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2016年9月4日日曜日

姉に謝りたいこと

 昨日また昆山まで50km自転車乗って移動し、そっから周庄という観光地まで往復75km自転車で走ってきました。先月と比べて気温が大分緩くなったこともあって昆山着くまでは余裕でしたが、そっから周庄まではかなり遠く、最後の方は自然と口が勝手に空くなどきつかったです。ほかのサイクリング部メンバーも同様で、「ケツ痛い」とか「足つりそう」だとか言いながらなんだかんだ完走してしまう50代、60代の先輩方にはただただ敬服するだけです。

 さて話は本題ですがあまりこのブログで話題には挙げないもの私には姉が一人おりますが、正直言って仲は物凄く悪くここ三年間くらいは一言も会話すらしていません。もっともそれ言ったらほかの多くの親戚も同様で、諸般の事情から三年前に縁を切って以降は親父以外だと懇意にしてもらっている奈良魔人みたいな親戚以外とは全く付き合いがありません。
 姉弟の兄弟だとうちの家に限らず大体こんなもんかなとは思うのですが、そんな仲の悪い姉に対して実はひとつ可能ならば謝っておきたいなと思うことがあり、今日はその事件について紹介します。

 その事件が起きたのは私が中学一年生だった頃で、家族旅行で確か長野辺りに行った帰り道、途中にあったことから釣り堀に寄ることにしました。私は子供の頃にそれほど釣りに親しんでわけではなく近くの江戸川で何回か体長10cm前後の小っちゃい魚くらいしか釣ったことがなかったのですが、釣り堀ということもあって竿を垂れてからしばらくすると持つ手への手加減とともに糸が水中に引き込まれたので、当たりが来たと思い竿を引き上げました。
 記憶を辿るとその時針に引っかかった魚は体長20cm位のもので、水中で引っ張ってた際はそれほどでもなかったものの水面を飛び出して空中に引き出すや、思ってた以上に重たかったため持ってた竿が手前から奥へ、ガクンと逆方向へ引っ張られてしまいました。

 いまいち表現し辛いのですが、要するに釣った魚が重くて持ち上げきれなかったのです。その結果、水中から引っ張り出したまではよかったものの空中に出すや竿が逆方向へ引っ張られ、釣られた魚は空中を泳ぎ、そのまま少し離れた右斜め向かいで同じく釣りをしていた姉の顔面目掛け一直線に飛んでいきました
 念のため言っておきますが、いくら仲が悪いたってわざとやったわけではありません。普通に竿を引っ張ったら持つ手がよろけてしまい、釣り針を咥えた魚が振れた先にたまたま姉が立っていただけです。とはいえあれが赤の他人だったら結構やばかったというか、振れた先が姉だったのは何かしらの神の思し召しがあったのかもしれません。

 釣った魚が何故か姉の方へ飛んでってその後どうなったのかというと、空中を泳いで目の前に飛んでくる魚を視認したのか姉も「ぎゃー」って悲鳴を上げて顔を仰け反らせましたが、惜しいかなそれでは避け切るには足りず、大体左肩と顎の中間にある鎖骨のあたりにびたーんって感じで見事に衝突しました。くれぐれも言いますが、わざとやったわけじゃありません。
 普通、何か飛んできたとしてもぶつかれば跳ね返ってそれっきりですが、その時の魚は依然と釣り針を咥え続けており、私もよろけながらも竿を握り続けていたため、姉に魚が衝突した当たりで竿を持つ手がぶれなくなったというか安定しました。その結果どうなったかというと、ちょうど姉の顔面付近で魚は空中にいながらビチビチと跳ね続けることとなったわけです。

 自分も当時はちょっとパニクったというか目の前の光景に見入ってしまい、竿を引いたり揺り戻すという判断が出来ずに何故か固まってしまいました。姉貴も姉貴で普通に釣りしてたら突然魚が空中を一直線に飛んできたためパニックとなったのかしゃがんだり移動したりすることも出来ず、そのまま魚にビンタされ続けるだけでした。それは時間にして30秒、下手したら一分くらいあったかもしれませんがかなり長く、姉貴は最低でも30回以上はビンタされてたと思います。私も私で目の前の異様な光景に固まってしまい、なんか物凄い時間が長く感じました。
 最終的には魚も延々跳ね続けた甲斐あってか釣り針が抜け、また池に落ちたため姉は解放されたのですが、姉の目線で考えたらどれだけとんでもない体験だったか想像に余りあります。もちろん当時も姉には何度も謝りましたが(爆笑しながら)、今でも折に触れてはこの時のことを思い出し、あの時は本当に悪いことしたなぁって申し訳ない気持ちにさせられます。

 ただあの時の光景は本当にすごかったというか、引き上げた魚が一直線に姉貴向って飛んでったのはマジで神がかっていて、私の人生の中で最も近くまで笑いの神が下りてきた瞬間だったと今でも思っています。もしこの時の様子を映像に撮影していたら投稿ビデオ番組で年間大賞ですら獲得できたのではないかと思うくらい有り得ない光景でした。そういうわけで姉貴に対して面と向かってはまだ言えてませんが、ネタにしちゃってメンゴって感じです。

2016年9月2日金曜日

人切りのプロ

 ネット上でよくある人材紹介会社の広告に、「採用のプロがあなたに最高の職場を」という謳い文句が付けられていますが、人材エージェントでそんなに実力の差とか出るのかななんて内心疑いの目を持って見ています。

 ただ人事関連職では所属する企業によってその実力ははっきり分かれると言われ、名古屋に左遷された親父の受け売りですが大手メーカーの人事部の職員は間違いなく実力者でありエース級の人材ほど人事部へ配属されると聞きます。理由はごく単純で、場合によっては数万人単位の従業員の配置を計画し、数年後を見据えたジョブローテーションまでも組まなければならないからです。
 一方、逆に従業員数の少ないメディア系や商社系企業の人事部となると今度は駄目な人間の引受先になると言われ、自分のこれまでの経験から言ってもあながち間違っていないというか扱う人数によって同じ人事部でも能力が大きく変わってくると思います。

 そうした人事部職員の中で、あくまで人伝に聞いた範囲ですが地味に重宝される能力というか経験として真っ先に挙がってくるのはクビ切りのノウハウだそうです。日本はバブル崩壊以降は常に不況と言われるだけあってどの業界でも多かれ少なかれリストラの必要性があり、特に従業員の多い会社ほどそうしたクビ切りならぬ人切りのプロの需要が高く、そのレアリティの高さもあって転職市場の中でも一際需要が高いカテゴリーだと聞きます。

 現実にリストラ旋風が巻き起こった2000年前後ではあちこちで数千人単位のクビ切りが起こり、先程出てきたうちの親父も取引先で仲の良かった知り合いがまさにこの担当となり、数千人を切りながらも上司からはもっと切れ、まだ足りん、何をしていると言われ続け、「お前こそ切りたいわボケ!」と内心思っていたという話を聞いたことがあります。口でいうのは簡単ですが数千人単位のクビきりとなるとその精神的プレッシャーも相当なもので、切られる従業員の家族も数万人単位で人生に影響を与えることとなりますし、社内外で無用な恨みを買うことも予想に難くありません。
 実際、こうしたリストラの実行者はリストラの完了後はその一身に恨みを買うことから社内にはおられず退職するケースが多いと聞きます。上記の親父の知り合いも、クビを切るだけ切った後で最後に自分も切られる羽目となったと話していました。ただそうして辞めてったクビキラーはやはり人材需要は高いだけに、「次は是非うちで人を切ってくれ」という感じでオファーは殺到するそうですが。

 真面目な話、こうした人切りに関しては確かに専門的な分野であるだけにその道のプロというか経験者にぜひお願いしたいなというのはよくわかります。現時点でそういったプロが活躍しそうなのは思いつくのだとシャープですが、募集をかけてやってきた人切りのプロは面接とかで、「私はこれまでに三千人を切ってきました」とか「私に狙われて生き残った人間はいません」などと、幕末の人斬りみたいなピーアールをするのだろうかと思うとちょっと楽しく感じます。
 ただ最近思うのですが、この辺の人事という業務はもっとアウトソーシングした方が案外効率良いのではとこのところよく思います。実際一部で昇給管理とか海外拠点を含めた勤怠管理を行うアウトソーシング業者が存在しますが、外部の人間の方が評定とかその当たりである意味公平だし、実際の人柄とか見ないで判断するのはどうかと思う人もいますが、そうした人柄や普段の行動も含めデータ化して人事を行うのが普通じゃないかと思う当たり、まだまだ多くの日系企業は人事業務をサボっていると前から考えています。

 プロ野球などは空振り一回、アウト一回、ヒット一本ごとに査定が入ってその年俸も上下するほど事細かに見ており、球団社長を経験した人物も通常の企業の人事査定が甘いように思えてきたと話しているのを見て、そうした年俸や人切りも丸ごと請け負う人事のプロ集団によるアウトソーシングに任せた方がいいのではと思うようになりました。流行んないかなぁ、こういうサービス。

2016年9月1日木曜日

築地移転議論の論点


 上の椅子はこの前近くのスーパーで買ってきたものです。展示品だったためいきなりボキッとフレームとか折れたりしないか心配だったものの120元(約1800円)だし思い切って買ったところ、その座り心地のあまりの気持ちよさにここ数日、座る度に物凄く眠気を誘発されてブログを書く気力を大幅に奪っていました。左のボックスはパソコン使う時に座る収納椅子ですが、ちょうどここに伸ばした脚も載せられるので相性抜群です。でもって右下にあるオレンジ色の物体は以前に知人からもらったPILOTのボールペンでちゃんと大事に使ってます。今回写り込んだのはたまたまだけど。

 毎回しょうもない話題からえらく真面目な議論に移りますが、先日私も記事で取り上げた小池百合子都知事が築地市場の豊洲への移転延期を発表して以降、様々なメディアがこの問題を再び取り上げるようになりました。ただニュースの論調は全体として、以前は豊洲への移転に不透明な点が多いと批判していながらも延期発表後はやや小池都知事に対して批判的な報じ方が多くなっているように見えます。
 もっともその報じ方自体は公人である小池都知事を叩き台、言い換えればサンドバックにして問題を敷衍するので別に問題だとは思っていませんが、記事の中身として移転推進派、反対派の人物の発言や意見をそのまま丸写しで書いていることが多く、こういってはなんですが議論の論点が全く整理されていません。何故推進なのか、何故反対なのか、何でもめているかがほとんど書かれず、強いてあげればこれも確かに重要ではありますが水質検査の最終結果が出ていないという事しか書かれてません。

 となるとここは俺の出番かt思う当たり、自分は自意識過剰なのかサービス精神旺盛なのか考えどころに至ります。ちなみにマージン率に関しても同じノリで、誰も調査しないのなら自分がやろうと思い立って調査し始め、「こんなんやらんかったらよかった……」と何度も調査中に公開する羽目となりました。
 そういうわけなので、築地移転問題について議論の論点を如何に整理します。ただ私はこの移転に対し反対派の立場であり、どちらかといえばこの立場からの移転の必要性を問う論点を中心にして挙げます。

1、移転延期に伴う維持費
 これは移転推進派がこのところあちこちのメディアで主張している問題ですが、移転延期に伴い豊洲市場の方では光熱費などで一日につき700万円の維持費が無駄に発生してしまうもので、延期により財政負担が広がるという意見です。ただ率直に言ってこの意見には疑問があり、そもそも光熱費や設備管理、警備費だけでそこまで発生するものなの。また推進派は「冷蔵庫の電気代」をよく口にするのですが、市場が開いてもいないにもかかわらず何故冷蔵庫を起動する必要があるのか、何か背景があるのかもしれませんがこの辺をもっと記者がツッコまないのか記事読んでて不満に覚えます。
 なお、高速増殖炉もんじゅの維持費は1日当たり5500万円です。全く役に立たずに妙な関連事故を引き起こすこの物件と比べたら700万円くらいいいんじゃないかって気になります。ないに越したことはないけど。

2、水質汚染調査
 小池都知事も移転延期の根拠として挙げた水質汚染調査ですが、こちらの最終結果は来年1月に出る予定です。逆を言えば何故移転計画を起ち上げる前に最低限のこうした調査が行われていなかったのかが問題で、豊洲市場は東京ガスの工場跡地ということもあって先の土壌調査では様々な汚染物質が見つかり土壌改良もわざわざ行われているだけに、この水質調査は絶対に避けてはならない調査でしょう。
 むしろ、こうした事前調査をせずに移転計画を認可して建設工事を始めた責任者をまず名指しで更迭すべきで、それなくしてこの移転を実行してはならないというのが私の立場です。

3、豊洲市場内の荷受け口道路の狭さ
 こっから移転に関する疑問点をバンバン挙げていきますが、築地と比べ豊洲市場はトラックによる輸送力を強化した設計と謳われていますが、一部の専門家によるとトラックの荷受け口に致命的な欠陥があると指摘されています。具体的には、豊洲市場の荷受け口は運送会社の集荷所みたいにコンテナのバックドアを建物に対し後ろ付けするようできているのですが、その荷受け口手前の道路がめちゃ狭く、現状では一台のトラックが荷受け口に付けようと転回するだけで後ろのトラックは前に進めなくなり、渋滞を誘発すると言われています。
 実際現場見てみないとわかりませんが、そもそも豊洲市場は青果市場のブロックと分けるために十字に道路が走っており、素人目にもこれどうなんって思う節があります。この辺、実際にトラック出して実証実験をまずしてみるべきでしょう。

4、床の積載荷重
 3番と同じく設計問題ですが、私としてはこれが一番気になります。
 平屋建ての築地市場に対し移転先の豊洲市場はビル上の建物となっており、鮮魚市場も1階ではなく上の階(何階か忘れた)に置かれる予定です。ただこの豊洲市場の建物ですが、床の積載荷重が何と1平方メートル当たりたったの700kgしかなく、実際に市場がオープンしたら床が抜けるのではないかと各方面から指摘されています。

 現在の築地市場ではターレというフォークリフトの一種である自動運搬車が市場内を駆け巡っているのですが、これの重量は大体1トンを超し、なおかつ鮮魚を乗せた場合は2トンも越えることがざらだそうです。言うまでもなく、最大積載荷重700kgじゃ心もとないです。
 この積載荷重は設計書などでもはっきりとそう書かれており、間違いのない事実です。そもそも何故こんな設計にしたのか、誰もチェックしなかったのかが問題ですが、変な事故が起きる前に設計者か許可責任者辺りで実際にターレを走らせて見て床が抜けないか実証させるべきでしょう。変な事故起きる前にやっとかないと。

5、高過ぎる施工費
 3番、4番の様に素人目にも明らかに疑問に思える設計の不備があるにもかかわらず、豊洲市場の施工費は無駄に高いです。詳しくはこちらのサイトで検証されていますが、建物の一坪当たりの単価は200万円と、これは故黒川紀章デザインの建物を除けば実質ナンバーワンの高さで、イオンモールが一坪当たり30万円以下ってことを考えると以下に法外な金額かわかるかと思います。
 関係者は建設需要の高まりから人手不足で高騰したと言っていますが、なわけないだろう。高騰するったってここまで上がって不審だと思わなければ会計不正はこの世からなくなるっていいたうなるような値段で、釣りあがった要因は必ず存在するはずです。この点がまさにこの移転問題における最大の闇で小池都知事にはぜひ切り込んでもらいたいのですが、うまくいけば施工費搾取で立件できるかもしれず、そうなれば1番の維持費もペイできるんじゃないかと思うだけに世間も応援する必要があるでしょう。

2016年8月31日水曜日

死亡認定の必要な過去の流行語

 先日友人と会話した際、「日経トレンディって雑誌名がもはやトレンディじゃないよね」ということを話しました。なんとなく加齢臭がするというか。
 この「トレンディ」という言葉に限らず、言葉というものはひとたび時間が過ぎればあっという間に死語と化していきます。ただ死語として扱われるのはまだいい方で、中には死語になったことすら言及されずに使い捨てられ忘れ去られていく言葉も少なくありません。敢えて言うなら「行方不明」扱いで死亡認定が出されないままの状態なので、今日は一つ死亡認定をするべき言葉を思いつく傍から書いてきます。っていうか早く寝たい。

・Web 2.0
 これに限らずIT用語は流行り廃りが非常に早いのですがこのWeb 2.0は言われ始めてから一年二年はそこそこ使われましたが、ムーアの法則と違ってこの概念は現実には実際起こり得ないということが認識されるやあっさりと廃れました。
 Web 2.0の概念を私なりに説明すると、インターネット上でサービスの発信者に対しそのサービスの受益者が利用、応答することによって当該サービスの付加価値が高まったり、あらたなサービスへと発展してくいわゆる双方向的な発展を意味しました。代表例としては書籍になった「電車男」で、これは2ちゃんねるというプラットフォームに利用者が掲示板にコメントを書きあうことで一つの作品に昇華した例ですが、Web 2.0の提唱者とその周りの人間ですら、「ネット上にはアホとカスしかしない」と言い切り、双方向的なアプローチを開いたところで付加価値の増大には何もつながらなかったと反省してます。実際、電車男以降はそんな聞かないしな。

・ユビキタスネットワーク
 同じくIT用語ですが、一時期はパナソニックがやたらと自社の家電に「ユビキタス」という言葉を使って宣伝していて、なんかムカつくから自分が各記事には一切「ユビキタス」という言葉を使わないでおいたら上司に怒られたことがありました。
 この言葉の概念も私の言葉で説明するとしたら、「全方向アクセスネットワーク」といった意味です。要するに誰でもどこでも何使ってもアクセス可能で、前述のパナソニックは携帯電話から接続、操作できる冷蔵庫を作って「ユビキタスネットワーク」などと主張していましたが、携帯から冷蔵庫に対し何を操作するのか今を以ってしても意味不明で、案の定、今の冷蔵庫にはそうした機能がついてないことから無意味な機能だったのでしょう。

 なお最近は家電メーカーを含めやたらと「IoT」って言葉が多用されますが、これも同じような末路を辿ると予言します。というのもこの言葉は「Internet of things」の略ですがそもそもこの一文自体かなり意味不明だし、和訳も「モノのインターネット」とよく書かれ、記事書いてた私ですら「意味わかんねぇし主張してる奴らは馬鹿じぇねぇの」と内心思ってました。変な横文字でいまいち意味がわからない言葉は流行りやすいですが廃れやすく、なおかつIoTの具体例を挙げるとすればプリンタが紙を印刷するといったもので、要するに電子データの出力以外の何物でもありません。この言葉を使っている連中は言葉を使っているつもりで、逆に言葉に使われているのだろうとみています。

・NISA
 IT用語から経済・金融用語に変わりますが、一応現役の制度ではあるもののもう死語認定してもいいんじゃないかと思うのがこのNISAです。これは非課税となる投資枠制度で新規投資家を増やすために作られた制度であるものの、通常の投資講座とは別に口座作る必要があったり、投資枠に上限があったりなどとやたらと制限多くて見ていてかえって複雑な気がしてなりませんでした。開始当初でこそ証券会社がCM作って口座開設を訴えましたが現在に至っては何のPR広告も見かけず、そもそもまともに運用されているのかどうかすら疑問です。
 上にも書いている通り、変に横文字使うのはすぐ廃れるし、あと制度関連だと「ホワイトカラーエグゼンプション」を始め何か意図的な隠蔽要素も見受けられるので疑ってかかるべきでしょう。

・ピケティ
 本人はもちろん死んでいませんが、去年もしくは一昨年に日本で流行ったという経済学者です。時期の記憶が曖昧なのは私が去年も一昨年もほとんど日本にいなかったからです。
 彼の名前があちこちに出始めた頃、恐らくこのブームは一過性で終わると考え有名どころの経済学者の理論は一応はチェックする私ですが、このピケティ氏については一切ノーチェックで済ませました。何故一過性で終わると判断したのかというと、「ピケティ」という名前はあちこちで報じられながらも、彼がどのような主張や理論を持っているか中身について誰も言及していなかったからです。要するに名前だけしか見えず、こうしたブームは往々にして中身を伴っていないのだからどうせ翌年には誰もがこの名前を忘れるだろうと思っていたら本当にそうなりました。

・~過ぎる~
 これも一時期流行りましたが「美人過ぎる市議」とか、「美人過ぎる店員」等、今思うと安直なネーミングだったなぁと思えてならず、時代が建ったのもありますが古臭さと共にそこはかとないダサさを感じます。同時期には「~王子」という言葉も出ましたがもはやこのニックネームは日ハムの斎藤投手(ハンカチ王子)専用といってもよく、ゴルフの石川遼選手は「ハニカミ王子」から卒業したのと比べるといろいろとこみ上げるものがあります。
 ほんとどうでもいいですが、日ハムの大谷投手兼打者も時代が時代なら「二刀流王子」と呼ばれてたのかな、もしそうだったらホモネタが好きな腐女子はどんな反応してたのだろうか気になります。実際、「さばげぶっ!」という漫画の作者の松本ひで吉氏が女子会で、レズの友達が野球の話で大谷選手の二刀流や補殺について触れるや、「それってレズ的な意味で?」とみんなしてツッコんでたそうです。でもって女子会終ったらそのレズの子からメールで、「おつかれず」と送られてきてじわじわ来たとツイッターで書く当たりこの作者すごいなと戦慄を覚えました。

2016年8月30日火曜日

築地市場移転時期の延期決断について

築地移転、直前に延期決断=豊洲土壌の安全確認優先―31日に表明・小池都知事(時事通信)

 結論から言えば時事通信にも公平性に欠ける記者がいるんだなってことです。眠たいから早く書いて切り上げようっと。

 先の都知事選を制した小池百合子新都知事は本日、11月7日に実施する計画であった築地魚市場の豊洲市場への移転時期を延期すると発表しました。私としてもこの決断はもっともなものだと思え、小池知事が期待した通りまともな人だったと思うとともに今まで放置してきた責任者の無能がについてややらイラつく次第です。

 そもそもこの移転計画は発足当初から様々な批判や問題点が指摘されていながら官側が強行するような形で推し進められたところがあります。特に小池都知事が今回の延期を決断した大きな理由の水質検査に至っては、最終的な検査結果が出ていないにもかかわらず移転が決断された上に建設工事まで始められ、順序が違うといちいち言うのも馬鹿馬鹿しい上にそこまで急ぐ理由ってのは一体何なのだと勘繰りたくなるのも自然でしょう。また既に建設済みの施設についても業者側から狭いなどとクレームが出ており、一体誰が計画したのか、見せしめのために誰か一人くらいは差し出してもらいたいようなお粗末ぶりです。

 私が言うまでもなくこの移転計画はどうみたって利権ありきで推し進められており、現に移転が間に合わないとオリンピック向けの都市整備に係る道路建設工事が始められないという明らかに論点のおかしなこと取り上げて時事通信も小池都知事へ批判的に書いており、また一部週刊誌というか週刊文春もこの道路建設工事にある都議の関わる会社が噛んでいると報じており、膨れ上がるオリンピック予算と合わせてこの際だから一年くらい計画を延期してでも精査を行うべきだと私は考えます。
 そして場合によっては、移転計画自体を白紙にしてもいいとすら思っています。というのも国立競技場も「早くしないと間に合わないから」という理由で無理矢理急いで推し進めた結果、膨大で不必要な出費を迫られることとなり、また不完全な土地で不完全な施設を使うことによる損害は一過性ではなくその後もずっと続いて高くつくことも十分あり得る、というか確実にそうなるのが目に見えているので、「疑わしきを完全排除する」という意気込みで小池都知事にはこのまま取り組んでもらいたいです。

 なおどうしても出費された費用について穴埋めが必要というのなら、不正にかかわった人間や組織の財産でも没収して適当に穴埋めりゃいいと思います。私の持論ですが日本には有限責任なんて概念は存在せず社会全体で無限責任が適用されるのだから、国家事業なんだしこれくらいやったってありでしょう。
 それにしても、リンク先の記事で小池都知事と2ショットしているのが都知事選に立候補する予定だった宇都宮健児氏っていうのがまた痛烈な皮肉です。2ショットをわざわざ拒否した自民都議の連中は早く消えないかな。

2016年8月29日月曜日

続・中国の電子決済市場~微信支付を使ってみて

高コストで不衛生 欧州から姿を消す現金(日経新聞)

 前にも一回論じていますが上記記事の様に世界では電子決済、それもスマートフォン用アプリを介した決済が大流行とのことで、私のいる中国でもマジびっくりするくらいの勢いで普及が進んでおり5年前と比べると別世界の感があります。決して誇張ではなくコンビニのレジ前に立っていたら現金で支払う人の方が確実に少なく、都心部であれば体感的に八割方の人間が携帯電話をかざして決済処理をしており、対応するレジ打ち担当者も作業に慣れたもんです。
 上記リンク先記事によると北欧などでもこうした電子決済が進んでいる一方、ドイツなどの先進国では北欧ほど普及が進んでいないことが報じられています。これはまんま中国と日本の構図にも当てはまりますがこの背景としては日本やドイツでは個人情報が遅漏するのではないかという懸念が普及を妨げているのではと同記事では指摘しており、私もこの意見に同感です。実際、日本人は誰も見てないのにやたら見かけとか気にするし、そこに価値なんてそもそも存在するような人間ではないほどプライバシーとかを気にする傾向があるように見え、便利さは理解しながらもいまいち普及が波に乗らないのはこうした所に原因があるように思えます。

 一方、中国については昨夜友人にも説明しましたが、そもそも国家が個人を監視しているのが当たり前の社会なので情報の遅漏とかそういうのは実害が起きない限りはそんな気にすることもなく、なおかついろいろ話を聞く限り、何気にこうした電子決済アプリの方がクレジットカードとかよりも安全である可能性が高いこともあってか、若い人間に限らず中高年の女性なども率先して使います。なお中国の場合、カード使うとスキミングされる恐れもあり、あと電子決済ならインターバンク回線が使われるというので私もこっちの方が安全だと思います。

 で、その中国の電子決済ですが、現在の主流は二つあり一つは中国最大のEC企業であるアリババが運営する支付宝(チーフーパオ)です。これは元々はネットショッピング時に使う決済サイトとして出発し、クレジットカードの普及が遅かった中国の中で実質的にクレジットカードが果たすべき決済代行の役割を果たしてきたサービスでしたが、近年は各銀行口座と連動し、コンビニやスーパーなどの小口決済から公共料金の電子決済まで幅広く対応するサービスの比重が高まってきています。
 もう一つの電子決済の主流は、中国版LINEっていうかLINEをまんまパクったテンセントという会社の「微信(ウェイシン)」というSNSアプリの中にある機能の「微信支付」で、これも支付宝と機能はほぼ同じですが、実質的にほぼ全スマホユーザーがインストールしている超人気アプリに付属していることもあって勢いを感じるのはどっちかっていうとこっちです。でもって私も最近になってこちらを使用し始めてみました。

 先に言い訳っぽいことを述べると、支付宝も微信支付も使用開始するに当たっては銀行口座でネットバンクを開設する必要があります。私の場合は四年前に一回開設したもののその後一旦日本に帰り、もう二度とその銀行口座とカードを使うこともないだろうとか思っていたら上海に来て転職先から、「上海の銀行カード用意しろよ」と予告なしに言われて再び使う羽目になり、既にIDとかパスも紛失していた上に登録携帯番号も変わっていたので更新するまで使えなかったという理由があります。なんか窓口にこの辺りの下りを説明するのも面倒なので先月に友人に来てもらってようやく更新を済ませ、微信自体は既に使用していたことからすぐに銀行カードを登録して使用を始めました。

 くどくど説明するのもよくないので、微信支付の特徴を以下に列記します。

・決済、振込手数料はほぼタダ
・店頭決済時は簡単に出せるQRコードをレジのバーコードに取らせ、暗証番号入力して終わり
・店頭決済は一回当たり500元が限度
・公共料金の支払いもいつでも自由にできる
・登録している友人知人に直接送金できる
・定期預金もいつでも買える
・銀行口座から直接支払えるが、微信支付内のウォレットにチャージしてそこから払うことも可能

 一番上の決済、振込手数料についてはまだ完全に把握していないので「ほぼ」と書きましたが、店頭決済から自分の銀行口座への振込、友人への送金時には一切手数料は発生しませんでした。次に店頭決済時はどうするのかというと、アプリで「お支払」みたいなコマンドを押すと一分ごとに更新されるQRコードが表示され、これをレジスキャナで取り込んだ後で登録した暗証番号を携帯に入れると送金が完了するという仕組みです。私はこれで、コーラを買いました。
 定期預金とかは近々試そうかと思っていますがまだやってないのでこれ以上の言及は避けますが、やはり便利なのは友人知人への送金で、昼飯代とかまとめて払ってくれた同僚に立て替えてもらった自分の代金を微信支付で直接支払うことができ、釣銭とは端数を気にせず決済できるのでこれはほんとに便利です。あと今の部屋の公共料金は大家が支払ってくれているのですが、携帯電話代もこれで携帯電話そのものからチャージできるので非常に楽でありがたいです。

 一方、聞くところによると日本発のオレオレ詐欺(「母さん助けて詐欺」とは誰も言ってないような。「まみー、へるぷみー詐欺」じゃないからダメなんだと思う)が中国でも大流行しており、この微信支付とかもその支払いの手軽さから相当悪用されているのではないかと密かに思います。もっとも中国は日本みたいに甘くはないから、注意喚起はそこらじゅうのポスターでされてはいるものの騙されたら騙されたで注意力の足りない自業自得扱いされてしまう気がしますが。

 この電子決済の普及は傍目から言ってもメリットが非常に多く、特に中国は未だに偽札が横行している社会なだけに電子決済によってそのリスクとコストが減るだけでなく、政府や銀行も金の流れが電子化されることでチェックしやすくなって不正も摘発しやすくなります。そしてなによりも現金貨幣を使うよりも決済コストが大幅に減るため、社会全体でプッシュするだけの価値はあるでしょうし、銀行、公共機関、企業揃ってこの方面の連動は傍目にも見事なものだとため息が出るほどです。

 友人によると日本でもLINEに簡単な送金機能は付けられているもののあまり普及していないと聞きました。日本の場合は「おサイフケータイ」のサービス開始は非常に早く利用者からは好評だったものの、いかんせん最初に話した情報遅漏への懸念からか普及は進まず、現時点においてこと電子決済では中国に大きくリードされた状態のように見えます。私自身の勝手な予想で話せば突破口となるのはSUICAを始めとしたチャージ式電子決済カードで、これが中心となって銀行口座との連動、アプリとの連動が始まるのではと思いますが、生半可にクレジットカードが普及していることもあるからまだまだ時間かかるかもしれません。

 最後にそのクレジットカードについて述べると、アプリにはない延払い機能があるためなくなりはしないでしょうが、単純な電子決済機能は今後はこれらのアプリに淘汰される可能性があり営業収入に影響が及ぼす可能性が高いと見ています。実際に自分今回使ってみて、中国国内に限ればこれと銀聯カードあればクレジットいらないなと本気で実感しました。

2016年8月28日日曜日

演技が上手いと思う声優


 上海ではジャガーの車を見かけることも珍しくありませんが上の写真のようなジャガー車のボンネットにあるマスコットを見る度に、「これ、鹿に変えられないかな」と妙な想像を膨らませています。イメージとしては「鹿飛び出し注意」の看板みたいな躍動感でくっ付けられたらものすごくベターで、この際だからジャガーもとっととディア―にブランド変えろよなどと思っています。

野沢雅子 「今の若手声優は個性が薄い。原因は声優学校の存在」(痛いニュース)

 書く話題がないわけじゃないですがなんかおちゃらけたこと書きたいので上の記事について書きます。内容は見てもらえばわかりますがドラゴンボールの悟空役でおなじみの声優の野沢雅子氏が最近の声優について、「演技は小奇麗だけれど個性がない」というコメントを発され、まさにその通りだなと私も感じました。このような傾向について野沢氏は、最近の声優は声優学校で訓練を受けるから画一的になっており自分の個性を引き出したり育てようとしなくなったからだと指摘し、自身もかつては声優学校の教壇に立ったもののこうした弊害から今はやっていないことを明かしています。

 この辺は実際の舞台上の演技でもそうですが、個性が強いとそれだけ印象に残るものの演技の幅は狭められ、逆に個性がなければカメレオン俳優としてなんでも演じられる傾向があります。ただ今の声優は個性がなく尚且つ演技出来る幅も狭い、具体的に言うと男性は少年、女性は少女しかできずおっさんおばさん宇宙人となると途端にぼろが出たり、あと単純に演技力が要求される場面でも実力者との間では大きな差が出てしまいます。
 個人的に私が声の演技で実力が問われる場面としては絶叫する場面がそれに当たると考えています。絶叫するとなると通常は滑舌が悪くなり聞き取り辛くなりますが、滑舌を維持した上で熱を込められる、なおかつ怒りとか悲しみなどの感情を乗せられればまず見事なものでしょう。

 その点で見て今の現役声優で最も高く評価しているのは小清水亜美氏で、「キルラキル」というアニメで主演張ってましたがこのアニメで彼女の演じる役はほぼずっと絶叫しっぱなしでありながらどれも聞き取りやすく、本編ストーリーの熱さと展開の早さと相まって「こんな器用な奴おったん?」と、前からも評価してましたがこのアニメで一気に私の中で株が上がりました。
 なお同じ作品には敵役として朴璐美氏も出演しており、この人も少年役から少女役、悪役、何でもかんでもこなす人なだけに、小清水氏のキャラと絶叫し合う場面は正直神がかっていました。一方、サブ主人公を演じた柚木涼香氏は演技が下手ではないものの、先の両社と比べると明らかに演技力で大きく劣り、絶叫場面に至っては三人の中で明らかに一人だけ浮いてて公開処刑のようでした。

 その小清水亜美氏ですが、先日私が遊んでいた「ダンガンロンパ2」というゲームにも出演しており、この中ではやけにハイテンションな女子高生役を演じててどのセリフも声がすっとんきょんな所から出ているためほかのキャラはほとんど聞き流してたのに小清水氏のキャラだけは全部じっくり聞き、「佐藤さんって、あのゴハン大好きな佐藤さんっすか!?」等のセリフも暗記してしまいました。元々役者志望な人なだけあってほんと演技は上手ですが、どっちかっていうとトチ狂った人の演技が必見です。

 その私が遊んだ「ダンガンロンパ」ですがそこそこ面白くて1もプレイ済みですが、この1では沢城みゆき氏が出演しており、かねてからその演技力は評価されているとは聞いてはいたものの実際にじっくり聞いてみてやっぱすごい人だと思いました。この人の何がすごいかって演技の幅が果てしなく広く、老婆から少年少女、殺人鬼からヒーローまで何でもかんでもほんとにこなし、しかもそのどれもで感情が入った熱の入った演技を決めてしまう点です。実際に「ダンガンロンパ」では実質的な一人二役をこなしており、片方の訳は上木の小清水氏のキャラ同様常にハイテンションで、一方的に入れ込んでいる男性キャラが、「たまたまそうなっただと?」というや「たまたま?」と妙な発音で食い下がった所はすげぇっと思わされました。
 どうでもいいけど最近この沢城氏もでている「ユグドラユニオン」ってゲームにはまってます。

 男性声優ではそんなに聞き比べてないので今の所これと言って評価している若手の人はいませんが、往年の声優で言えばはやり、ルパン3世の役を演じていた故山田康夫と、笑ウせぇるすまんの喪黒福造を演じていた故大平透の二人を、「声優がキャラクターを作った」代表格として評価しています。実際この二人はそれぞれが演じた役を自らの声で形作っているところがあり、その演技力を含め個性の強さは桁違いだったと今でも高く評価しています。
 どうでもいいですが中国に喪黒福造が現れたら、心の隙間が多いからあちこちで「ドーン!」って声が聞こえてきそう。

 現役ではややベタですが大塚明夫氏が個性と役柄の広さを両立していると評価しており、個人的には代名詞とも言える「メタルギアソリッド」の3で演じたネイキッド・スネークのセリフで、潜入現地で蛇とかサソリとかを食う度に「うまーい!」、「最高だぁ」、「まっずぅ」、「吐きそぅ」などと感想をいちいち述べるのが耳に残っています。
 なおこのゲームでは食べる前にサポート役に連絡すると食べられるかどうか、毒があるかどうかを教えてくれるのですが、ある食べ物に限って「食える」と太鼓判を押されながらも食べたら毒で、その際に特殊セリフとして、「くそっ、パラメディックめ……」と、言うセリフが聞けて、初めて聞いた時はほんとに笑いました。