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2010年5月20日木曜日

徳之島移設案への経緯について

普天間移設:徳之島受け入れ7条件「すべてのむ」官房長官(毎日新聞)

 本日、平野官房長官が沖縄米軍基地移設案の候補地となっている徳之島の基地移設賛成派と会い、移設受け入れのかわりとしても止められた借金の棒引き、健康保険税の免除などの条件をすべて受け入れると話した事が報じられました。なおこの会談について平野氏は参加者に「口外するな」と言っていたそうですが、どうやらあっさりばらされたようです。

 今更といえばそうですが、この徳之島移設案はどうも平野氏が発案して鳩山首相に吹き込んだ事から始まったように私は思います。私が知る限り沖縄の米軍基地移設候補地として初めて徳之島が上がったのは社民党が候補地の一つとして挙げた時だったと思いますが、この社民党の発言を受けてか、もしくはそれ以前から考えていたのかまでは分かりませんが、目下民主党内でこの徳之島移設に一番こだわっているのは町長らと何度も会っている平野氏で間違いありません。

 私の見立てだと、恐らく鳩山首相は何の考えも持たずに県外移設を打ち出してその移設候補地などは全く頭になかったかと思います。そんな鳩山首相に対して候補地として米軍も納得でき、かつ現地住民も説得できる地だとして平野氏が吹き込んだのが徳之島で、何かしら自分の地位や利権が絡んでいるのかもしれませんし言った手前もう後には引けないから頑張っているだけかもしれませんが、このような経緯があることからもはやなりふりかまわずこの案で推し進めようとしているように見えます。

 そういった平野氏の努力が実ったとも言うべきなのか、報道されている情報ですと当初は反対一色だった徳之島住民側も、政府からの援助が見込めるならば受け入れるべきだと言う賛成派が徐々に人数を増やして来ているそうです。今日の平野氏と賛成派住民の会談も恐らくは徳之島の内部分裂策の一環でしょうが、私はたとえ徳之島住民が基地受け入れを認めたとしても、アメリカ側は決してこの案を受け入れる事はないと思います。防衛上の問題はさる事より支持率の低迷している民主党政権の足元を見てこれまで以上に強気に外交で出てくる可能性もあり、最悪の結末は徳之島の住民同士で妙なしこりが残って終わりでしょう。

 ちなみに民主党のキーマンである小沢一郎幹事長は、米軍の普天間移設が決定した直後に元防衛長官の久間章生と一緒に移設地周辺の不動産を買い漁ったそうなのでこの徳之島移設案に表立って賛成する事はないでしょう。こういうところはわかりやすくて助かる。

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