ページ

2023年7月25日火曜日

中国の突然の外相交代

 今日のビッグモーターの記者会見は下手なコントよりずっと面白く、恐らく歴史に残ることでしょう。ちなみに自分が現場にいて質問できたとしたら、「あとどれくらいシャバにいられると思いますか?シャバにいられる間にやっておきたいことは何でしょうか?」と聞いてます。
 そんなわけでビッグモーターの話と思いきや、マクドでご飯食べて帰宅しようとした矢先に友人からメッセージが送られ、以下のニュースを知りました。


 かねてから1ヶ月間表に出てこなかった中国の外交部部長(外務省の外務大臣に相当)である秦剛氏が、今日突如解任されたと発表されました。変わって外相となるのは前任者でもあり日本大使も長く務めた東大卒の王毅氏で、「やってねおめでとう(/・ω・)/」と中国人の友人が言ってきました。
 まぁ実際のところ、日本の政治家も王毅氏とは交流あるし、また口ではきついこと言いながら日本に対しては必ず配慮してくれるツンデレ屋さんなので、プラスになるかどうかは未知数な点はあるものの、日本にとって彼が外交の表舞台に立つのは絶対的にマイナスになることはありません。

 ただそれ以前に、外相という最重要閣僚である人物が任期途中でこのように解任になるというのは中国では普通あり得ません。私自身も、1ヶ月間音沙汰なくてもまた素知らぬふりして復帰してくるだろうと思っていただけに、今回のこの発表にはかなりビビってます(;´・ω・)
 なお中国国内ではこの1ヶ月間、秦剛氏の姿が見えないことについて一切報じられていませんでした。そのため日本語ニュースを見たりするなど外信に触れている中国人を除いては、彼が失踪していたという事実すら把握しておらず、話題を振っても「え、何それ(。´・ω・)?」とマジでこんな反応されました。

 でもって解任が発表された今日に関して言うと、中国国内では解任、そして王毅氏の再登板のみが報じられ、解任の背景など詳細については一切報じられていません。またニュースに関するネットユーザーのコメント欄では

「王毅氏なら外務大臣の風格がある」
「王毅氏はいい男だ」
「王毅氏なら問題ないね」

 などと、王毅氏を誉めそやすコメントしか表示されず、「秦剛に何があったんだΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)」的なコメントどころか、「秦剛」の文字すら一切ないのは見ていて楽しいものがあります。逆を言えば、それだけ中国政府も触れられたくないのでしょう。
 なお王毅氏がグッドガイなのは私も認めます。

 では一体何が起きたのか。報道ベースではどうも香港の女子アナと不倫していたのが規律に引っかかったなどと言われていますが、芸能人との不倫くらいで規律に引っかかるなら共産党からは幹部はいなくなるはずです。となるともっと大きな違反事項があったとみて間違いないのですが、一部コメンテーターが指摘しているように、何らかの重要情報を米国などに漏らしたくらいじゃないと、ここまでの処分は起きないと私も思います。その流出ルートに香港の女子アナがいたとすれば、従前の報道とも合致してきます。

 もっともこの辺は裏付けが取れないのでこのまま真相は闇の中へ入っていくでしょうが、秦剛氏は突然抜擢されたのと、年齢的にも次期総理、総書記も狙える立場であっただけに、習近平執行部への打撃は小さくないと断言できます。更に言えば、現在半導体や水産品を巡って日本とも通商外交で揉めていますが、恐らく中国外交部は今かなり混乱の最中にあるのではないかという気がします。だからこそ、既にほかの役職にもついているとはいえ経験者である王毅氏を無理くり引っ張ってきて、この混乱に対処しようとしているのでしょう。
 もっとも、外交以上に国内経済の方が中国はかなりやばいと思います。日本の轍をそのまま踏もうとしているというか、不良債権処理を先送りして内需刺激に走ろうとしており、マジで自分が習近平の側近なら「痛みなくして改革なし」ってアドバイスしています。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ さんのコメント...

少し前ならば 日本人で恒大集団の経営状況を知っているのは 投資家や中国関連のビジネスを行っている人、中国ウォッチャーぐらいでした。 ですが今では ヤフーニュースやワイドショーでも恒大集団の債務超過のニュースを流しています。中国事情に詳しくない日本人でも 中国経済の不調に気づきつつありますね

花園祐 さんのコメント...

 やっぱこうして中国で暮らしていると、日本国内で報じられる外信には言動があるなという感じがします。景気は肌感覚の方がデータ分析よりも信用できるというか、直接その目で見る方が状況についてよくわかるような気がします。
 そういう意味では日本の景気、特に地方経済に関しては、みんな東京にいる人が適当なこと語るから都心にいる人は実態に気づいていないような気もします。この辺が報道の限界というのかなぁ。