ページ

2018年11月3日土曜日

中国のバス運転手への暴行に関する事件群

 昨日の記事でバス運転手への暴行から起こった重慶のバス転落事故を取り上げましたが、今回のこの事件は中国でも大きく注目されるとともに、割と日常的に起こっているバス運転手への暴行について過去の事件の掘り下げが行われています。
 自分も結構驚いたのですが。乗客が自ら乗り過ごしたにもかかわらず運転手にここで降ろすよう強要して、暴行を行うという事件は各地で多発していたようです。こうした行為は男女問わず起こっており、また勢い余ってバスのハンドルを奪おうとする事件も一度や二度どころではなく起こっており、実際にそれによって街路樹に衝突すると言った事件もあったそうです。

 今回掘り起こされた中でも強烈だったのは、ハンドルを奪おうとしたところ別の乗客に蹴られるという事件で、写真に関してはこの記事、日本から見られるかわかりませんが動画はこちらから見れます。この狼藉者を蹴った人間に対してはあちこちから称賛される声が出ており、「彼は乗客全員の命を救った」という意見をテレビなどでも伝えています。
 また今回の転落事故を受け、各メディアや警察などはこうしたバス運転手への暴行は運転を妨げる危険行為であることを説明し、実際にこうした行為を行った人間への実刑例などを挙げるなどして注意を広めています。先ほどのキック動画もその一環と言え、こうした行為を働く人間には殴り倒してでも止めろということを暗に伝えていると思っていいでしょう。実際、その方が理に適ってるし。

 なお、今でこそ上海住まいでバスにも特定の路線以外乗らないし、また上海人は基本マナーがいいからイラつくこともありませんが、かつて杭州にいた時は平気で人に寄りかかったりする人間が多く、バスに乗ること自体がむちゃくちゃ嫌でした。しかし当時は杭州に地下鉄もなく、他の交通手段もなかったので使わざるを得なかったのですが、日本のバスと比べてとにもかくにも中国のバスは体力を消費します。まぁその分、老人とかにはすぐ席を譲る文化は中国の方が上だけど。

2 件のコメント:

潮風太子 さんのコメント...

2.くしくも当方でも今回はバスネタにしておりますが、
カットしたネタに「乗客の暴力事件」がありまして、
メディアもそうですが、
この手の事件について報道すると、
倫理観のカギが外れ
一気に模倣犯が増える傾向があるそうで、
報道を自粛する傾向にあるとのこと。
実際には日本でも相当な数の運転士への暴行事件が、
多発しているようです。
ニュースで今回の事件をみて、
もはや対岸の火事ではナイなと思いましたが、
日本人のメンタリティーとして、
ああいう風にはなってもらいたくないなと、
願うばかりです。
さて、今回の件に関してもそうですが、
元はと言えば遅延が原因とのこと。
そこで今まで書かれていなかったようですが、
上海はじめ都市部の公共交通機関の定時運行は、
どういう感じなんでしょうか?
日本では秒単位で定時運行を確保しているので、
3分おきでの運行も可能ですが、
最近は上海も、
そういう感じになってきているのでしょうか?
ちょっと気になっていたもので・・・
m(__)m




花園祐 さんのコメント...

 まずこうしたバス運転手への暴行の報道についてですが、おっしゃる通りに模倣犯が増えるかもという懸念があるものの、自分はメディアの側に立つというのもありますが、やはりありのままに今回の中国のように報じた方がいいのではと考えています。駅の車掌への暴力も一時大きく報じられましたが、それによって認知が高まり、認知件数自体は増えたものの拡大の歯止めにはつながったとも聞くだけに、やはりこうした行為は批判されるものという報道が必要ではないかという気がします。
 次にご質問の件ですが、そもそも中国のバスには日本と違ってきちんとした定時はなく、せいぜい前後のバスとの運行間隔くらいしか気にしていません。これは地下鉄も同様で、時刻表も存在せず、始発と終電のみが決まってるだけです。
 最初は自分も抵抗ありましたが、慣れるとその場できたものに乗ればいいという風な割り切りが出来、なんとなく時間の感覚にも余裕ができてきました。逆に最近は日本に帰ると、何分にどの電車に乗らないととかいちいち気にして、なんか急かされているような気になって不快感感じるくらいにまでなりました。
 道路事情によって遅れたりするのは当然なのだから、バスは案外こっちのやり方の方がいいのではと本気で思っています。