2010年2月14日日曜日

移民議論の道標~その二、日本の現状

 昨日はなにかに疲れていたのか文字通り半日も寝ていてブログもサボってしまいました。確かに金曜日は夜更かしして「囚人へのペルエムフル」を夜中の三時までやってましたけど、昼食、夕食後にそれぞれ二時間近く寝ているのに夜十時に布団に入るなんて自分で「小学生かよ……」と突っ込むほど終始眠かったです。

 それはさておき早速始めたこの移民についての連載ですが、まずは手始めに現在の日本における外国人を取り巻く現状について各データをおさらいしておこうと思います。最近こういう愚痴が増えてきましたが、こういうデータを取り扱う面倒な記事は週末や休日など時間のある日しか出来ないので、出来る限り二度調べせずにすむ位に片付けておきたいです。
 そんな紹介するデータの一発目はなんといっても国籍別外国人登録者数のデータで、早速リンクを貼ることにします。

国籍(出身地)別外国人登録者数の推移(法務省)

 できれば上記サイトで貼られている図表を直接貼り付けられればいいのですが、PDFファイルのためうまくいかないので国籍別外国人登録者数の多い上位三ヶ国のデータのみ抜粋します。

  国籍別外国人登録者数の増減
        1998年    →  2008年
総数   :1,512,116(100.0%)→2,217,426(100.0%)
中国   :272,230(18.0%)→655,377(29.6%)
韓国・朝鮮:638,828(42.2%)→589,239(26.6%)
ブラジル :222,217(14.7%)→312,582(14.1%)
注:括弧の中は全外国人登録者数の中での割合


 ここで取り上げている「外国人登録者」の定義というのは、日本に90日以上滞在する外国人には居住している自治体に在留を届け出る必要があり、その届出されている登録でもって測った外国人の人数のことを指しております。

 それでこのデータについてですが、見てもらえばわかるとおりにこの十年で日本に居留する外国人の数は実数にして約70万人、率にして約147%の増加をしております。そしてその内訳を見ると、これは調べた私も結構驚いたのですが、かつては全外国人登録者数の半数近くを占めていた韓国や朝鮮国籍者人口が減っているばかりか割合でも大きく減少を見せ、その代わりに増加した中国国籍者は2倍以上の増加を見せております。また同様に三位のブラジル国籍、というよりは日系ブラジル人人口も約1.5倍の大きな伸び率を見せており、こちらも今後の移民議論において見逃せない数字となっております。

 先に簡単に分析しておくと、外国人登録者数は2009年のデータでは中国人を除けばどこも減少している可能性が高いと私は見ております。というのもこの手のデータは景気の影響に左右されやすく、特に韓国やブラジル国籍者はリーマンショック以降に本国に帰った人間が多いと聞いており、韓国に至ってはこの世界的不況が彼らにとって追い風となっている所もあるのでその幅も大きい気がします。

 ではそんな外国人登録者の在留目的はというと、あんまりあてにならないですが一応法務省から下記のようなデータがあるので紹介しておきます。

在留資格別外国人登録者数の推移(法務省)

 あまりデータのいじくりようのないデータですが、このデータの中の永住者の内訳が「一般永住者」、「特別永住者」の二種に分かれております。この特別永住者というのは戦前に韓国と北朝鮮から日本から渡ってきた人達やその子孫に与えられる資格該当者のことで、他の外国人と比べて日本の出入国や居住条件などが大幅に認められています。現国会で議論されいている外国人参政権付与において重要な位置づけにある集団ですので、これはまた後ほど解説します。

 そしてこの議論において左右両方から一番批判が来そうな外国人犯罪のデータですが、ちょっと古いデータですがそこそこまとめているサイトがあるので一応紹介しておきます。

奈良大学社会学部2001年度「社会学特殊講義」(関西大学社会学部助教授 間淵領吾)

 結論から言いますが、この外国人犯罪において正確なデータを求めることは限りなく難しいと言わざるを得ません。
 というのも上記リンク先のデータにも当てはまりますが、基本的に犯罪率というのは、「犯罪検挙数÷該当集団母数」の割合で、10万人当たり何人が犯罪を犯したかという数字にまとめたものです。しかし日本人だけならともかく外国人の場合だと何を以って母数を求めるかによって大きく変動してしまいます。

 いくつか例を出すと、例えば在留90日以下の短期滞在者と長期滞在者とで分けると圧倒的に短期滞在者の中で犯罪率が高くなる傾向があり、この両者を一緒くたにすると長期滞在者が実態にそぐわず犯罪を犯しやすいと見られるデータになってしまいます。そしてあまり話題にする人がいないものの前から疑問に感じていたのですが、この手のデータで密入国者の犯罪がどのように処理しているのかが全く見えてきません。

 密入国それ自体が違法なのですから日本でやることも当然犯罪に関わることが多い密入国者ですが、仮に彼らが犯罪を犯した場合はその犯罪は外国人犯罪件数に数えられるのか、またその場合かれら密入国者は犯罪率を出す際の分母に加えられるのかが出回っているデータにはどれも明示されておりません。
 もしこれら密入国してきた犯罪者がきちんと統計処理されていないのであれば、正式な手続きを経て日本に入国している外国人登録者たちは他人の犯罪も自分達の犯罪として計算されているということになり、実態にそぐわないデータとなっている可能性が非常に高いです。
 この辺が前から疑問なのですが、ちゃんと外国人犯罪率データはその辺も考慮して外国人登録者の犯罪だけを分子として計算しているのかが全く見えてこず、そういった事情もあるのであまり世の中に出回っているこういうデータを私は信用しておりません。
 ただ外国人犯罪の件数増加や犯罪率の高さについては刑務所の定員問題などを聞く限り確かに事実で、「外国人には犯罪を起こす人間が多い」ということは私も認めております。しかしどれほど多いのか、またどのような人種、国籍、滞在型に多いのかについてはまだまだ検討する余地があるでしょう。

 最後に外国人地方参政権問題に一番深く関わるであろうデータとして、各自治体別外国人登録者人口割合のデータで面白いのをひとつ紹介しておきます。

都道府県別外国人数(社会実情データ図録)

 上記のリンク先のページを見てもらえばわかりますが、外国人居住者の多い各自治体でその国籍別割合を求めた所、なんと紹介されているすべての自治体においてブラジル人がトップだったということがわかりました。
 よくこの外国人地方参政権問題の話題が出るたびに、「韓国や中国に国を売り渡すのか!」という意見が飛んできますが、実態的には規模はともかくとして、地方参政権付与によって地方政治に大きく力を持つのはブラジル人ということになります。もちろん反論としてブラジル人は在日韓国人や朝鮮人のようにまとまった組織がないと言えますが、韓国籍や中国籍の人を危険視している人達はこのブラジル国籍の人のこともちゃんと眼中に入っているかといえば甚だ疑問です。そういった様々な事情を含めて、幅広くこの連載で議論していければ幸いです。

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