今日からキーが既にあちこちぶっ壊れていた中国仕様のキーボードから親父がまとめ買いしてた日本仕様のキーボードに交換しました。キー表面に粗目処理が残っているのと、使い古したキーボードに比べるとタップ音がするのが新鮮ですが、日本仕様のキーボードを叩くのは久しぶりなのでその辺はいろいろありがたいです。
あまり言われることは少ないですが、国ごとにキー配置は微妙に異なってて、かえってタイピングの上手い人ほどこのギャップに苦しむことになります。中国のキー配置は「=」がシフトキーなしのワンタッチで入力できるのはすごく便利でいいのですが。
話は本題ですが先ほど知人に、「コロナの記事書けば今なら何でも当たる」といったら、まさにそのコロナの記事を書いてるとか言われました。自分も書けないこともないけど、当局に目を付けられたりしたら嫌だなと思うのとともに、他の人がどうせ書くだろうと思ってあんまこの辺の記事は書いていません。
ただ、敢えて他の人が書かない内容を書くとしたら、このコロナウイルス騒動で地味に一番設けている日系企業はどこかというと、マスクのメーカーではなく無論、オムロンだと思います。っていうかこのキャッチコピー、オムロンはまだ使ってるのだろうか?
なんでオムロンなのかというと得意の電子体温計は言わずもがなで、最近は生鮮品を主に扱うスーパーでも目立つところに置かれて販売されるなど、密かにたまごっち並みのブームが盛り上がっています。ただ体温計以上にオムロンの商品で注目すべきは酸素発生器で、これは肺炎治療に必須ともいえる医療機器のため今中国の病院とかはこぞって大量に導入しているのではないかと思います。
・【企業特集】オムロン 安定成長期の中国を狙え!中流層向け事業が収穫期へ(ダイヤモンド)
・欧姆龙中国捐赠红外线额式体温计,助力新型肺炎防控战(中国質量新聞網)
上の中国語の記事はオムロンが中国に赤外線体温計を寄付したニュースですが、他の記事ではネブライザーや酸素発生器なども寄付したことが書かれています。オムロンが販売している酸素発生器は基本家庭用ですが、今の状況を考えるとこうした呼吸器系疾患にとって必須な医療器具は家庭用であっても病院では数が足りない状況だと思え、引手数多なのではないかと思います。生憎、具体的なデータや報道がなく推測での意見でしかありませんが。
この記事でなにが言いたいのかというと、他のコロナ関連記事でも書いているように今回の騒動に対しては経済への影響に関する記事が異常に少ない気がします。マスクが足りないなんて言うのはどこも報じているのだから、もっと他の観点、どの業界でどんな変動があるかなどといった情報も重要性は低くなく、こうした点についてメディア、市民ともにもっと目を向けてもらいたいのが本音です。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2020年2月14日金曜日
2020年2月13日木曜日
どたキャン~どたんば☆キャンセル!
なんかゆるキャンっぽい記事書こうと思ったので、最近あったドタキャンについて書きます。昨日まで日本に滞在していましたが、ぶっちゃけ誰とも会いませんでした。というのもアポ取ろうとした連中全員にドタキャンされたためです。理由は全員バラバラではありますが、例のコロナウイルスのせいではないかと内心疑っています(・´з`・)
大体五、六人に声かけていたのですが、全員が全員断り、うち二人については最初はOKと言いながら渡航二日前に急にドタキャンしてきました。もう少し早く判断してくれていたら、別の人間にアポ取れたのになって気がしてなりません。そのため結局顔合わせたのは、馴染みの床屋とカレー屋の人たちで、彼らは自分が忘れたころに中国にやってくると知っていながら、温かく自分を迎えてくれました(´;ω;`)ウッ…
なお先週木曜日から日本にいましたが、そのころ寒気が来ていたということもありやばいくらい寒かったです。なのになんもアポがないため時間を持て余し、無駄に松戸市内をうろうろする羽目となるなどなんかコロナのせいでひどい目に遭った気がします。仕方ないので当初の予定より早く漫画喫茶に入って、無駄に「彼岸島」を何冊も読むこととなり、無駄な時間を過ごしたなという気がしました(一緒に読んだ「スプライト」は段々つまらなくなっていった)。
例によってこの時もクソ薄いウインドブレーカー一枚しか上着はなく、寒さに強い私でも日本では寒いと感じましたが、現在のところ何も風邪もコロナもひいていません。ただ寒さに弱くなっているような気がするので、明後日当たり無駄に夜中ずっと窓開けて耐寒訓練でもしようかなと考えています。
話を戻すと、東京周辺でやることもないから早めに岐阜に移動して親父と合流し、その後友人から頼まれていたSwitchとソフトを計四万円購入したりして、奈良や和歌山とかに足を運んでたりしました。奈良にいる親戚のおじさんは、「こんなに奈良町が静かになったのはこのところ記憶にない」と語っており、中国人観光客の減少ぶりについて驚いていました。
なおこの時にこのおじさんとは、「奈良には歴史も自然も鹿もあるが、観光資源として唯一料理が足りない」と提言し、奈良の観光関連の人に奈良の名物料理を編み出すよう伝えておくようにと話しました。一応その場では、奈良漬け、茶飯などが案として出てきましたが、どれも一般受けし辛い料理であり、それならまだ市内中心部に店が多い洋食の方がいいのではとかも話しています。あと鹿肉も出たけど、奈良市で鹿食うことはインドで牛を食う並のタブーだという結論に落ち着きました。
和歌山では安かったのでリゾートホテルに泊まりましたが、従業員に中国人がたくさんいることに正直驚きました。奈良のホテルでもそうですが、こうした観光分野で中国人従業員がこれほどまで多くいるくらい中国の影響が強まっているのだなと思うとともに、ホテル従業員は敬語を使わないといけないから、彼ら外国人従業員は大変だろうと内心思います。
なお和歌山県の観光について言うと、和歌山城に行きましたが何故か場内のパネル展示に、「徳川吉宗」に関する説明が一字一句たりともなかったことが非常に不思議でした。なんかわだかまりあるのか知らないけど。
このほかだと今回は前述のSwitch以外だと大した買い物もせず、あまり特徴的な旅行ではありませんでした。おニューの湯飲みは二つ買ったけど。っていうかこんなに誰も会ってくれないってんならもっと別の計画とか組んだのに、本当に不便この上ない旅行でした。
あと最後本当にどうでもいい話ですが、中国へ帰国する際に空港でチェックインしたらラウンジ使用券がもらえて、えっなんで?と聞いたら「お客様はビジネスクラスを予約されています」と言われ、「そんなの予約したっけ?(゚Д゚;)」と一人でビビってました。後で確認したら本当にビジネスクラスを予約していて、無駄に一人サプライズをやらかしてました。
ただ折角もらえたラウンジチケットですが、空港内であれこれお土産を眺めてたら搭乗時刻まで余裕がなくなり、結局使いませんでした。また機内に乗り込んだ後も、シートは確かにビジネスクラスでいいシートでしたが、コロナのせいで食事は簡素なものしかなく、尚且つ昼過ぎの便で私がいらないと言ったため、実質シートの差しかありませんでした。よく寝れたけど。
ひとつだけ特殊なエピソードを語ると、私が座ったビジネスクラスのシートの隣は中国人客でしたが、飛行機に乗り込むややおら透明なビニールシートを広げ、それを全身に被っていました。体にはマントっぽいシートで、頭はシャンプーハットのようなものを被り、全身ビニール武装してそのまま上海に降り立っていましたが、いくらなんでも過剰反応し過ぎでは、っていうかそこまでするならちゃんとした防護服とガスマスク買った方がいいのではとか思ってみてました。帰り際に客室乗務員にも、「それどこで買ったの?」とか聞かれてたし。
大体五、六人に声かけていたのですが、全員が全員断り、うち二人については最初はOKと言いながら渡航二日前に急にドタキャンしてきました。もう少し早く判断してくれていたら、別の人間にアポ取れたのになって気がしてなりません。そのため結局顔合わせたのは、馴染みの床屋とカレー屋の人たちで、彼らは自分が忘れたころに中国にやってくると知っていながら、温かく自分を迎えてくれました(´;ω;`)ウッ…
なお先週木曜日から日本にいましたが、そのころ寒気が来ていたということもありやばいくらい寒かったです。なのになんもアポがないため時間を持て余し、無駄に松戸市内をうろうろする羽目となるなどなんかコロナのせいでひどい目に遭った気がします。仕方ないので当初の予定より早く漫画喫茶に入って、無駄に「彼岸島」を何冊も読むこととなり、無駄な時間を過ごしたなという気がしました(一緒に読んだ「スプライト」は段々つまらなくなっていった)。
例によってこの時もクソ薄いウインドブレーカー一枚しか上着はなく、寒さに強い私でも日本では寒いと感じましたが、現在のところ何も風邪もコロナもひいていません。ただ寒さに弱くなっているような気がするので、明後日当たり無駄に夜中ずっと窓開けて耐寒訓練でもしようかなと考えています。
話を戻すと、東京周辺でやることもないから早めに岐阜に移動して親父と合流し、その後友人から頼まれていたSwitchとソフトを計四万円購入したりして、奈良や和歌山とかに足を運んでたりしました。奈良にいる親戚のおじさんは、「こんなに奈良町が静かになったのはこのところ記憶にない」と語っており、中国人観光客の減少ぶりについて驚いていました。
なおこの時にこのおじさんとは、「奈良には歴史も自然も鹿もあるが、観光資源として唯一料理が足りない」と提言し、奈良の観光関連の人に奈良の名物料理を編み出すよう伝えておくようにと話しました。一応その場では、奈良漬け、茶飯などが案として出てきましたが、どれも一般受けし辛い料理であり、それならまだ市内中心部に店が多い洋食の方がいいのではとかも話しています。あと鹿肉も出たけど、奈良市で鹿食うことはインドで牛を食う並のタブーだという結論に落ち着きました。
和歌山では安かったのでリゾートホテルに泊まりましたが、従業員に中国人がたくさんいることに正直驚きました。奈良のホテルでもそうですが、こうした観光分野で中国人従業員がこれほどまで多くいるくらい中国の影響が強まっているのだなと思うとともに、ホテル従業員は敬語を使わないといけないから、彼ら外国人従業員は大変だろうと内心思います。
なお和歌山県の観光について言うと、和歌山城に行きましたが何故か場内のパネル展示に、「徳川吉宗」に関する説明が一字一句たりともなかったことが非常に不思議でした。なんかわだかまりあるのか知らないけど。
このほかだと今回は前述のSwitch以外だと大した買い物もせず、あまり特徴的な旅行ではありませんでした。おニューの湯飲みは二つ買ったけど。っていうかこんなに誰も会ってくれないってんならもっと別の計画とか組んだのに、本当に不便この上ない旅行でした。
あと最後本当にどうでもいい話ですが、中国へ帰国する際に空港でチェックインしたらラウンジ使用券がもらえて、えっなんで?と聞いたら「お客様はビジネスクラスを予約されています」と言われ、「そんなの予約したっけ?(゚Д゚;)」と一人でビビってました。後で確認したら本当にビジネスクラスを予約していて、無駄に一人サプライズをやらかしてました。
ただ折角もらえたラウンジチケットですが、空港内であれこれお土産を眺めてたら搭乗時刻まで余裕がなくなり、結局使いませんでした。また機内に乗り込んだ後も、シートは確かにビジネスクラスでいいシートでしたが、コロナのせいで食事は簡素なものしかなく、尚且つ昼過ぎの便で私がいらないと言ったため、実質シートの差しかありませんでした。よく寝れたけど。
ひとつだけ特殊なエピソードを語ると、私が座ったビジネスクラスのシートの隣は中国人客でしたが、飛行機に乗り込むややおら透明なビニールシートを広げ、それを全身に被っていました。体にはマントっぽいシートで、頭はシャンプーハットのようなものを被り、全身ビニール武装してそのまま上海に降り立っていましたが、いくらなんでも過剰反応し過ぎでは、っていうかそこまでするならちゃんとした防護服とガスマスク買った方がいいのではとか思ってみてました。帰り際に客室乗務員にも、「それどこで買ったの?」とか聞かれてたし。
2020年2月11日火曜日
ノベルゲーレビュー その五(PSP、Vita系列)
大分時代が現代に近くなって今回はPSP、Vitaで遊んだ作品のレビューです。もっともこの頃の作品だとマルチプラットフォームが一般的なため、PS2とかPS3でも大体発売されているのですが。
1、雨格子の館 評価:B
5、死印 評価:C
1、雨格子の館 評価:B
いわゆる「一柳和」シリーズの一作目。非常に気弱でなよなよした大学生が探偵役となるこのシリーズですが、他のアドベンチャー作品と一線を画す点では、展開の進め方によって本来死ぬ予定だった被害者が生還してその後もストーリーに関与し続けるという点です。
ストーリーとしてはよくある閉ざされた洋館で連続殺人事件が起きるという奴ですが、犯人を当てないまでも次のターゲットを正確に予想することで、何もしなければ殺されるキャラが殺されずに済みます。同時に、犯人を名指しするタイミングも序盤から終盤にかけて毎日1回ずつあり、一人目の被害者が出た段階で即犯行を止めることができます。こうした、ストーリーにプレイヤーが介入できる余地に関してはアドベンチャーげむの中でも屈指のものがあり、非常によくできたシステムだと感じます。
惜しむらくは、ベストエンドにするためには非常に詳細に証拠を集めたり、聞き込みして動機まで解明しなければならず、これは攻略法なしだと非常に難易度が高いということです。
もう一点、犯行を防いでターゲットを生還させたとしても、生還したターゲットは他のキャラクター同様に事件に巻き込まれないよう、その後もずっと部屋に閉じこもりであまりストーリーに絡まない点です。もっとも絡ませるとしたらフラグ管理がとんでもないことになるので、この点は仕方がないでしょうが。
このシリーズはその後第三作まで制作され一応全部購入しているのですが、第二作目がバグが多く、私もプレイ序盤から何度もバグに悩まされ一向に進行できなかったので結局やらずに終わりました。
2、密室のサクリファイス 評価:D
ジャンルとしては脱出ゲーに入るのですが、ノベルパートのシナリオが非常によくできている作品です。ある日突然主人公となる五人の少女を除き誰もいなくなった世界が舞台なのですが、この五人の少女が妙にリアルというか、一緒にいるとすごいギスギスし合い、実際に進行によっては互いに実質的に殺害し合ったりするなど、非常に先の気になるストーリ―でした。
このようにシナリオ面はすごくいいのですが、脱出ゲームパートに問題があるというか、やばいくらい難しかったです。普通に序盤で一切先に進めなくなって攻略サイトに頼ったのですが、後半に至っては攻略サイトを見てもどうしてこれで正しいのかすらわからないくらいの難解ぶりで、ノーヒントでエンディングまで行った人は多分怪盗ルパンだと思います。そのためシナリオはいいのですが人には進められる作品とは思えず、評価はDとしています。
3、特殊報道部 評価:C
「流行り神」シリーズを作ってきた日本一ソフトウェアの、テレビ局を舞台(メーテレが協力)にしたXファイル的なアドベンチャーゲームです。一応アドベンチャーゲームとなってはいますが、分岐などのゲーム性は皆無に等しく、実質的にシナリオを読むだけのノベルゲーです。ただシナリオ自体は比較的面白く、先が気になるもので、あと声優も実力派の大物揃いで音声聞いてるだけでも正直楽しかったです。
問題点はボリュームで、シナリオ数が少なくすぐ終わってしまいます。もっともあのゲーム性で長くしてもプレイヤーもダレるだけだったので、初めから普通にサウンドノベルとして作ればもっと違ったかもしれません。
4、√letter 評価:D
島根県に過去の文通相手を探しに行くというコマンド選択型アドベンチャーゲームで、セールス的には海外販売も行われ非常に大きな成功を収めています。よかったと思う点を挙げると、ビジュアルが非常によくできており島根県の実際の観光地などの風景をきれいに再現しており、実際に旅した気分にさせられました。
にもかかわらずなんで評価Dなのかというと、単純にシナリオがクソだからです。文通相手の友達を一人一人探り当てて、本人に一人ずつ認めさせるという展開なのですが、そんな展開必要なの?と、思わざるを得ない内容でした。シナリオ分岐はあるっちゃありますが、終盤とエンディングの展開しか変わらず、実質的にほぼ一本道なシナリオです。唯一、ホラーエンディングに分岐した場面は素直に恐怖を感じましたが、それ以外はさほど感じ入るシナリオはありません。
あとレビューサイト見ると、主人公がまるでヤクザみたく文通相手の友達に追い込みをかけているとよく書かれていますが、私はそうは思いませんでした。あれくらいは日常よくあることだし、ひっぱたいたり拉致ったりはしてないんだから、そこまで大げさに感じるほどかレビュー見てて逆に不思議でした。日本の平和ボケもかなり来ているように感じます。
出てきたらもうすぐ死ぬっていう刻印が出てきた主人公らが、助かるために街の怪異を解決していく昔ながらの市街系ホラーアドベンチャー作品です。この手の一般的なアドベンチャー作品と違って、ダンジョンを探索するかのようにポイントを巡って、パートナーと協力しながら手がかりを探していき、最後は怪異たる存在とバットとか拳銃使って戦うという展開になります。
控えめに言っても、コンセプトデザインを仕切った友野るい氏のセンスが非常によく、恐怖を感じさせる表現面では屈指の出来と言っていいでしょう。またシナリオも破綻がなく、実際にやってて怖いと感じさせる忍び寄る恐怖がよく演出できており、完成具合に関して言えば文句なしに傑作だと言えます。
しかし他のレビューでも書かれているように、致命的なほどボリュームが少ないということを考えると、一つのゲームとしては凡作とせざるを得ないところです。3000円くらいの価格だったら、十分傑作といえるのですが、フルプライスではさすがに文句なしのお墨付きは出せないでしょう。
なおこの作品でヒロインの声を演じているのがりっかすこと立花里香氏で、自分はこの作品でこの人の声を初めて聴きましたが非常に印象に残り、さらにその後「ザンキゼロ」やったらまた綺麗な京都弁でいろいろ唸らされました。オリックスの若月選手とついこの前結婚されましたが、前にパワプロで若月選手からオリックスの捕手レギュラーを奪い取り、引退に追い込んだことがあるからなんか微妙な気分になりました。っていうかこの情報いるのかと、自分でも思います。
6、VA-11 Hall-A 評価:C
評価はCですが内心ではBをあげたい作品です。近未来のSF都市を舞台に女性バーテンダーとして、バーにやってくるお客の話をカクテル作りながら聞くという作品です。一番特徴的なのは、ゲーム画面がPC-98時代のレトロゲームを模している点で、古臭くて懐かしいドット絵のアドベンチャーって点だけでも他にはない強い個性が光ります。
シナリオもSFらしいというか、非常にタブーが低く、またバーという場所柄、かなり大人の世界な会話が繰り広げられます。主人公からしてバイセクシャルで、携帯の待ち受け画面にするくらいの思い人は女性上司だったりして、その手の会話や下ネタもガンガン投入してきます。恐らくこうしたシナリオ内容も、PC-98時代の影響でしょうが。
既に取り上げた「Eve burst error」と「YU-NO」について私は、「時代に愛された作品」と評し、あの時代だからこそタブーとされるような内容が物珍しく映り、評価されたのではと述べました。この点を強く意識したのはまさにこの「VA-11 Hall-A」をやった時で、正直こっちの作品の方が引っかかるタブーの内容が「Eve burst error」と「YU-NO」とかよりも多いです。
しかし、ことさら目につかないというか現代においてはもはやタブーでなくなりつつある話題でもあり、そうした内容を「重く」扱うことはもはや滑稽にしかならず、「軽く」扱うことこそが現代の価値観に沿うのではないかという気がします。そういう意味でこの作品は、こうした方面の話題の塩梅が現代にマッチして非常にいい塩梅だという気がします。
2020年2月10日月曜日
ノベルゲーレビュー その四(5pb.系列)
今回はあんまり量は多くないけど5pb.系列の作品です。
1、コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー 評価:D
エログロで有名なシリーズのコンシューマー版第一作目ですが、生憎私の中の評価は高くありません。音声に関してはバイノーラル録音しているだけあって確かに見事な臨場感を作っていますが、それ以前にゲームとしてしっかり作り込めておらず、エログロなシナリオやグラフィックとかよりも使い勝手の悪いUIとかへのストレスの方がずっと強かったです。
私が遊んだのはPSP版ですが、ともかくローディングが長く、その上バットエンドも多くてなんかずっとイライラしながらクリアまで遊んだ覚えがあります。特に個人的に腹立って仕方ないのは、「この先行くな」と貼り紙に書いてあるので行かなかったらバットエンドに直行させられた点で、「この先危険」くらいに表現変えろよとか凄いムカつきました。
あとエログロとよく言われますが、実際そんなに激しいって程ではないと思います。なんていうか見せ方が良くないというか、内臓の飛び散った死体をポンと見せられて、「如何でしょうか?」とか言われてもピンとこないような感じです。やはりこの辺は演出というか料理の仕方でしょう。
2、コープスパーティー Book of Shadows 評価:C
こちらも発売当初は爆発的な人気を呼び、至高のアドベンチャーゲームと崇められシリーズ続編作が未だに量産されています。もっともその続編作が出る度にシリーズとしての評価が落ちているようにも見えますが。
この作品が世間で評価されている点としては、タイムマシンという存在への科学的アプローチと、終盤に至るにつれて解き明かされる数多くの伏線、あとこの手のゲームらしくない独特なキャラデザインとかだと思います。このうち化学的アプローチとキャラデザインに関しては私も納得同意し、シナリオの文章も決して悪くなかったと考えますが、恐らく最大の評価点である伏線については私は全く評価できませんでした。何故かというと、中盤の時点でシナリオのラストをほとんど推測できたからです。
正確には一つ目のエンディングを迎えた時点ですがその時点で、「ああこうやって順繰りに元に戻していき、冒頭の事件に戻ってあの人死んで、それをどうにかするためには……順当に行くならこのキャラが助けに来るんだろうな」などとかなりはっきりと読めました。で、実際そうだったし。
自分がたまたま予想できただけかもしれませんが、「最高のカタルシス」と呼ばれるほどにはこの作品のシナリオ展開は予想しづらいものではないと思います。
また科学的考証部分は確かによくできていますが、個人的に気になった点として、主人公の電子レンジが何故主人公一味のメールしか過去に転送しないのかについて、何故誰も突っ込まないのかが不思議でした。
この点について知人は、「レンジの近くでメールを送信する、距離的な制限では?」と擁護意見を出しましたが、冒頭や終盤の方では大分距離の離れたところからメールを打ってるのに転送されており、この論で行くなら周囲の他の人らが送信したメールも大量に転送されて、過去が改変されるはずではないかと思います。まぁ受信者の位置を使えば説明できなくもないですが。
1、コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー 評価:D
エログロで有名なシリーズのコンシューマー版第一作目ですが、生憎私の中の評価は高くありません。音声に関してはバイノーラル録音しているだけあって確かに見事な臨場感を作っていますが、それ以前にゲームとしてしっかり作り込めておらず、エログロなシナリオやグラフィックとかよりも使い勝手の悪いUIとかへのストレスの方がずっと強かったです。
私が遊んだのはPSP版ですが、ともかくローディングが長く、その上バットエンドも多くてなんかずっとイライラしながらクリアまで遊んだ覚えがあります。特に個人的に腹立って仕方ないのは、「この先行くな」と貼り紙に書いてあるので行かなかったらバットエンドに直行させられた点で、「この先危険」くらいに表現変えろよとか凄いムカつきました。
あとエログロとよく言われますが、実際そんなに激しいって程ではないと思います。なんていうか見せ方が良くないというか、内臓の飛び散った死体をポンと見せられて、「如何でしょうか?」とか言われてもピンとこないような感じです。やはりこの辺は演出というか料理の仕方でしょう。
2、コープスパーティー Book of Shadows 評価:C
上のブラッドカバーの続編にあたるこちらですが、前作はマップ探索型のエログロホラーでしたが、今回は画面コマンド選択型という一般的なアドベンチャーゲームになっています。ジャンルが切り替わり、それほど大したプログラミングが要求されなくなったこともあってか、ローディング時間が減った上にバグとかも非常に少なくなってて、UIもこちらに関してはあまり不満はありませんでした。
内容も前作と比べるとノベルゲー要素が高まり、黙々と文章を読んでいけるようになって、余計なストレスにさらされなくなってシナリオに集中できるようになりました。シナリオの内容も章ごとに独立していてすんなり楽しめるようになり、またフラグ管理も比較的適切でわかりやすく、分岐もそれなりにあって手堅いものがありました。このシリーズはこのままこの路線で走ればよかったのに。
3、コープスパーティー BLOOD DRIVE 評価:E
結論から言うと、途中で遊ぶのやめました。なんでも、発売当日の時点で重大なエラーバグを抱えていて発売日にパッチが配布されたという、別な意味で曰く付きのゲームです。
そのようにゲームシステムが初めから非常に不安定であるだけに、遊んでいると頻繁にエラーが起こってしょっちゅう強制停止させられました。おまけにゲーム内容もまたマップ探索型に戻り、しかも暗くてただでさえ見えづらいのに懐中電灯の電池に制限かけたりして(パッチで無制限となる)、何考えてこんな機能入れたんだよと疑問に思う仕様が多々ありました。
さらにはシナリオも私からすれば完全意味不明な代物で、元々は学園ホラー的なジャンルだったのに、前作の最終盤からとはいえ突然西洋黒魔術がうんたらかんたら、それまで聞いたことない怪しげな横文字魔術集団が予告なしに登場とか、これ続編で作る価値あるのと思うくらい脈絡ないシナリオでした。普通に学園ホラーの路線を歩んでりゃいいというのに。
そんな具合で辟易したことから結局クリアもしないまま放棄しました。これに限らず5pb.作品はどれもゲームシステムやプログラム面で問題が多いだけに、5pb.の名前を見た時点でもうそのゲームは買わないようになりました。あとこの作品に関しては、マップ探索中に動く死体に「バシッ」って叩かれるのが妙にムカつき、「叩きよったでこいつ!」などと何故か関西弁をプレイ中に発してました。
4、STEINS;GATE 評価:C
遊べないわけじゃないが名作じゃない、というのが私の評価です。
こちらも発売当初は爆発的な人気を呼び、至高のアドベンチャーゲームと崇められシリーズ続編作が未だに量産されています。もっともその続編作が出る度にシリーズとしての評価が落ちているようにも見えますが。
この作品が世間で評価されている点としては、タイムマシンという存在への科学的アプローチと、終盤に至るにつれて解き明かされる数多くの伏線、あとこの手のゲームらしくない独特なキャラデザインとかだと思います。このうち化学的アプローチとキャラデザインに関しては私も納得同意し、シナリオの文章も決して悪くなかったと考えますが、恐らく最大の評価点である伏線については私は全く評価できませんでした。何故かというと、中盤の時点でシナリオのラストをほとんど推測できたからです。
正確には一つ目のエンディングを迎えた時点ですがその時点で、「ああこうやって順繰りに元に戻していき、冒頭の事件に戻ってあの人死んで、それをどうにかするためには……順当に行くならこのキャラが助けに来るんだろうな」などとかなりはっきりと読めました。で、実際そうだったし。
自分がたまたま予想できただけかもしれませんが、「最高のカタルシス」と呼ばれるほどにはこの作品のシナリオ展開は予想しづらいものではないと思います。
また科学的考証部分は確かによくできていますが、個人的に気になった点として、主人公の電子レンジが何故主人公一味のメールしか過去に転送しないのかについて、何故誰も突っ込まないのかが不思議でした。
この点について知人は、「レンジの近くでメールを送信する、距離的な制限では?」と擁護意見を出しましたが、冒頭や終盤の方では大分距離の離れたところからメールを打ってるのに転送されており、この論で行くなら周囲の他の人らが送信したメールも大量に転送されて、過去が改変されるはずではないかと思います。まぁ受信者の位置を使えば説明できなくもないですが。
あとなんとなくな意見を言うと、この作品も時代に愛されたというべきか、リリースされた時期が非常に良かったのではという風にも考えています。なんとなく舞台となる秋葉原への世間の注目というか評価が最も高かったと思えるのがこの作品の発売時で、「アキバズトリップ」といい、他にも秋葉原を舞台にした作品が当時多かった気がします。
無駄に対抗して松戸を舞台にした暗黒ドラゴンファンタジーなシナリオとか書いてもいいっちゃいいですが、多分どうあがいてもそんなゲーム売れない気がします。むしろ書くなら90年代後半のバスケットコートとかあった時代の秋葉原の方が個人的にもまだ楽しめる気がします。
2020年2月9日日曜日
ノベルゲーレビュー その三(プレステ時代作品)
三回目のこの連載。ぶっちゃけため記事として書いているため、掲載時期はいつかまだ決めてないけど書いているのは今2/3です。この日のブログ記事書いて、JBpress向け記事を清書して送って、ようやくこの記事を書き始めたところです。
今回はプレステ、サターン時代のノベルゲー作品を書いてきます。
1、赤川次郎 夜想曲 評価:C
また先ほどの「EVE burst error」同様に、謎解き要素が設けられていることもありますが、単純にゲームとしてのテンポが非常に悪かったです。当時だからということもできますが、「かまいたちの夜」なんかはそういうテンポの悪さは感じなかっただけに、ゲームシステムを優先するあまりシナリオのテンポを崩してしまっている面が菅野ひろゆき作品には顕著であると感じます。やったことはないけど、「エクソダスギルティ」もそんな感じだと聞くし。
そういう意味で「EVE burst error」及び「YU-NO」はどちらも、時代に愛された作品であり普遍的な名作足り得ないというのが私の見方です。
今回はプレステ、サターン時代のノベルゲー作品を書いてきます。
1、赤川次郎 夜想曲 評価:C
スーパーファミコンで「魔女たちの眠り」をリリースしたスタッフらによる赤川次郎原作シリーズの第二段。テイスト的には前作と似たような作風ですが、原作が魔女たちと比べるとそこまでショッキングじゃないので、死人はもちろんたくさん出るけどのんびり楽しめる感じの作品です。
ただドキッとする演出が比較的序盤の、主人公の知人の顔面ドアップくらいしかないのと、この時代の作品としてはスキップ機能やクイックセーブ機能がないやや時代遅れなUIでこの点は問題としてみるほかないです。「夜想曲2」も出ていますが生憎私はそちらを遊んでいません。
2、厄 友情談疑 評価:E
超クソ。どれくらいクソなのかはこちらの記事にまとめてあります。
視点を切り替えるザッピング機能がついてるものの、切り替えたところで話が分岐したりすることはなく、むしろ切り替えると前後脈絡なく場面が切り替わって読みづらくなるだけです。またそのシナリオも電波臭くて全く評価できないし、グラフィックも不気味ではある者の稚拙で、ノベルゲー史上でも屈指のクソゲーです。なのに何故か続編が出ており、クソゲーハンター以外には意味のないゲームでしょう。中古とはいえマジ買って損した。
3、ダブルキャスト 評価:B
ソニーが出してた「やるドラシリーズ」の第一弾で、記憶喪失の少女と映画撮影のドタバタ系ラブサイコサスペンス作品です。シナリオ自体は比較的ありがちというか王道であるものの、全編にわたりアニメーションと音声が付いており、尚且つ演出もそこそこ優れていて遊んでて楽しかったです。何気にBGMも今調べたら、今じゃアニメBGM業界の超大物である梶浦由紀氏だったし。
特にキャラデザは当時恐らく最も人気の高かったであろう後藤圭二氏が担当しており、声優らのキャスティングもイメージ通りで、全方面で完成度の高い手堅い名作というのが私の評価です。やるドラシリーズは他にもいくつか作品が出ていますが、生憎私が遊んだのはこのダブルキャストだけでした。「サンパギータ」くらいはやっとけばよかった気がするけど。
全体的にはラブコメっぽい雰囲気で進むものの、選択肢次第では結構ハードな描写が描かれ、非常にかわいらしいキャラデザと相まってなかなかショッキングな場面は心動かされます。こういっちゃなんだけど、北斗の拳のモヒカンが血反吐を吐くより、美少女とかが血反吐を吐く方が単純に演出としては印象に残りやすいです。そういう意味で美少女とグロ描写というのは実はかなり相性がいいものだと私は考えています。
4、EVE burst error 評価:D
90年代中盤において伝説的な評価を受けたアドベンチャーゲームであり、今も最新機種に移植版が発売されているこの作品ですが、上記の通り生憎私の中の評価はそれほど高くはありません。この点に関してはファンの方には申し訳ないと思いますが、批判を覚悟で批評を続けます。
この作品の最大の特徴は政府系諜報員の女主人公と、一介の私立探偵の男主人公がそれぞれ別々に、異なる事件を追っていく中、事件の背景や登場人物が複雑に絡み合って徐々に交差していくというシナリオにあるでしょう。またその交差するシナリオを見せる手段として、二人の主人公を任意の場面でザッピングしながら進める、つまり二人分の主人公の話を同時に進めるというシステムとなっています。
リリースされた当時、このザッピングシステムが非常に受けたことと、あと他のアドベンチャー作品にないシナリオの斬新さが評価されて名作の名をほしいままとしましたが、時代が下ってからプレイしてみた私からすると、そこまで評価されるほどの作品なのかという疑問を覚えました。
理由はいくつかあり、一つは90年代と違って2000年代以降は複数のキャラクターをザッピングして進めるアドベンチャーゲームは他にもたくさん出てきて珍しくなくなっていた点があります。次に、シナリオの内容も当時としては斬新であったろうものの、時代が少し下った後であれば、そこまで斬新性を感じられるものではなくなっているように私には思えました。またゲームシステムも昔ながらのコマンド総当たり方式で、やはり冗長さを覚える仕様であることから、現代における評価としてはDになるというのが結論です。
5、この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO 評価:C
こちらの作品もリリース当初は伝説的評価を受けた、「EVE burst error」と同じく故管野ひろゆきの代表作です。評価された点は非常に複雑なシナリオと、主人公が行うタイムリープをゲームシステムに組み込んだ点で、多分当時批判でもしたら袋叩きにあったくらいの高い評価を受けていました。版権関係が複雑であったことからその後なかなか日の目を浴びなかったものの、少し前に最新ハードでリメイクが出されています。
さてこの作品もやや批判寄りのCという評価を付けましたが、理由としては「EVE burst error」同様に、「当時だから評価されたのでは」と思う節があるからです。自分がこのゲームを遊んだのは2000年以降ですが、ゲームシステムとUIの古さは仕方がないにしろ、シナリオ面に関してはそこまで崇拝されるほどのものかと正直疑問に感じました。
具体的に述べると、この作品では近親相姦やカニバリズムといったタブー的なテーマが数多く出てきますが、90年代であればそれらタブーを組み込むことは勇気がいるし画期的だったと思うものの、現代においてこれらテーマのタブー要素はやや薄れ、他にもシナリオに組み込んだ作品は既に数多く出るようになっています。実際私も他の作品でこれらタブー要素を見聞きしていたこともあり、「YU-NO」をやった際もそこまで意外性は感じませんでした。
また先ほどの「EVE burst error」同様に、謎解き要素が設けられていることもありますが、単純にゲームとしてのテンポが非常に悪かったです。当時だからということもできますが、「かまいたちの夜」なんかはそういうテンポの悪さは感じなかっただけに、ゲームシステムを優先するあまりシナリオのテンポを崩してしまっている面が菅野ひろゆき作品には顕著であると感じます。やったことはないけど、「エクソダスギルティ」もそんな感じだと聞くし。
そういう意味で「EVE burst error」及び「YU-NO」はどちらも、時代に愛された作品であり普遍的な名作足り得ないというのが私の見方です。
2020年2月8日土曜日
ノベルゲーレビュー その二(スーパーファミコン時代)
果たして需要があるかわからないこの連載レビュー記事ですが、周囲の声は無視して続けていきます。書いてるこっち側としては結構楽しいのですが。
1、夜光虫 評価:E
チュンソフトの「かまいたちの夜」のヒットに続いて現れた最初のフォロワーでしたが、正直言って惨澹たる出来でした。音楽、演出ともに拙く、何よりもシナリオの破綻ぶりがひどかったのが記憶に残っています。シナリオは大まかに二種類にしか分かれず、しかもどちらへ行っても舞台となる貨物船が難破するのであまり変わり映えがありません。単純にシナリオ量を確保できなかったことが失敗の原因でしょう。
2、月面のアヌビス 評価:C
イマジニアから「ざくろの味」とともに出されたサウンドノベル作品ですが、当時としては珍しく、宇宙ステーションを舞台にしたシナリオとなっています。やはりサウンドノベルのシナリオは閉鎖空間と相性がいい傾向があるだけに、絶対に救援など期待できない宇宙空間を舞台にしたSFホラーという点で着眼点が良かったと感じます。
シナリオは決して抜群にいいとは言えないものの十分及第点といえるレベルで、それなりに先の気になる内容で遊んでて楽しめました。まぁチンパンが露骨に怪しいというのはお約束と割り切れるかに寄りますが。
3、ざくろの味 評価:D
上の「月面のアヌビス」とほぼ同時期に出されたサウンドノベル作品ですが、アヌビスの方は宇宙ステーションを舞台に多国籍なキャラクターが登場するのに対し、こちらのざくろの方は日本の出版社と同じビルの住人らという、非常に狭い舞台となっています。
シナリオのショッキング度はそれなりに高いのですが、逆を言えばそれしかなく、非常にツッコミどころの多いシナリオです。ご都合展開が非常に多く、突然ビルが陥没した後、「なんということだ、会社の地下に旧日本軍の研究施設があったなんて……」という事実が会社のパソコン弄ってたらわかるというような無理な展開が延々と続きます。
また地味に選択肢の使い方も工夫が感じられず、メインシナリオでグッドエンディング行くためには終盤で複数の選択肢をほぼノーヒントで一度も間違えずに選ばなければならず、このため何度もバッドエンドを見る羽目になりました。魅力あるキャラもおらず、アヌビスと比べるなら向こうの方が数段優れていたというのが私の評価です。
なおキャラクターの描写に関しては「かまいたちの夜」同様にシルエットで表示されます。このシルエット表示は近年あまり見なくなったのが寂しいです(´;ω;`)ウッ…
4、魔女たちの眠り 評価:C
赤川次郎氏の小説「魔女たちのたそがれ」、「魔女たちの長い眠り」を原作とした作品で、下地となっている原作の良さもあってシナリオは十分及第点です。また一枚絵も割とショッキングなものが多く、「おまえの血がほしい」の場面で出てくる絵は今でも十分な迫力があると思います。
ただ欠点もないわけでなく、シナリオの分岐にあまり幅がありません。またシナリオは第一部と第二部に分かれてるのですが、一度エンディングを迎えた後はそれぞれのスタート箇所からしか再開できないため、フラグを埋めるのが地味に面倒くさかったです。もう少し完成度を高めていたら文句なしにB評価を出せたと思うだけに、詰めの甘い作品だったと思います。
なおこの作品のシナリオはかなりショッキングですが、原作の小説はもっとショッキングです。どんな具合にショッキングかといったら、割と皆殺しが続くといったところでしょうか。
5、学校であった怖い話 評価:A
単純に文章を読みながら選択肢を選び進めるだけの純粋なノベルゲームの中でいうならば、この「学校であった怖い話」こそが史上最高傑作ではないかと密かに睨んでいます。一体何故そう言えるのかというと、この作品はとにもかくにもシナリオの量、本数ともにスバ抜けており、長年遊んだプレイヤーですら久々に取り出して遊んでみると未見のシナリオやテキストに遭遇することも珍しくないからです。
またそのシナリオも六人の語り部から「学校の怪談」を聞くという形式をとっており、語り部の話し方やキャラクターも色濃くシナリオに反映されているため、従来の一人称視点で進んでいくだけの述べるゲームとは違った味わいがあります。それでいてシナリオ内容もどれも読ませられるものであり、且つ無意味な選択肢が少なく、本当に選んだとおりの数だけシナリオが広がっていくという点でも高い完成度を誇ります。
このほか地味に音楽や、やや粗雑だがそれ故に恐怖感を煽るグラフィックも非常に優れているのですが、それ以上に演出の妙も非常に光る作品でした。徐々に音量を上げてくるBGMなどいろいろありますが、何と言っても一番印象深いのは隠しシナリオで、決まった手順で進めないと登場しないものの、苦労して登場させた甲斐があると思うくらい他のシナリオとは群を抜く出来栄えとあって、プレイしていていろいろ感動がありました。
もっともその隠しシナリオの「仮面の女」は、今やっても寒気を覚えるくらい怖いものでした。あと「人形」シナリオも、迫りくる恐怖という意味ではぜひ模範としたい文章となっています。なおその「人形」シナリオを遊んでいる最中に友人が、「この語り部の話し方、後輩に似てね?」と言い出したせいで、シナリオ読んでると後輩の音声が頭の中で再生されるということとなってしまいましたが。
6、晦 評価:C
上記の「学校であった怖い話」の製作チームが作ったサウンドノベルゲームですが、その出来栄えは前作からガクンと落ち込んでいます。理由はいくつかありますがまずはシナリオで、前作同様に六人の語り部から話を聞くという形式ながら前作と比べると選択肢の幅が少なく、シナリオ本数もガクンと少なくなっています。また前作が学校内の話に限定されていたのに対し今回は学校外のあらゆる場面がシナリオに登場しますが、なんていうかシナリオの舞台は広がっているのに幅は狭くなっているような感じがするというか、全体として統一感を欠いてしまったのが失敗だった気がします。
またゲーム性の面でも、選択肢を一つ間違えたら即バッドエンド行きというパターンが増え、単純に面白味が低下しました。他の作品にも言えますが、バッドエンドはあまり多く作っても、プレイヤーに無駄にストレスをもたらすだけにしかならず、極論を言えばむしろない方がいいとすら思います。
いま改めてこの「晦」でどんなシナリオがあったか思い出そうとしましたが、ほとんど記憶に残っておらず、唯一思い出せたのが廃墟となった洋館を探索するシナリオだけです。あれはそこそこ怖かったけど、結末がまたひどい出来だっただけに、やはり全体として完成度が低い作品と言わざるを得ません。
1、夜光虫 評価:E
チュンソフトの「かまいたちの夜」のヒットに続いて現れた最初のフォロワーでしたが、正直言って惨澹たる出来でした。音楽、演出ともに拙く、何よりもシナリオの破綻ぶりがひどかったのが記憶に残っています。シナリオは大まかに二種類にしか分かれず、しかもどちらへ行っても舞台となる貨物船が難破するのであまり変わり映えがありません。単純にシナリオ量を確保できなかったことが失敗の原因でしょう。
2、月面のアヌビス 評価:C
イマジニアから「ざくろの味」とともに出されたサウンドノベル作品ですが、当時としては珍しく、宇宙ステーションを舞台にしたシナリオとなっています。やはりサウンドノベルのシナリオは閉鎖空間と相性がいい傾向があるだけに、絶対に救援など期待できない宇宙空間を舞台にしたSFホラーという点で着眼点が良かったと感じます。
シナリオは決して抜群にいいとは言えないものの十分及第点といえるレベルで、それなりに先の気になる内容で遊んでて楽しめました。まぁチンパンが露骨に怪しいというのはお約束と割り切れるかに寄りますが。
3、ざくろの味 評価:D
上の「月面のアヌビス」とほぼ同時期に出されたサウンドノベル作品ですが、アヌビスの方は宇宙ステーションを舞台に多国籍なキャラクターが登場するのに対し、こちらのざくろの方は日本の出版社と同じビルの住人らという、非常に狭い舞台となっています。
シナリオのショッキング度はそれなりに高いのですが、逆を言えばそれしかなく、非常にツッコミどころの多いシナリオです。ご都合展開が非常に多く、突然ビルが陥没した後、「なんということだ、会社の地下に旧日本軍の研究施設があったなんて……」という事実が会社のパソコン弄ってたらわかるというような無理な展開が延々と続きます。
また地味に選択肢の使い方も工夫が感じられず、メインシナリオでグッドエンディング行くためには終盤で複数の選択肢をほぼノーヒントで一度も間違えずに選ばなければならず、このため何度もバッドエンドを見る羽目になりました。魅力あるキャラもおらず、アヌビスと比べるなら向こうの方が数段優れていたというのが私の評価です。
なおキャラクターの描写に関しては「かまいたちの夜」同様にシルエットで表示されます。このシルエット表示は近年あまり見なくなったのが寂しいです(´;ω;`)ウッ…
4、魔女たちの眠り 評価:C
赤川次郎氏の小説「魔女たちのたそがれ」、「魔女たちの長い眠り」を原作とした作品で、下地となっている原作の良さもあってシナリオは十分及第点です。また一枚絵も割とショッキングなものが多く、「おまえの血がほしい」の場面で出てくる絵は今でも十分な迫力があると思います。
ただ欠点もないわけでなく、シナリオの分岐にあまり幅がありません。またシナリオは第一部と第二部に分かれてるのですが、一度エンディングを迎えた後はそれぞれのスタート箇所からしか再開できないため、フラグを埋めるのが地味に面倒くさかったです。もう少し完成度を高めていたら文句なしにB評価を出せたと思うだけに、詰めの甘い作品だったと思います。
なおこの作品のシナリオはかなりショッキングですが、原作の小説はもっとショッキングです。どんな具合にショッキングかといったら、割と皆殺しが続くといったところでしょうか。
5、学校であった怖い話 評価:A
単純に文章を読みながら選択肢を選び進めるだけの純粋なノベルゲームの中でいうならば、この「学校であった怖い話」こそが史上最高傑作ではないかと密かに睨んでいます。一体何故そう言えるのかというと、この作品はとにもかくにもシナリオの量、本数ともにスバ抜けており、長年遊んだプレイヤーですら久々に取り出して遊んでみると未見のシナリオやテキストに遭遇することも珍しくないからです。
またそのシナリオも六人の語り部から「学校の怪談」を聞くという形式をとっており、語り部の話し方やキャラクターも色濃くシナリオに反映されているため、従来の一人称視点で進んでいくだけの述べるゲームとは違った味わいがあります。それでいてシナリオ内容もどれも読ませられるものであり、且つ無意味な選択肢が少なく、本当に選んだとおりの数だけシナリオが広がっていくという点でも高い完成度を誇ります。
このほか地味に音楽や、やや粗雑だがそれ故に恐怖感を煽るグラフィックも非常に優れているのですが、それ以上に演出の妙も非常に光る作品でした。徐々に音量を上げてくるBGMなどいろいろありますが、何と言っても一番印象深いのは隠しシナリオで、決まった手順で進めないと登場しないものの、苦労して登場させた甲斐があると思うくらい他のシナリオとは群を抜く出来栄えとあって、プレイしていていろいろ感動がありました。
もっともその隠しシナリオの「仮面の女」は、今やっても寒気を覚えるくらい怖いものでした。あと「人形」シナリオも、迫りくる恐怖という意味ではぜひ模範としたい文章となっています。なおその「人形」シナリオを遊んでいる最中に友人が、「この語り部の話し方、後輩に似てね?」と言い出したせいで、シナリオ読んでると後輩の音声が頭の中で再生されるということとなってしまいましたが。
6、晦 評価:C
上記の「学校であった怖い話」の製作チームが作ったサウンドノベルゲームですが、その出来栄えは前作からガクンと落ち込んでいます。理由はいくつかありますがまずはシナリオで、前作同様に六人の語り部から話を聞くという形式ながら前作と比べると選択肢の幅が少なく、シナリオ本数もガクンと少なくなっています。また前作が学校内の話に限定されていたのに対し今回は学校外のあらゆる場面がシナリオに登場しますが、なんていうかシナリオの舞台は広がっているのに幅は狭くなっているような感じがするというか、全体として統一感を欠いてしまったのが失敗だった気がします。
またゲーム性の面でも、選択肢を一つ間違えたら即バッドエンド行きというパターンが増え、単純に面白味が低下しました。他の作品にも言えますが、バッドエンドはあまり多く作っても、プレイヤーに無駄にストレスをもたらすだけにしかならず、極論を言えばむしろない方がいいとすら思います。
いま改めてこの「晦」でどんなシナリオがあったか思い出そうとしましたが、ほとんど記憶に残っておらず、唯一思い出せたのが廃墟となった洋館を探索するシナリオだけです。あれはそこそこ怖かったけど、結末がまたひどい出来だっただけに、やはり全体として完成度が低い作品と言わざるを得ません。
2020年2月7日金曜日
ノベルゲーレビュー その一(旧チュンソフト系作品)
やることがあまりにもないからノベルゲーのレビュー記事をこの際まとめることにします。初回は旧チュンソフトが出したサウンドノベル作品をおさらいします。
なお評価ランクはA~Fで、基準としてはざっと以下のような感じです。
A:マジ名作!
B:面白い、ぜひやるべき!
C:遊んでみて楽しめるけど、率先してやるほどではない
D:好みに寄るかもしれないけど、あまり楽しめなかった
E:やめとけ
F:判定不能、規格外
1、弟切草 評価:B
サウンドノベルの初代作品であり元祖。初代ということもあるからメッセージスキップや読み返し、バックログ、クイックセーブなど現代では当たり前の機能こそ備えていないものの、スーパーファミコン初期という時代を考慮すればどれも仕方の無い物です。
ただ、上記のハンデを考慮したとしてもこの作品は十分におすすめできるものです。特に近年のリメイク作なら上記のような機能も追加されているので、大分遊びやすいと思います。
この作品が何故優れているのかというと、サウンドノベルというノベルゲージャンルを開拓したことはもとより、地味にシナリオと演出が優れているからです。ゲームの表現力が限られる中、主要人物を二人に限定し、その他の登場人物(ミイラとか怪魚とかだが)は背景で表すなど、限られたリソースで違和感なく演出しています。またBGMやSEなど音楽の演出もうまく、一つのアドベンチャー作品としても十分評価できるものです。
2、かまいたちの夜 評価:A
弟切草がサウンドノベルの元祖なら、こっちのかまいたちの夜は第二作目にして実質このジャンルを完成させた作品といえるでしょう。
サウンドノベルと非常に相性のいいミステリーを本筋のシナリオに据え、そのシナリオから派生する形で、同じ舞台設定で複数のシナリオを同時展開するというやり方は現在におけるノベルゲーにおいても主流の形態です。こうしたノベルゲーとしての骨格を築いた上にそれを普及させていることから、日本アドベンチャーゲーム史に残ると言っても過言ではないでしょう。
上記の点もさることながら、かまいたちの夜は単純にシナリオと演出も他の作品を大きく凌駕しています。特に人物をシルエットで表現するというやり方は、最近はあまり踏襲されていないものの、表現方法としては非常に画期的でした。またシナリオもミステリーのトリック自体はそれほど意外性はないものの、それをゲームに落とし込み、選択肢を選ぶことで推理していくという組み立て方は見事というより他ありません。
あと細かい点だけど、ある特殊な場面にてリセットボタンを押すことで見られる特殊演出は、あの時代としてはあり得ないくらいにすごいものでした。っていうか普通にミステリー編のトリックよりよくできてた気がする。
3、かまいたちの夜2 評価:B
そんなかまいたちの夜の続編としてPS2で作られたかまいたちの夜2ですが、本筋のミステリー編のシナリオははっきりってひどいというかむちゃくちゃなトリックで、あんなシナリオだしちゃミステリー作家としておしまいだよというくらい惨澹たるものでした。ただそれでもB評価としたのは、他のシナリオがそれなりに面白かったのと、ハードがPS2に切り替わって表現方法が非常に多彩となり、アドベンチャーゲームとしてはよくできていると感じたからです。
賛否両論ある作品ではありましたが、私個人としては陰陽師編を始めそれなりに楽しめました。
4、かまいたちの夜3 評価:E
そんなかまいたちの夜2を擁護する私ですらも、このかまいたちの夜3は擁護し切れないというか救いようがないと感じました。はっきり言って原作レイプもいいところで、どうしてこんなダメな作品を彼らはリリースしたのだろうかと内心不思議です。
ミステリー編のシナリオは前作にましてひどいもので、あんなシナリオだしちゃミステリーじゃなくても作家としておしまいと断言できるくらい唾棄すべきものでした。しかもトリックとか裏背景とかすぐわかる癖に、複数キャラをザッピングして進めなければいけないという操作面の特徴からなかなか思い通りに話が進まず、無駄にストレスを感じさせられました。っていうかあのザッピングシステムは蛇足以外の何物でもないでしょう。初めからシナリオキャラクターは一人に絞っていた方が、もっといいものができたかもしれません。
演出面も同じPS2であることから2より進化は感じられず、個人的にはむしろ退化した感すらありました。ガチでこの作品はクソもいいところで、存在を抹消した方がいいとすら思います。
5、街 ~運命の交差点~ 評価:A
なお評価ランクはA~Fで、基準としてはざっと以下のような感じです。
A:マジ名作!
B:面白い、ぜひやるべき!
C:遊んでみて楽しめるけど、率先してやるほどではない
D:好みに寄るかもしれないけど、あまり楽しめなかった
E:やめとけ
F:判定不能、規格外
1、弟切草 評価:B
サウンドノベルの初代作品であり元祖。初代ということもあるからメッセージスキップや読み返し、バックログ、クイックセーブなど現代では当たり前の機能こそ備えていないものの、スーパーファミコン初期という時代を考慮すればどれも仕方の無い物です。
ただ、上記のハンデを考慮したとしてもこの作品は十分におすすめできるものです。特に近年のリメイク作なら上記のような機能も追加されているので、大分遊びやすいと思います。
この作品が何故優れているのかというと、サウンドノベルというノベルゲージャンルを開拓したことはもとより、地味にシナリオと演出が優れているからです。ゲームの表現力が限られる中、主要人物を二人に限定し、その他の登場人物(ミイラとか怪魚とかだが)は背景で表すなど、限られたリソースで違和感なく演出しています。またBGMやSEなど音楽の演出もうまく、一つのアドベンチャー作品としても十分評価できるものです。
2、かまいたちの夜 評価:A
弟切草がサウンドノベルの元祖なら、こっちのかまいたちの夜は第二作目にして実質このジャンルを完成させた作品といえるでしょう。
サウンドノベルと非常に相性のいいミステリーを本筋のシナリオに据え、そのシナリオから派生する形で、同じ舞台設定で複数のシナリオを同時展開するというやり方は現在におけるノベルゲーにおいても主流の形態です。こうしたノベルゲーとしての骨格を築いた上にそれを普及させていることから、日本アドベンチャーゲーム史に残ると言っても過言ではないでしょう。
上記の点もさることながら、かまいたちの夜は単純にシナリオと演出も他の作品を大きく凌駕しています。特に人物をシルエットで表現するというやり方は、最近はあまり踏襲されていないものの、表現方法としては非常に画期的でした。またシナリオもミステリーのトリック自体はそれほど意外性はないものの、それをゲームに落とし込み、選択肢を選ぶことで推理していくという組み立て方は見事というより他ありません。
あと細かい点だけど、ある特殊な場面にてリセットボタンを押すことで見られる特殊演出は、あの時代としてはあり得ないくらいにすごいものでした。っていうか普通にミステリー編のトリックよりよくできてた気がする。
3、かまいたちの夜2 評価:B
そんなかまいたちの夜の続編としてPS2で作られたかまいたちの夜2ですが、本筋のミステリー編のシナリオははっきりってひどいというかむちゃくちゃなトリックで、あんなシナリオだしちゃミステリー作家としておしまいだよというくらい惨澹たるものでした。ただそれでもB評価としたのは、他のシナリオがそれなりに面白かったのと、ハードがPS2に切り替わって表現方法が非常に多彩となり、アドベンチャーゲームとしてはよくできていると感じたからです。
賛否両論ある作品ではありましたが、私個人としては陰陽師編を始めそれなりに楽しめました。
4、かまいたちの夜3 評価:E
そんなかまいたちの夜2を擁護する私ですらも、このかまいたちの夜3は擁護し切れないというか救いようがないと感じました。はっきり言って原作レイプもいいところで、どうしてこんなダメな作品を彼らはリリースしたのだろうかと内心不思議です。
ミステリー編のシナリオは前作にましてひどいもので、あんなシナリオだしちゃミステリーじゃなくても作家としておしまいと断言できるくらい唾棄すべきものでした。しかもトリックとか裏背景とかすぐわかる癖に、複数キャラをザッピングして進めなければいけないという操作面の特徴からなかなか思い通りに話が進まず、無駄にストレスを感じさせられました。っていうかあのザッピングシステムは蛇足以外の何物でもないでしょう。初めからシナリオキャラクターは一人に絞っていた方が、もっといいものができたかもしれません。
演出面も同じPS2であることから2より進化は感じられず、個人的にはむしろ退化した感すらありました。ガチでこの作品はクソもいいところで、存在を抹消した方がいいとすら思います。
5、街 ~運命の交差点~ 評価:A
かまいたちの夜から離れたこちらの「街」ですが、一言で言って名作です。実写取り込みで8人の人物の5日間(2人だけ3日間)を追っていくというゲームですが、シナリオが8人それぞれで完全に独立していながらも、ところどころで主人公同士が接触し、その接触場面で適切にザッピングしていくことでシナリオロックを外していくという内容です。
まず単純に各シナリオがどれも粒ぞろいで、尚且つどのキャラもそれぞれ魅力があり、非常に感情移入が出来ました。また実車取り込み映像も比較的よく、俳優は有名どころは限られているものの、それぞれ個性が光っていた上にキャスティングされたキャラとも良く合致していました。
文字通り、先が気になってやめ時が分からなくなるほど中毒性のあるシナリオばかりで、一本の作品としての完成度はすさまじく高いです。それだけに、続編も非常に期待していたのですが。
6、428 ~封鎖された渋谷で~ 評価:C
「街」とシナリオは関連しないもののほぼ同じシステムで作られたこちらの「428」ですが、決して遊べない出来ではないものの、「街」の続編とするには物足りませんでした。
この作品で何が不満だったかというとシナリオとキャスティングで、「街」では8人の主人公が完全に独立したシナリオを進めていくのに対し、「428」では当初バラバラだった主人公らが最終的に一本の結末にみんなで向かっていく内容で、個人的な意見を述べると、シナリオが段々と尻すぼみ化していくような感じがしました。その結末も、大団円とはなりますがそこまで感動的とは思えないもので、「あんだけ大騒ぎしてこんな終わり方かよ」と内心思いました。
またキャスティングされた俳優も「街」と比べるとあまりそのキャラクターと合致していたようには思えず、尚且つ、これはシナリオのせいだと思いますが、主人公らについてほとんどだれも共感なり感情移入をすることが私にはできませんでした。感じ方で言うと、「街」では主人公同様にどうしようとか焦りとか色々感じたのに、「428」では全部が他人事みたいで、「勝手にやれよ」って感じでシナリオ読んでました。いうなれば、単純にキャラクターたちの魅力がなかったといったところでしょう。
実際にというかキャラクター人気投票したら、並み居るキャラクターを抑えて着ぐるみがトップに立ったらしいです。もうこの時点でいろんな試みが失敗していることが見て取れます。
あと細かい点で言えば、ハードがPS3などかなりハイエンドとなっていることで画面効果などの演出は非常に多彩となっているものの、こと演出力で見ればスーパーファミコンのかまいたちの夜にすら劣っているのではないかと内心思います。そう思う理由としては、まず「428」で使われているBGMを全く思い出せない(「街」とかだとまだ思い出せる)、次に意表を突く演出がほぼ全く感じられなかったからです。年月が経っていることで、クリエイターたちの実力がかえって劣化していたのかもしれません。
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