まず最初に訂正です。この連載の「その七、フィリピン人看護師」で散々日本が受け入れたフィリピン人看護師のことを書きましたが、実際に日本にやってきているの看護師の国籍はフィリピンではなくインドネシアの方が大半だという指摘を受けました。その指摘によるとフィリピンとはETAの整備が遅れているため、インドネシアの方が先に入ってきているそうです。訂正してお詫びします。
そういうわけで本題に入りますが、今日はそもそもの議論として一体何故移民が必要とされるのかという根本的な議題について触れておきます。
まずこの移民の受け入れを最も強く主張しているのは経団連こと財界で彼らの主張を大まかに私の理解でまとめると、日本は少子高齢化が進んでいて労働力となる青年人口がこのままでは不足する事が目に見えており、そのような事態に備えて日本の生産力を落とさないように労働力を確保しなければならず移民が必要だ、といったところでしょうか。はっきり言いますがこれは詭弁です。
そもそもの話として今現在の日本で労働力が不足しているのは介護や医療といった分野で、現在の経団連の中で大きな発言力を持っている自動車、家電産業といった分野の各企業はリーマンショック移行は労働者の雇い止めを相次いで行っており、むしろ働けるなら働きたい人が数多くいるというほど労働力が飽和状態となっております。わざわざ私が言うまでもないことですが、彼らの本音としては人件費の削減のために安い給料で働かせることが出来る移民の募集であって、現に行われている日系ブラジル人の受け入れも彼らの要求によって実現しました。
しかし前回の記事でも書いたようにただ安い労働力を求めて移民を受け入れるとその分野で働く日本人の賃金も比例して下がるため、国内の消費力がより低下してグローバル企業にとっては利益に適っても、日本国全体では返って不利益となる事態になりかねず、まさに国敗れて企業在りとも言うような亡国の策となってしまう可能性があります。
そのため、私は現在の経団連の主張のような移民の受け入れには基本的に反対です。逆に介護や医療といった真に労働力が不足している分野については、技術も必要とされる分野なだけにあらかじめ訓練を受けてきた者に限って必要とされる人数の上限を設けて受け入れる必要はあると考えております。もっとも、現在のインドネシア人看護師については受け入れ態勢、いやそれ以前に日本人の中で就職希望者が増えないという待遇の改善が図られないということが問題だと思うのですが。
ちょっと今日は時間がないためここで中断しますが、今現在の日本の移民議論で重要な焦点となるのはこの労働力ともう一つ、人口減社会への対応という目的があります。これについてはまた次回にて。
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