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2012年3月27日火曜日

孤立死報道について

 このところ孤立死に関する報道が非常に多くなっておりますが、ちょっと気になる点がいくつかあったので自分で調べてみました。一体どういう点が気になったのかというと、報道は異常に多くなっているのは事実だが、果てして本当に孤立死が増えているのかという点です。
 確か調べたのは内閣府のデータだったかと思いますが、結論から言うと確かに孤立死の件数は増えておりました。念のため高齢者人口の増加率などとも比較してみましたがこれを考慮しても有意な数字で伸びており、去年の震災で婚姻件数が増えたというデマとは違い、孤立死が増えているというのは確かな事実なようです。

 このように孤立死が増えているのは事実であることを踏まえた上で言うと、個人的にこの手の報道は非常に虫唾が走るというか気に入りません。こんなことをいちいち報じるくらいならもっと別の方面に人員を使えと言いたいです。この手の報道で何が気に入らないかというと、結局問題の投げっぱなしになることが多いからです。一番代表的なのは小中学校のいじめ問題で、これなんか周期的には大体5年に一回くらいのペースで大きく取り上げられては半年くらいで一旦止み、また次の周期を迎えると大きく取り上げられるといった具合で、騒ぐだけ騒いで全く改善に向かっておりません。さらに言えば、一昨年に流行った死亡届出を出さない年金詐欺の件はどうなったんだと言いたいです。
 多少気が早いようですが今回の孤立死に関する報道もどうも同じようなにおいが感じられ、というよりメディアは大きく騒いでは「もっと周辺地域との交流があれば」とか「民生委員を増やすべきだ」などと意見を上げていますが、なんていうかどれもこれも都合のいい意見ばかりで実現性や実効性という点で見たら胡散臭く感じます。

 確かにメディア側から言えばいくら問題性が高かろうとも、定期的に続報を出し続けことが難しいのはわかります。しかし一旦騒いではすぐ別の話題に切り替えることを延々とやっていると結局その社会問題は継続し続けることになりかねないので、それであれば今みたいにさもショッキングに、ヒステリックに報じるくらいなら、じんわりと淡々と報じ続けることの方がいいような気がします。ショッキングに報じれば確かに強い注目を浴びれるでしょうがその分人の記憶からも忘れ去られやすく、かつて「キレる17歳」と呼ばれた世代が今や「草食世代」とレッテルを張られてるおかしな現実にも気づけません。

 ただこういうことを書きながらも、このところ明確に改善が見られる社会問題もあります。もったいぶらずに言えばそれは児童虐待で、先日も一昨年に大阪で二児を放置死させた母親に懲役30年の実刑が下るなどこの問題に対する社会や司法の目は厳しくなってきており、勝手な予想ですが今後発生件数は徐々に減少していくのではないかという希望を持っております。この児童虐待もかねがね瞬間湯沸かし的な報道が非常に嫌でしたが、こうして虐待死させた親たちの裁判判決がきちんと続報として報じられるようになったのをみるとなんだか安心します。

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