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2012年6月14日木曜日

ストレスに対する人間の心理行動

 先日訪問したある会社から、ストレスに対する人間の心理行動というのは決して1種類じゃないという話を聞きました。その人曰くストレスに直面した際に人間は、そのストレスの発生源となる問題を解決しようと動こうとするのと、その問題は大したものじゃない考えてストレスを軽減しようするのとで、大別して2種類に分かれるそうです。問題解決に取り組みつつストレス負担を下げるといった具合に、両方一緒にできるというのがベストだそうですが、日本人はどちらかというと問題解決にひたすら取り組もうとするところがあって、ストレス負担を高めてしまう傾向があるそうです。逆に中国人なんかはあまり大きな問題と取らずにストレス負担を小さくするのはうまいものの、問題解決をなかなか行おうとせずに長期にわたってストレスにさらされる傾向があるとのことです。

 なかなか話を聞いてみると面白い内容で、確かにストレスに対する対応というのは人それぞれ異なる気がします。私などはまさに典型的な日本人パターンで、何か問題が起こるとすぐに処理したがり、逆に即座に処理できなければ不安で仕方がなくなって参ってしまうことが多いです。今すぐ思い当たるのだと、去年にシチズンの時計が壊れた際になかなか修理することができなくて、なんか途中で泣き出したりしましたし……。
 そういう意味では日本人が苦手とする、問題をそれほど深刻に考えないという心理行動はまさに大事なもののように感じます。ちょっと古いですが以前に渡辺淳一氏が「鈍感力」という本を出して物事を必要以上に真剣に感じない能力、また過剰な敏感さや繊細さを捨てる努力の必要性を訴えましたが、友人も絶賛してたようにもっとこの言葉が普及するべきだと私も思います。

 ただこの「鈍感力」という本を書いた後で渡辺氏は、「周囲に求められているにもかかわらず全く適切な対応ができなかった安倍首相(当時)は鈍感なだけだ」と批判し、必要なものを感じ取れないことについては問題だという見方をしていました。折角安倍元首相に登場願ったんだからもう少し政治の話をすると、今増税議論で盛り上がっていますが、本来ならばこの議論は十年前にやっておかなければならなかった議論であります。もちろん今のうちにやっておくに越したことはありませんが、この十年間、日本の政治は対処すべき課題、行うべき改善策というのは割とはっきりしていましたが、どの政治家もやろうとしなかったというか国民も敢えて目を閉じていたようなところがあります。早く処理すればそれで言い訳ではありませんが、問題を先送りしてきた付けというのがまさに今の世の中で、そういう意味では日本人も中国人と同じストレスの処理方法をしているのかもしれません。

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