昨日、ひょんなことから今年四月から入社したばかりの新社会人の方と話をする機会があったので、いきなりこんなことを聞いてみました。
「ぶっちゃけ、自分も内定切りに遭うんじゃないか不安じゃなかった?」
「そりゃ不安でしたよ。恐らく、自分らの世代は皆一様に持ったと思いますよ」
いきなりこんなことを聞く私も私だが、こうして当事者に改めて聞いてみて今回の問題の根深さを改めて実感できたので、きちんと答えてくれたその新社会人の方には改めてこの場でお礼を言わせてもらいます。
さてここで私が切り出した内定切りですが、以前にも「内定取消しについて」の記事の中で一度取り上げていますが、その記事を書いた当時の内定者たちが入社する四月にはもう入ったのでもうこのようなニュースは出てこないと思っていたのですが、既にあちこちでニュースになっているのでリンクは貼りませんが、なんとある造船会社では入社式の前日こと三月三十一日になって突然内定者たちに内定取消しを通告したところもあったそうで、まだまだこの問題は尾を引きそうです。
この造船会社のニュース以外に昨日に見たニュースでは、内定者たちに対して半年間の自宅待機を命じてその間に給料の六割だけを支給するという会社の例が報告されていましたが、私の見る限り恐らくこういった自宅待機の例はまだまだ多くあるのではないかと気にしています。そしてこれはまだ噂になっているだけで実際に発生したという報道はまだ見ていませんが、試用期間である三ヶ月を過ぎる、つまり今年の七月に入るや仕事の内容に能力が満たないなどという理由をつけて無理やり新入社員を辞めさせるなどという恐ろしい噂も耳にします。噂で済めば何も問題はないのですが。
このような内定切りの問題についてこのところ私が報道機関や政治家に対して深く疑問に思うのは、何故どこも対策というものを打ち出さないのかという点です。前回の記事でも触れていますが、今回のこの内定切りの諸悪の原因は実際に入社する約一年近く前に就職を約束し合うという内定制度にあると考えています。今年はどうなるかわかりませんが十年位前から去年までは紳士協定なぞどこ吹く風か、四月には内定を出す会社が続出したために大学生の側も早い人などは三回生の秋頃から説明会などに参加するなどの就職活動を行っていました。
こうした早すぎる就職や人材斡旋活動は双方にとって無駄な負担しか生まず、少なくともそれ以前には慣行だった「四回生の十月以降から」という風に戻すべきだと前回の記事で私は主張しましたが、こうして四月を過ぎてもこのような例がまだまだ報告されているのを見ると、そもそもの内定制度自体を廃止するべきではないかとも考えてしまいます。内定切りに遭った学生が可哀相と同情することだけならいくらでもできますが、もっとこうした具体的な対策についても今後議論が広まることを切に願っています。
2 件のコメント:
企業のインターンシップの面接なんて2回生にありますからね。
四回生の4月に内定を出すことは、本当におかしな話ですよ。一年後の景気なんて誰もわからないですからね。今回の内定取り消しなんて、内々定通知が早まっていることによって引き起こされたように感じられます。
エアーマンさん、全く同感です。
記事でも書いていますが、この際企業の大学生などへの採用活動は入社日の三ヶ月前からでなければ行えないなどという具体的な制限が必要だと思うのですが、思っていた以上にこういった提言が出てこなかったことに逆に驚いています。
来年の事を言えば鬼が笑うとは言いますが、今の就職活動を見ていて誰が得するのか理解に苦しみます。
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