一昨日の朝日新聞朝刊にて、土曜授業の復活するべきかどうかについて陰山英男氏と本田由紀氏がそれぞれ賛成と反対の立場で意見を寄せておりました。
それぞれの意見を要約すると、陰山氏は子供の学力は授業時間を増やせば必ずしも高まるものではなく、むしろ陰山氏が導入して効果を上げた百マス計算などといった教え方の比重の方が影響力が高いとして、現状でも授業時間外にも授業準備などの仕事をしなければならない教師から更に時間を奪ったりせずに授業内容の効率化、充実化を図っていくべきだとして土曜授業の復活に反対でした。
それに対して本田氏は、国際学力調査で高い成績を収めたフィンランドは今の日本以上に小学校の授業時間数が少なく、こちらも授業時間数が必ずしも学力向上に直結するわけではないとしながらも、土曜授業がなくなったかわりに現在は平日の授業時間数が増加したためにかえって教師の負担は大きくなっていると指摘しております。その上で土曜授業を復活させる一方、もっと教員の数を増やして交代で休暇がとれるような仕組みを作って授業の充実化を図って行くべきではないかと提案しておりました。
双方の意見を読んだ私の感想はと言うと、どちらの意見にも納得させられる部分が多くてなかなか考えさせられることの多い内容でした。どちらも授業時間数の増加よりも授業内容の充実こそが子供の学力向上につながるとしながらも、教師の意欲や体力を高めるのは週休二日制がいいのか週休一日制がいいのかという点で意見が分かれております。
実際に私の目から見ても確かに現代の教師の仕事は大変そうで、かつてあった半ドンの土曜日授業は今の公立校にはないものの、部活動の顧問をしている教師は今でもたとえ休みの土日であろうと学校に来て指導などしなくてはなりません。また夏休みなど長期休暇が教師にはあるとかつては言われましたが、最近は世間の目も厳しくなって無理矢理にでも補習、補講授業を夏休みに開校しては出勤させられるようになって来ているそうです。
またタイムリーな事に先月友人と久々に母校の中学に毛沢東Tシャツを着て行ってみたのですが、土曜にも関わらず職員室を覗くと知っている教師らはほぼ出揃っており、教師たちは土曜授業があろうとなかろうと変わらないんじゃないのかと改めて感じました。
そういう意味で今回の論者二人の言うように教師の休暇の取り方、休み方についてはもう少し考えるべきであり、予算的に可能であるならば本田氏の主張するように教員数を増やしてローテーションで休みを取れるような仕組みを作るのがいいかと思います。
最後に私の子供時代の話をすると、ちょうど私はこの土曜休日化の移行期に当たって学年が上がるごとに土曜日授業が減って行きました。しかし当時の私達小学生からしても、確かに土曜日が休みになってくれるのは満更ではなかったものの、午前中で授業が終わって午後に遊びに行けるというあの解放感はなかなか捨てがたい物があると子供ながらにみんなで言い合っていました。今の子供達は土曜の半ドン授業が復活したら、どう思うんだろう。
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