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2009年8月24日月曜日

目指すべき国家モデルの類型~最終回、私の考え編

目指すべき国家モデルの類型~その一、軍事、外交編
目指すべき国家モデルの類型~その二、権力体制編
目指すべき国家モデルの類型~その三、国家信条編
目指すべき国家モデルの類型~その四、福祉税率編

 過去四回に渡って連載してきたこの国家モデルについての連載も、今日が最後となります。最後の今日はこれまれで紹介してきたモデルの中で、今後の日本の政策方針として私が支持するモデルをそれぞれ紹介します。

 まず最初の軍事と外交についての方針ですが、これは現在の方針でもある「軽武装重商主義国家」を維持すべきだと私は考えております。というのも日本は中国とアメリカという、どっちも意地を張出したら言うことを全く聞かないちょっと変わった国同士に挟まれている関係で必然的に騒動に巻き込まれやすい国であります。かといってこの両国とも相手にしないで孤高のような独立を保とうにも島国という地理上、本土防衛が非常にやりづらい国家であるために、もし本気で自国ですべての防衛政策を行おうとしたら相当額の軍事費が必要になってきます。
 となるとアメリカと中国のどっちかに外交上コミットすることが防衛政策上で非常に重要になるのですが、現状でアメリカのわがままをなんでも聞くのは確かに大変ではありますが、中国よりはまだ信用が置けるということにほとんどの国民も納得すると思います。今後革新的な兵器や外交転換が行われない限りは、この路線が日本にとって最も有益だとこのように考えるわけです。

 次に権力体制についてですが、多少悩むものの地方分権型を現在では推します。必ずしも地方分権が権力体制として優れたものだとは思わないものの、少なくとも日本の現状の霞ヶ関官僚体制には明らかに限界が見えており、消毒と心機一転を行うためには一時的にでもかまいませんから地方分権へと一旦舵を切る必要があると思います。
 ちなみに何故地方分権に私がこのように不安を感じているかというと、まず三年位前に主に関西の各地方自治体で明らかになった闇専従や昼抜けといった地方公務員の連続した汚職事件があったことと、中国における地方政府の圧政を耳にしているからです。恐らく地方自治体の汚職やモラルから逸脱した行為はまだまだあることが予想され、いくら霞ヶ関が腐敗していようともまた別の腐敗した団体が権力を持つのではないかと、ちょっとこうした不安を抱えております。

 そして三番目の国家信条ですが、これは他の国家モデルと違ってやや特殊な材料でして今後どのような方向に国民の目を向かせて国家として強化していくかという方向性で一つに限らなくてもいいのですが、優先順位的に言うと私は文化主義国家を日本人は真剣に盛り立てるべきだと考えております。
 これはこのところ私の友人が口をすっぱくしていっていることなのですが、

「昔の外人から見た日本人のイメージは侍だったが、今ではオタクになっている」

 これは言うまでもなくアニメや漫画といったサブカルチャーが影響を及ぼしているのですが、あながちこの業界の海外への販売力は強く、二年くらい前に見たニュースで貿易額で言うとこのようなサブカルチャー業界の売り上げが鉄鋼の輸出額を上回ったとまで報じられていました。そのため日本に来る外人も昔とは違ってこのようなサブカルチャーが目当てでやってくるのも増えてきており、事実私の友人の中国人留学生はガンダムが好きで日本に留学に来たほどでした。
 このようなサブカルチャーの何が強みなのかというと、一度作ってしまえば維持コストや製造コストが一切かからない点です。言ってしまえば一度普及した漫画はその後には何の手を加えなくとも、そこそこに漫画もアニメのDVDも売れ、安い費用で作ったグッズも値段が高くとも売れます。

 こうしたものをもっと日本は世界に対して売り、元の記事でも書いてあるように私は日本人は真剣に観光立国をそろそろ考えるべきだと思います。何もサブカルチャーに限らなくとも明治の頃から外国人を魅了した豊かな自然風景や京都の古寺名勝も備えていることですし、また韓国人ジャーナリストの金慶珠氏が以前にテレビで、「日本人の文化はおもてなしの文化だと思う」と発言しており、言われてみて確かに客人をもてなすのは今の日本人の精神性からしても無理な要求ではないように思えました。

 恐らくそういった日本人の精神性、国民性というものを現時点で意識するのであればやはり技術主義が最もフィットして未来があるであろうことはわかるのですが、私が文系出身ということもあってどうも素直にこれを認めることに抵抗があります。もっとも、現状の日本の文学部に早急な改革が必要なことは十分承知しているのですが。

 最後の福祉と税率については、あまり解説してもしょうがないのですが敢えて言えば一日でも早く国民の税負担率を上げることが最も未来ある選択だと思います。この辺はまた別に記事を書いて細かく解説してもいいのですが、このように一年や二年先の経済政策や状況を訴えるくらいなら、こうした議論を何故してくれないのかが私は不満だとこの連載で言いたかったわけです。

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