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2018年6月12日火曜日

一貫性なき安倍政権

 今日は米朝会談がありましたがあまりこちらには興味ないので見出しに掲げたネタについて書きます。

 さて「再チャレンジ支援」と聞いて思い出せる人はどれだけいるでしょうか。これはかつて安倍政権が目玉政策方針として掲げたものですが、今現在となっては安倍首相本人ですら覚えていないでしょうが。ちなみに以前「再チャレンジ担当大臣」だったのはその後の防衛大臣で日報問題をはじめ問題の多かった稲田朋美氏です。この人に関してはもう再チャレンジはいらないでしょう。
 なにもこの再チャレンジに限らずとも、地方創生、財政再建(消費税増税)、攻めの農業、同一労働同一賃金など、安倍政権下では数多くの政策方針が掲げられましたがこれらは何一つ成果が出ておらず、むしろ真逆の方向に進みかねない法案などを通したり消費税増税をガンガン延期したりと疑問符が浮かんではやみません。

 唯一、一貫して唱えられているのはアベノミクスですが、これも中身をしっかり見てみると「第三の矢」とは何だったのか誰も説明できないくらい中身がなく、また2年くらい前を最後に誰も何も言わなくなりましたし、多分安倍首相も覚えてないでしょう。一応日銀の黒田総裁はまだアベノミクスの効果や継続を声高に叫んでいますが、空疎に聞こえてなりません。

 一年程度の短命政権ならまだしも、安倍政権は既に小泉政権を超えるほどの長期政権を実現しています。にもかかわらず数多くの政策方針を出しては忘れ、器用貧乏的に目立った実績を残せていないのは明らかに問題があります。この点で言えば、道路公団改革など一部別政策も進めたものの、あくまで本丸を郵政改革においてそれを実現した小泉政権とは一貫性の差で大きな差があります。
 現実にこれまでの安倍政権を見ると、果たして後年に評価されるような新規政策を実現したのかと言えば非常に疑問で、現時点で言うのもやや不公平な気がしますが将来の評価は決して高くないだろうと私には思えます。仮に上記に挙げた政策方針をしっかりと継続して成果を出していれば、その評価はまた違ったのではないかと思います。

 こうはいうものの、目の前の問題を片づけつつ外交を行うといった政権運営に関しては安倍政権は評価できるとは考えています。しかし時代に合わせた制度改革という点では、時間をかけて出すべき成果に関しては正直評価できないというのが現状です。ある意味、目の前の状況に素早く対応はできるタイプだからこそ腰を据えた一貫性を持った活動ができないタイプだったのかもと考えることもできますが。
 安倍首相本人としては、こうした腰を据えた政策の実現としては憲法改正を考えていたのだと思いますが、現時点においてもはやこれは実現が不可能になったと私は考えています。そう考えると、「大きな成果なく長期的に政権を運営した」、ある意味大叔父の佐藤栄作元首相のような評価で終わるかもしれません。ただ佐藤栄作はそうした周囲の評価について自覚があっただけに最後の沖縄返還に強くこだわって実現したとされ、果たしてそうしたものが安倍首相にあるのかどうかというのが今後の評価の分かれ目でしょう。

 最後に、佐藤栄作の名前を出しますがやはりその真逆と言えるのはその兄の岸信介でしょう。そう考えると安倍首相は岸ではなく佐藤に似たのかもしれません。

2 件のコメント:

ルロイ さんのコメント...

政策を総理大臣が一人で考えるわけではないので、単純に周りのブレーンがダメなんだろうなと思います。政治主導で選んだ官僚があんまり有能じゃないのかなと。
反対勢力への対処は上手く見えるのですが、その反対勢力が思考停止に陥ってるので相対的に良く見えるだけなのかもしれません。
森友学園もそうですが、ちょっと人を見る目がないのか、やたら無能がすり寄ってくるのか、人に恵まれないタイプなのかなぁと。

花園祐 さんのコメント...

 人を見る目がないというのは、安倍首相に関しては深刻ですよね。稲田氏をはじめ明らかにやばい人材ほど贔屓して取り立てるところがあり、本人がそれを自覚していない節すらあります。
 記事に書き忘れたのですが、安倍総理の最大の失政は人材育成を怠ったことだと思っています。麻垣康三の時代も政治家人材が少ないと言われましたが、それでも今よりかはまだずっとマシでした。まぁ一挙に世代交代進むならそれはそれでありかもしれませんが。