2012年3月7日水曜日

プラモデルに見る技術力

 先程、同僚らと夕食をしている最中にふとしたことからプラモデルの話題に及びました。ちなみにこの席は男三人に女一人のテーブルでしたが、一度火が付いたら何とやらで女性をほっぽって男三人であれこれプラモのディテールについてなんかやけに熱く盛り上がってしまいました。なんていうか悪いことをした……。

 このプラモデルですが、私もご多分に漏れず他の一般の男の子同様に子供の頃はガンダムを中心によく作っておりました。一番最初は簡単に作れるSDガンダムで、その後小学校の高学年になると何故だか日本の城のプラモに凝りだし、姫路城を始め大阪城、松山城、安土城とかを確か作ってたかと思います。
 ただこうした趣味は中学生に入ると途端に熱が冷めて作らなくなったのですが、何故か一昨年のちょうど中国に行く直前辺りに車のプラモが急に作りたくなり、アマゾンで頭文字Dの岩瀬恭子乗っている黒いRX-7を購入して作ったのをきっかけに、立て続けにランサーエボリューション5、初期型インプレッサWRX-STIなどを一気に作ってしまいました。次に作るとしたらFTOかコペンだろうな。

 こうしたプラモ製作で何がいいのかというと、作っている最中の脳の思考が完全に指先と一致するのが快感です。これは昔に読んだ論文の引用ですが、人間は普段生活する上で複数の内容を思考しながら行動することが多く、たとえば横断歩道を渡る際は信号を気にしつつ右足から踏み出しなおかつ手荷物があればそちらにも気を配るという、このように同時並行で複数の処理をするのが当たり前です。
 これがプラモ製作、まぁこれに限らず料理とか裁縫とかでもそうですけど、これらの作業は指先の動き=脳の思考というくらいに完全に全神経が集中するため、人によっては凄いリラックスできるようです。さすがに子供の頃はこんなこと考えませんでしたが、成人後にプラモを作っているとなるほどと思うことが多く、なにか一点にだけ集中するのがすごい気持ちがいいです。

 話は変わりますが以前にうちの親父がプラモ製作について、「これが日本の技術力を生んだんや」と言っていました。その心というのも子供の頃からこうした手先のいる作業に慣れ親しむことで、複雑な工程にも対応できる人材が育ち世界に誇る技術力が生まれたというものなのですが、あながち嘘ではないんじゃないかと私も思います。私自身も車のプラモを作っている最中に、「ああシャシーってこういう構造してるんだ」とか、外から見るだけでは絶対に思うことのない感想を持ちますし、指先もやるのとやらないのとでは明らかに反応が変わってきます。ここだけの話、最初のRX-7を作った時とインプを作った時ではシール貼りとか精度が段違いでした。
 そんな陰で日本の技術を支えたプラモ業界ですが、昨今の少子化の影響からかやはり売上げとかが落ちているそうです。プラモ屋自体が減ってきていますし地元の友人とも、

「昔はあそこのプラモ屋によく通ってたんだけどなぁ」
「あそこで俺の兄貴もバイトしてたんだよなぁ」

 とかいう会話に時たまなったりします。
 実際のところ最近でプラモを買おうと思っても専門店はもうほとんどないため、アマゾンで買うかヨドバシカメラなど家電小売店で買うしかありません。日本の技術力向上のためにも、こうした小売店にはぜひ頑張ってもらいたいと思う次第です。

  おまけ
 これは余談ですが、太平洋戦争中に日米はお互い必死で軍艦を作り続けましたが、アメリカは同じ設計の軍艦を規格大量生産の如く何隻も作ったのに対し、日本海軍は何を思ったのか効率性を全く無視して一艦ごとに設計が異なった軍艦を作ってました。普通に、あくまで常識的に考えれば同じ用途に使う船だったら部品の共通化とか生産工程の面で同じ設計の船を作った方がいいとわかるはずなのに、こんな調子だから戦争にも負けたんだと真面目に思います。
 ただこうした日本海軍の無駄な努力は戦後になって実を結んだというべきか、半藤一利氏の対談本で書かれてましたが「結局得をしたのは、何十種類も商品をそろえることが出来たプラモ屋だ」と結ばれてました。

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