前回に引き続き北朝鮮との国境沿いにある丹東に旅行してきた話を書きます。
二日目の日曜日は一緒に来た友人と共にあらかじめ申し込んでいた現地旅行会社の半日ツアーに参加しました。なお申し込んでたのは180元のコースでしたが向こうのミスで150元のコースに入れられていたため、見に行く予定だった観光スポット一つを訪れることなくツアーが終わってしまったので友人が文句言ったら二人分の差額60元を返してくれました。
ツアーはバスで移動するというものでしたが生憎この日は雨で、バスから降りる度に傘指してバスに戻るもんだから湿気ムンムンのツアーでした。しかもかねてから楽しみにしていた「朝鮮戦争記念館」は現在改装中なので中には入れることが出来なかったり、雨で視界が悪いのに丹東が一望できる山の上行って案の定何も見えなかったりと、隣にいた友人はずっとブツブツ文句言ってました。
ちなみにツアーの参加客はざっと見たところ中高年しかおらず、ほぼすべて華北の人間で北方訛りの強い中国語で会話していました。恐らく華南から来たのは私と友人くらいなものだったのですが、逆を言えば北の人間からすれば丹東はそこそこ観光地としてみられているのかもしれません。
このツアーバスでの移動中にはガイドが北朝鮮の事情について説明する場面もあり、ガイドによると丹東にはたくさんの北朝鮮人が出稼ぎに来ており、その収入は月収で1000元(約1万8000円)だとのことで実質的にこの地域の最低賃金で働いているそうです。参考までに、上海と深圳ならもう最低賃金は2000元を超えています。
ただこれで終わらないのがやはり北朝鮮。一人月収1000元で働くのですがこのうち六割に当たる600元は強制的に北朝鮮政府が徴収するとのことで、労働者が受け取れるのはわずか400元だそうです。しかもそのお金の大半は本国の家族らへ送金するとのことで、恐らく中国国内の衣食住は保証されているでしょうが、自分で自由に使うお金はほとんどない模様です。この中国での出稼ぎでは大体3年くらいいるそうなのですが、北朝鮮に戻った後で貯めたお金で何を買うかっていうと一番多いのは自転車とのことで、向こうではまだ自転車が高級品として扱われているということも教えられました。
ここから私の考察ですが、ざっと見まわしたところこの丹東の街の住民はやけに裕福層に見えました。というのも中国の地方都市にしては日本車やアメ車など比較的いい車が走っており、安い中国国産車がほとんど見られないほどでした。中国の地方都市でなおかつ主要な産業がないにもかかわらず一体何故かと疑問に思ったのですが、考えられる理由としては一つには観光産業がきちんと成り立ってサービス業でやっていけている、もう一つとしては北朝鮮人を安い賃金でこき使えるからではないかと推察しました。途中で土産物屋の親父にも話を聞きましたが韓国人もたくさん敢行に来ているとのことで、実際に街中歩くと韓国人向けと思しきクラブが林立しています。逆に、日本人はほぼ全く来ないと話していて、「お前、小日本なのか」と言われた挙句にせがまれてパスポート見せる羽目になりましたが。
この前の記事の写真で国境の川幅がどれだけあるかがわかりにくかったので、上野写真を用意しました。大体上の写真位がスタンダードでこれくらいの川幅なら両側にフェンスも設けられていませんが、場所によってはジャンプすればすぐ飛び越えられるくらい狭まっている所もあり、そういうところだと有刺鉄線も張られてたりしました。
話はツアーに戻りますが昼食に食堂へ連れてこられましたが友人が、「衛生的によくない」と拒否したため、我々だけ持参してきたパンを食べて昼食とした後、さっきの川幅の写真のところからボートに乗り込み北朝鮮側の陸地へ近づいてきました。先程にも書いたようにこの日は大雨でなんとなく気分的には強襲上陸をやるような感じだったのですが、この上の写真がそれらしい雰囲気を出せたと思います。
真面目な話、かなりスピード出すボートで5元でビニールの合羽買って着込んだけどすごい寒かった。
これもボートで近づいた北朝鮮側の埠頭ですが、この埠頭は戦前に日本が建てたものらしいです。この写真は一切ズームをしておらず、実際に数メートルの距離まで近づいています。
このボートでの移動中、北朝鮮の見張りの兵士にもかなり近づきました。さすがに兵士に対しては「カメラを向けるな」という指示があったので写真を撮りませんでしたが、ライフル持っているのもいれば、女兵士が立っていたりする場所もあり友人はやたら興奮していましたが、自分としては北朝鮮人を見たところで何の感動もなくやや冷めた目で見ていました。
それにしても、なんだか人間サファリパークみたいな感じで一方的に観光の材料とされる北朝鮮側の人たちはどんな気分なんだろ。
ボートで北朝鮮側を見て回った後は市内の歴史博物館やらお土産屋やら万里の長城の始点地などを見てホテルへと戻りましたが、ちょうど夕方頃には雨が止んで晴れ渡り、ホテルの部屋から臨んだ北朝鮮の風景も遠くまで見られるようになりました。
上の写真のズームアップ
同じくズーム。なんか政府系の建物らしいのが見えた。
しつこくズーム。これらすべて同じ場所から撮影してます。
この後軽く市内を散策して、夕食は四川料理のお店入って海鮮料理を食べてきました。料理はおいしかったものの四川風なだけあって半端なく辛く、貝を三つくらい食べたらもうそれ以上は食べられませんでした。
翌日、正午の便で上海へと戻りましたが丹東の空港は軍民共用のため、飛行機乗るのを待っている間に練習機とみられる戦闘機の離発着を複数回見る機会がありました。主な旅行内容についてはほぼ書き終えましたが、もう一回おまけとして戦利品を紹介します。
2 件のコメント:
改めて向こうの北朝鮮がキレイですわ。国家制度が変われば、移住でも考えていますわ。
北朝鮮労働賃金の安さにビックリしましたわ。
奈良も自然がはみ出すくらい溢れすぎててええで。俺は奈良に移住したいわ。
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