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2020年2月10日月曜日

ノベルゲーレビュー その四(5pb.系列)

 今回はあんまり量は多くないけど5pb.系列の作品です。

1、コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー 評価:D
 エログロで有名なシリーズのコンシューマー版第一作目ですが、生憎私の中の評価は高くありません。音声に関してはバイノーラル録音しているだけあって確かに見事な臨場感を作っていますが、それ以前にゲームとしてしっかり作り込めておらず、エログロなシナリオやグラフィックとかよりも使い勝手の悪いUIとかへのストレスの方がずっと強かったです。
 私が遊んだのはPSP版ですが、ともかくローディングが長く、その上バットエンドも多くてなんかずっとイライラしながらクリアまで遊んだ覚えがあります。特に個人的に腹立って仕方ないのは、「この先行くな」と貼り紙に書いてあるので行かなかったらバットエンドに直行させられた点で、「この先危険」くらいに表現変えろよとか凄いムカつきました。

 あとエログロとよく言われますが、実際そんなに激しいって程ではないと思います。なんていうか見せ方が良くないというか、内臓の飛び散った死体をポンと見せられて、「如何でしょうか?」とか言われてもピンとこないような感じです。やはりこの辺は演出というか料理の仕方でしょう。

2、コープスパーティー Book of Shadows 評価:C
 上のブラッドカバーの続編にあたるこちらですが、前作はマップ探索型のエログロホラーでしたが、今回は画面コマンド選択型という一般的なアドベンチャーゲームになっています。ジャンルが切り替わり、それほど大したプログラミングが要求されなくなったこともあってか、ローディング時間が減った上にバグとかも非常に少なくなってて、UIもこちらに関してはあまり不満はありませんでした。
 内容も前作と比べるとノベルゲー要素が高まり、黙々と文章を読んでいけるようになって、余計なストレスにさらされなくなってシナリオに集中できるようになりました。シナリオの内容も章ごとに独立していてすんなり楽しめるようになり、またフラグ管理も比較的適切でわかりやすく、分岐もそれなりにあって手堅いものがありました。このシリーズはこのままこの路線で走ればよかったのに。

3、コープスパーティー BLOOD DRIVE 評価:E
 結論から言うと、途中で遊ぶのやめました。なんでも、発売当日の時点で重大なエラーバグを抱えていて発売日にパッチが配布されたという、別な意味で曰く付きのゲームです。
 そのようにゲームシステムが初めから非常に不安定であるだけに、遊んでいると頻繁にエラーが起こってしょっちゅう強制停止させられました。おまけにゲーム内容もまたマップ探索型に戻り、しかも暗くてただでさえ見えづらいのに懐中電灯の電池に制限かけたりして(パッチで無制限となる)、何考えてこんな機能入れたんだよと疑問に思う仕様が多々ありました。

 さらにはシナリオも私からすれば完全意味不明な代物で、元々は学園ホラー的なジャンルだったのに、前作の最終盤からとはいえ突然西洋黒魔術がうんたらかんたら、それまで聞いたことない怪しげな横文字魔術集団が予告なしに登場とか、これ続編で作る価値あるのと思うくらい脈絡ないシナリオでした。普通に学園ホラーの路線を歩んでりゃいいというのに。
 そんな具合で辟易したことから結局クリアもしないまま放棄しました。これに限らず5pb.作品はどれもゲームシステムやプログラム面で問題が多いだけに、5pb.の名前を見た時点でもうそのゲームは買わないようになりました。あとこの作品に関しては、マップ探索中に動く死体に「バシッ」って叩かれるのが妙にムカつき、「叩きよったでこいつ!」などと何故か関西弁をプレイ中に発してました。

4、STEINS;GATE 評価:C
 遊べないわけじゃないが名作じゃない、というのが私の評価です。

 こちらも発売当初は爆発的な人気を呼び、至高のアドベンチャーゲームと崇められシリーズ続編作が未だに量産されています。もっともその続編作が出る度にシリーズとしての評価が落ちているようにも見えますが。
 この作品が世間で評価されている点としては、タイムマシンという存在への科学的アプローチと、終盤に至るにつれて解き明かされる数多くの伏線、あとこの手のゲームらしくない独特なキャラデザインとかだと思います。このうち化学的アプローチとキャラデザインに関しては私も納得同意し、シナリオの文章も決して悪くなかったと考えますが、恐らく最大の評価点である伏線については私は全く評価できませんでした。何故かというと、中盤の時点でシナリオのラストをほとんど推測できたからです。

 正確には一つ目のエンディングを迎えた時点ですがその時点で、「ああこうやって順繰りに元に戻していき、冒頭の事件に戻ってあの人死んで、それをどうにかするためには……順当に行くならこのキャラが助けに来るんだろうな」などとかなりはっきりと読めました。で、実際そうだったし。
 自分がたまたま予想できただけかもしれませんが、「最高のカタルシス」と呼ばれるほどにはこの作品のシナリオ展開は予想しづらいものではないと思います。

 また科学的考証部分は確かによくできていますが、個人的に気になった点として、主人公の電子レンジが何故主人公一味のメールしか過去に転送しないのかについて、何故誰も突っ込まないのかが不思議でした。
 この点について知人は、「レンジの近くでメールを送信する、距離的な制限では?」と擁護意見を出しましたが、冒頭や終盤の方では大分距離の離れたところからメールを打ってるのに転送されており、この論で行くなら周囲の他の人らが送信したメールも大量に転送されて、過去が改変されるはずではないかと思います。まぁ受信者の位置を使えば説明できなくもないですが。

 あとなんとなくな意見を言うと、この作品も時代に愛されたというべきか、リリースされた時期が非常に良かったのではという風にも考えています。なんとなく舞台となる秋葉原への世間の注目というか評価が最も高かったと思えるのがこの作品の発売時で、「アキバズトリップ」といい、他にも秋葉原を舞台にした作品が当時多かった気がします。
 無駄に対抗して松戸を舞台にした暗黒ドラゴンファンタジーなシナリオとか書いてもいいっちゃいいですが、多分どうあがいてもそんなゲーム売れない気がします。むしろ書くなら90年代後半のバスケットコートとかあった時代の秋葉原の方が個人的にもまだ楽しめる気がします。

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