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2012年6月21日木曜日

SNSを使ったマーケティングに効果はあるのか

 私事ですがこの約一ヶ月、中国版ツイッターこと「微博(ウェイボー)」を使って中国市場マーケティングを展開するという日系のコンサルティングなり広告会社のリリースが非常に多く、私一人でも十本くらい記事書いている気がします。どれも同じような内容ばかりではっきり言わせてもらえばもううんざりで、昨日なんか同僚に向かって、「俺はもうこんなの書きたくないんだよ(#゚Д゚) プンスコ!」とまで漏らしてしまいました。
 それはともかくこの微博ですが、中国は人口が馬鹿みたいに多いだけあって利用人口は確かに非常に多いです。日本のツイッター、ひいてはフェイスブック利用者数なんて比べ物にならないくらいなのですが、ちょっと前にこのウェイボーを取り上げて気になった記事が一つありました。

SNSでファン層を拡大~中国版Twitter“ウェイボー”活用法(オリジナルコンフィデンス)

 中身は微博を大雑把に紹介している記事なのですが、「日本人では、元サッカー選手の中田英寿のフォロワー数が最も多いが~」と書かれているところがやけに気になりました。というのも日本人アカウントのフォロワー数で言ったら今や中国で最も有名な日本人と言っても差し支えない、AV女優の蒼井そら以外には私は考えられません。ちょこっと検索してみたら既にフォロワー数が1200万人を超えているそうですし、蒼井そらを無視して日本で微博を語るなんて語るに落ちたところでしょう。

 いつもの如く話が脱線しておりますがそろそろ本題に戻ります。最初に書いたようにこのところいろんな日系企業が中国に進出している日系企業向けに微博を使ったマーケティングサービスを始めるとか、引用した上の記事のようにこれから中国市場を攻める上で微博を無視することなんて考えられないという話を本当にこのところ見ます。こんな風に書いているからもうわかるでしょうが、私はこういった微博礼賛、というより微博やツイッター、フェイスブックなどといったSNSを使って企業がマーケティングすることに対し、そもそも効果があるのか強い疑問を感じています。もう言い切ってしまうとどう見たって効果があるようには思えず、こんなのにムダ金使うくらいなら地道に展示会とか即売会する方がよっぽと価値がある気がします。

 一体何故SNSのマーケティングに疑問を持っているのかというと、単純に成功例をほとんど聞いたことがないからです。それこそツイッターとかフェイスブックでの発信を契機にある商品が爆発的に売れたとか、海外市場で知名度が大きく向上した、ブランド価値を持つようになったという話は日本企業のみならず米国や中国の会社ですら聞いたことはなく、あるというのなら是非とも教えてほしいくらいです。もっともこう言いながらただ一件だけ、ツイッターの投稿文があまりにも悲し過ぎるということから注目を集め、来客数が急増して2号店設立にまで至ったネパールカレー屋「だいすき日本」の成功例(?)は存在しますが、比較的規模が大きな企業でフェイスブックを始めたことによってどれだけ売り上げが伸びたとか、実際の商品購入に結び付いたとかいう話は皆無に近いでしょう。

 またこのSNSを使ったマーケティングの効果や必要性を声高に主張しているのが、私個人の主観ですがどうもコンサルティングと広告会社しかいないような気がして、さも効果があるように見せかけて商売してるんじゃないかと疑ってます。それこそミクシが流行った数年前も、「就職活動を行う学生にとって必須となりつつある」とかいう、今の微博やフェイスブックと同じような宣伝文句が盛んにあちこちで言われてた気がします。なんていうか、これこそが業界ぐるみのステルスマーケティングなんじゃないかというのが私の感想です。

 念のため付け加えておきますが、私はSNSがくだらないものだとは思っていません。それこそ芸能人にとっては今や必須のツールとなっておりますし、私はあまり使いませんが一般個人でも友人間で連絡を取り合うにはうってつけだと思います。ただそう考えるにつけ、このSNSというのは個人が使うから価値が出るのであって、企業や団体が使うにはあまり向いていない代物なのではないかという気もします。それこそ本気でSNSを使って商品を売り込むというのなら、有名人とかに依頼してその商品の情報をたくさん発信してもらうという、まんまステルスマーケティングをする以外ほかないんじゃないかと思えます。

 なんだか今日はやけに逆説で文章つなげることが多いですが、最初に微博関連の記事はもううんざりだとか言っておきながら、自分が記事書いた中で、「ここはなかなか面白い」と思った会社が一社だけありました。会社名はわざわざ挙げませんがそこも微博を使ったマーケティングサービスを請け負うという会社でしたが、主なターゲットとしている客層は日本の全国自治体で、各地の観光促進につなげたいと社長が言っていました。企業が商品を売り込むのには向いているとは思いませんが、こと観光産業であれば地道な情報発信が大事だと思えるし、SNSを使う価値があるのではと話を聞いてて感じました。その社長は、「自分で言うのもなんだが、日本人で微博のことなら自分が一番知り尽くしている」と自負してましたが、ほかの会社と違って着眼点というか発信する価値観では確かな違いを覚え、気持ち分だけ応援するような感じで記事を書きました。

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