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2009年8月5日水曜日

民主党、小沢氏の存在感の増大について

 おとといの押尾学容疑者の覚せい剤逮捕から「のりぴー」こと酒井法子氏の失踪によって、先週までは主役だった選挙戦のニュースが今週に入るや一気に少なくなってしまいました。まぁ確かにこの両事件は見ていて面白いんですけどね。
 そんな世間の流れに逆行して陽月秘話では今日もいつもの通りに政治系記事ですが、今日はあまりどこも報じていない、選挙後に予想される民主党の小沢一郎氏の立ち位置について私の勝手な予想を紹介しようと思います。結論から申せばもしこの流れのまま民主党が与党となって政権を取った場合、小沢氏の存在価値が非常に大きくなってくると私は予想しております。

 まず現在の選挙の状況ですがちょっと手元に資料がないので私の記憶だけで概要だけをかいつまんで説明させてもらうと、今週月曜のテレビ朝日の早朝ニュースにて紹介された世論調査では自民党への支持率が前回時より微増したものの、民主党への支持率はそれ以上に増加しており結局両党の差は前回時より広がったという結果が紹介されていました。この結果について解説員の吉澤氏は選挙が近づいてきて無党派層が徐々に投票の意思を固めてきた傾向の証拠であり、やはり民主党が圧倒的に優勢な状況であると締めくくったのですが、私もこの意見に同感です。

 別にこの結果にとどまらず各地の選挙戦の話を聞いているとどこも自民党には強い逆風が吹いており、本当によっぽどのことがない限り民主党が次の選挙で大勝するであろうとどのメディアも予想しております。しかし民主党が次の選挙に勝ったとしても、自民党も党内意見に非常にばらつきのある政党ではあるものの現在の民主党はそれ以上に党内意見がまとまっておらず、政権奪取のために現在はまとまっていても政権を取った暁には党内の右派と左派が激しく対立を起こし、早晩機能不全に陥るのではないかという不安もいろんな場所で言われております。いくつか例を出すと、例えば憲法改正問題については党首の鳩山由紀夫氏はまさにパイオニアとも言うべきほどこの問題に早くから手をつけてきましたが、旧社会党の人間からすると何が何でも抵抗する議題であります。また同様にこちらは自民党が必死になって批判している安全保障問題についても、自衛隊に対する意見一つでも大きな火種になりかねない状態です。

 そういった意味で民主党が政権を取るにしてもその後をどうするかという意見は、やや気が早いかもしれませんが憂慮すべき内容ではあります。この不安要素について鳩山党首などは、自民党でも様々な党内対立を行ってきたからこそ党内に活力を保ち続け、政権を守り続けてきたのだという意見を主張していますが、確かにそれはそれで一理ある意見ですがやはり楽観論だと言わざるを得ません。今から20年近く前の細川連立政権からその後しばらく続いた新進党時代には党内意見が全くまとまらず次々と瓦解していった歴史があるので、もうすこしこの問題については警戒感が必要でしょう。

 では具体的にどういった事態が予想されるのでしょうか。私は今回の場合、今日も橋本大阪府知事と会ってきた小沢一郎民主党元代表が最大のキーパーソンになると見ています。
 確かに民主党は党内意見が立党当初よりまとまらず常に全体での行動が整わない政党だったのですが、小沢氏が代表に就任して以降はその「豪腕」の異名に違わずピシャリと党内を糺し、2007年の参院選での大勝利から現在の総選挙で民主党に優勢とさせる体勢を作ってきました。私はそんな小沢氏が政権奪取後も鳩山党首の黒子となって党内統制にしっかり取り組むのであれば、ひょっとしたら本当にまとめ上げてしまうのではないかという淡い期待があります。

 仮に小沢氏が鳩山党首に協力しつつ全力で取り組んでも民主党内がまとまらないとすれば、恐らく誰も意見をまとめることは出来ないでしょう。そういう意味で選挙後は小沢氏がその役割を存分に果たしてくれるかどうかに、私は民主党の政権維持がかかってくるのではないかと見ております。
 7月号の文芸春秋での鳩山党首のインタビューに、「猛獣、小沢をどう扱うか」というサブタイトルがついておりましたが、改めて現状を見渡すと非常に意味を成すサブタイトルだったと今では思います。事実小沢氏が本当に最後まで党内統制に力を砕いてくれるのか、また執行部の寝首をかかないかという不安はいくらでもあります。ただ小沢氏自身が党首討論を逃げ回ってやっぱり選挙対策の責任者がいいといって党首職を鳩山氏に譲ったことを考えると、案外こういう黒子役の方が肌に合っていると本人も思っているのかもしれません。

 私としてはその経歴からあまり小沢一郎という政治家は好きではありませんが、民主党が政権奪取後に意見がバラバラとなって日本の政治が混乱するのだけはなんとしても避けたいと願っているだけに、ほかに人がいないのであれば小沢氏にこの役目をしっかり果たしてもらいたいと期待しているわけです。まさに猛獣を如何に使うか、鳩山党首の手腕にも期待するとしましょう。

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