2010年5月25日火曜日

北朝鮮、韓国艦撃沈事件について

 すでに各ニュースでも報じられていますが、先日起きた韓国海軍哨戒艦の沈没事件の原因が北朝鮮による魚雷攻撃によるものと韓国を初めとした調査団が発表し、韓国の李明博大統領、北朝鮮の金正日総書記がそれぞれ互いに非難する声明を出して俄かに朝鮮事情が慌しくなって来ました。このニュースについて昨晩に友人に意見を求められたので、今日はそれに補足する形でこの問題に対する私の意見を紹介しようと思います。

 まず発端となった韓国軍艦の沈没が北朝鮮によるものかについては、紛れもない事実とみて間違いないでしょう。この沈没原因の調査は韓国のみならずアメリカを初めとした複数国によって組織された調査団によって報告されたもので、調査団が発表した北朝鮮製魚雷設計図と現場に残っていた遺留物が一致していたという事実、これまでの北朝鮮の前科、そしてなによりも北朝鮮贔屓の中国政府が「各国に慎重な対応を求める」と、玉虫色の声明を出したこと一つとっても判断するに十分でしょう。

 ではどうして北朝鮮はこんな簡単にばれるような、大それた軍事行動を取ったのでしょうか。今回の北朝鮮の目的について北朝鮮関係の各学者らは、世代交代に当たって何かしら大きな軍事行動を取って示しを付けようとしたのではないかと述べていますが、普通に考えれば馬鹿馬鹿しい限りですがあの国だったら本気でやりかねず、私もこの説を支持します。
 また敢えて深読みするのであれば、復帰間近と言われていた六カ国会議においてなにかしら狙いを持って起こしたのかもしれません。六カ国会議そのものを拒否しようとしたのかもしれませんし、仮に参加するとしても今回の軍事行動を以って何かしらの譲歩を迫るとか、そういった思慮が働いたと考える事もできます。

 肝心の今後については、はっきり言って国際諸国が北朝鮮を追い込む事は難しいかと私は思います。というのも現在どの国も、それぞれがそれぞれなりにすねに傷を抱えてて思い切った行動が取れないからです。
 まず遠く離れた欧州諸国はそもそもアジア情勢に対して興味が薄く、その上ギリシャに端を発した金融問題で頭が一杯です。そして今回の事件の当時者でもある韓国も朝鮮事情が荒れるのではという懸念から昨日今日と株価が下がり、折角リーマンショックから立ち直って調子よくいっている所に水を差しかねないと慎重になるべきだという意見が出てきています。

 そして北朝鮮問題の最大のキーマンである中国も、さすがに今回のバレバレな軍事行動をかばい立てる事こそしなかったものの、現在上海万博が開催中という事もあって何が何でも隣国で戦争などといった有事にならないように押さえ込みにかかる事は想像に難くありません。もう一方のキーマンである米国も、そんな中国を押し切ってほど北朝鮮に圧力をかけるとは思えず、またオバマ政権自体が内政やアフガニスタン問題でただでさえ八方塞がりな状態です。
 最後に日本についてはなにも言う事がなく、北朝鮮にだけは強気だった安部政権であれば話しは別でしたが、今の政権に独自の外交を期待するのはまず無理でしょう。せいぜい、国連での非難決議に賛成票を投じるだけに終わるでしょう。

 恐らく北朝鮮も、各国がそれぞれこのような状態ゆえに今回のような大それた行動をとっても何も対策が取れない事を知って決断したかと思います。
 ただあくまで素人の意見として言わせてもらうならば、中国政府は内心、今回の北朝鮮の行動に対して怒り心頭に来ているのではないかと思います。彼らとしては何が何でも成功させたい上海万博の開催直後にわざわざ火の粉を浴びせかけるような行動を、しかも今月に金正日総書記が訪中しているにもかかわらず取ったというのは侮辱以外の何者でもないと受け取っているはずです。

 北朝鮮としてもなんでもかんでも中国の言う事を聞いていればイニシアチブをすべて握られるという懸念から、数年前から敢えて中国の意向とは真逆の行動を取るようになって来ております。この北朝鮮の動きに中国がどこまで我慢するか、最短だと万博が閉会する今秋が頃合で、この問題で何かしら動きがあるとしたらその時期かというのが私の結論です。

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