先日、日本から来た知人に上海市内を案内していた所、「それだけ中国語が上手だとどこからも重宝されるでしょう」と言われたのですが、すぐその場で、「いやむしろこの程度だと誰も評価しませんし、語学で仕事しようとすると貧しくなる」という返答をしました。何気にこの、「語学で仕事すると貧しくなる」は私の中でも屈指の名言だと思うので、今日はその辺について少しお話します。
まず結論から言うと語学関連の仕事は非常に収入が低く、なおかつ求人数はほとんどないため、語学にこだわって仕事探しすると大抵碌なことはありません。一見すると英語や中国語など外国語が使えることは凄いようにみられがちですが、実際に業務で使うに当たってはある程度、当該業務に関わらなければ単語や表現などをすぐに覚えて使えるわけではなく、TOEICなどの点数が高くても即戦力とはならず、また人気スキルということもあって使用者がだぶついていることもあって実際にはあまり収入アップとかには繋がりません。
そうは言うけれども実際の現場では外国語使いが求められている現場は多いという意見もあり、この見方についても私は同意します。しかし結論から言うと、どうも日本では需要のミスマッチが起きており、語学で働きたい人と語学使いを募集したい企業との間でうまいこと噛みあうことがほとんどなく、また募集にうまく入り込んだ人も雇用側の期待、具体的には上記の通り即戦力だと思ったらそうでなかったり、研修などのために数年間は国内で働かせたりなどというのがあってあんまうまくいっていないような気がします。
実際の所、各方面の関係者から聞き取りを行ったところ語学を修めたものの関係ない仕事につく人というのは多いそうです。東京外語大の出身者ですら専門言語とは関係ない仕事につくことが多く、私自身も見ていて何だかそんな気がすると共に、また外語大出だからといっていきなり技術討論の通訳が出来ると思い込む企業に振り回されて駄目になってしまう人もいるそうです。
そういう中で私はまだ語学(中国語)をメインで使う仕事についているため比較的運がいいと自認していますが、ここまで来るためにはやはり危ない橋を何度か渡っており、日本では全く関係ない仕事しか得られなかったため現地採用で飛び込むしかありませんでした。私に限らずとも、語学をメインで仕事に使おうとしたら現地採用で飛び込むようなやり方しかないのではというのも少し本気で信じています。
ただそんな私でも、現在の職場の周囲の人間からしたら語学レベルはカスみたいなものです。上には上がいるというかハイレベルな人たちはいくらでもおり、中国語資格のHSKで最上位の六級こそ取得しているものの果たしてこの職場で働き続けててもいいのかと思うくらい周囲の同僚とレベル差があります。冒頭の知人の様に外国語が出来ない人たちの目から見ると相当なレベルに思われたとしても仕事で使うというとまた別次元の話になるため、語学で生計を立てようと考えている方はよっぽど語学が好きじゃない限り方針を変えた方がいいと真面目にお勧めします。
なんて話を上司の前でしていたら、「聞いてて身に刺さる思いがする……」という感想が聞けました。
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