、会見した西川社長の発言や表情を見ても想定外の事態だったようにしか見えませんでした。むしろ特捜は日産側に不意打ちくらわすように、こうした情報が漏れないように実行に移したのでしょう。

 これと、個人的に気になっているのはゴーン氏の罪状認否について特捜側が一切発表していない点です。早い人にはわかりますがこれは囚人のジレンマだと考えられ、今後逮捕者はまだ増えるかもしれません。このアプローチは明確に日産関係者に投げかけられており、実際に西川社長はこの前聴取を受けたとのことで、助かりたくば情報を提供するようにというメッセージを特捜側が出しているのだと考えられます。

 最後に、では何故逮捕に結びついたのかですが、まぁ今後の発表を待たないと何とも言えませんが私の推測で言えばわかりやすかったからじゃないでしょうかね。数年前のパナマ文書以来、富裕層の租税回避に対する国際租税枠組みは強化されており、最近だと高額資産者の銀行口座情報は加盟国間で共有されています。そういうところからいろいろと見えてきたのと、あとホリエモンが言っているように別件逮捕の可能性もあるとは思います。まぁここら辺はエビデンスがないのでやはり今後の続報を待つ必要がありますが。
 個人的に今後気になるのは監査法人の変更はありうるかということです。今回もやはりというかここだから見逃したんだなと思う新日本監査ことEYが日産の監査法人だったようで、これを機に東芝みたく切り替えが起こるかもしれません。切り替えるとしたら残りのビッグ4のうち3つでしょうが、どれになることやら。

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