今更ながら、以前に処刑されたフセイン元イラク大統領について書こうと思います。
実は彼が処刑された当時、何故マスメディアは今回話す内容について,どこも意見を書かないのか非常に疑問でした。それは多分何か理由あるとかないとかではなく、単純に気づかなかっただけだと思うのですが、非常に重要な問題なので、今回ここで問題提起を兼ねて私が意見を書いておきます。
その問題とは、ずばり何故フセインは国連の査察を受けなかったということです。
現在に至るまでアメリカ軍はイラクにおいて大量殺戮兵器の証拠を見つけるどころか、そもそもの情報は間違っていたとまで言っています。つまり、開戦前にイラクは大量殺戮兵器を所有していなかったことになります。それなら何故フセインは国連の査察を受け入れなかったのでしょうか。ないならないで査察を受け入れても何の実害はないし、すくなくとも、査察を受け入れる事でアメリカの主張していた兵器の保有は否定されて、場合によれば戦争の回避から自らの破滅を避ける事まで出来たかもしれません。にも関わらず、開戦前にフセインは頑なに査察受け入れを拒否しました。その理由とは如何に?
考えられる理由は今のところ二つあり、そのうちの一つはあきらめです。
たとえ査察を受け入れようとも、どっちにしろアメリカによって難癖つけられて攻撃される。ならばじたばたしないで最後までアメリカの脅しに屈しないように査察を受けなかった、という感じです。これなら無理して攻め込んだアメリカが後に兵器が見つからず、現在のように戦争のその正当性が疑問視されるといった、最後っ屁をかます事が出来るので、それをフセインが狙ったという理由です。ま、正直言ってこれはないと私は思います。
で、肝心のもう一つの理由。それはフセインの驕りです。
実は彼、これには前科があって、湾岸戦争時にアメリカは介入してこないだろうと誤算を起こしてました。もっともこれはアメリカの陰謀説などいろいろありますが、結果的には彼の読み違いからアメリカによる攻撃を受けています。それと同じで今回も、「アメリカはいろいろ言ってくるが、まさか本気で戦争にまで持ち込まないだろう」という風に、フセインが状況を読み違えたのが真相だと私は思います。
もっとも、最初の「あきらめ説」のように、どっちにしろアメリカは難癖つけて戦争は起こったと思います。しかし査察を受けていればまだ開戦時にアメリカの正当性が揺らぐなど、フセインに有利な政治効果があったと思います。もちろんこれは結果論で、フセインを一概に批判する気はありませんが、少なくとも査察をフセインが受けなかった事でもっとも得をしたのは、恐らく日本でしょう。なにせ自衛隊派遣の際に、「兵器がないなら査察を受け入れているはずでしょう」と、当時の小泉元首相の言い訳が強引ながら立ったのですから。
1 件のコメント:
中国の出席もいつか同じ結末になる。
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