大分以前にも同じ内容で記事を書いておりますが、中国での転職を考えている人にとって有益な情報を出せるのではないかと思うので、改めて注意事項などを加えて書くことにします。
まず中国での働き方というか雇用方法は二種類あり、一つは企業に日本で採用されて中国法人に派遣される駐在方式、もう一つは現地の中国法人か中国企業に直接雇用される現地採用方式です。
どっちがいいかと言ったら言うまでもなく駐在方式で、給与は日本水準であるだけでなく会社によっては家賃補助、果てには駐在手当なども手厚く出ます。ただ駐在方式は基本的に「元からいる従業員」に充てられるため、転職してこの方式で中国に送ってもらうには以前に実績でもないとあまり可能性はないでしょう。
一方、我らが現地採用方式では給与は中国水準。私が転職した頃などは初任月給8000元(1元=14円で換算したら12万円)がベースとなっており、これより高いか安いかが交渉材料となっておりましたが、現在もあまり変わってないように思えます。でもって家賃補助、駐在手当なんておいしいものはまずなくて、海外保険も自己負担であるケースが多く、あるとしたら年に一回だけ日本への一時帰国チケットを会社が負担してくれるくらいです。ただ給与が安い分、現地採用方式は募集数が多いので希望の職種が見つけやすいという利点と、単純に中国で仕事してみたいならまず確実に入り込むことが出来ます。言うまでもないですが、私の雇用形態はこの現地採用方式でした。
では具体的に、どうすれば中国での仕事をGETできるのか。駐在方式であれば日本の転職サイトで探すほかありませんが、現地採用方式であれば現地の人材紹介会社に登録するのが近道です。現在、中国各地では既に日系を含む人材紹介会社が多数進出しており、「中国 転職」とでも検索すればたくさんヒットするので、複数の会社に登録すれば何かしら当たるでしょう。たまに別々の人材会社から同じ会社の紹介が来るのが鬱陶しいですが。
紹介を受けた後、面接は基本的に現地で行います。ごく少数ではありますが日本の本社で面接して現地採用として中国に送る会社もありますが、いろんな会社を受けたいというのであれば、あらかじめ面接日程を組んだ上で中国に渡航するといいでしょう。中国に渡航する場合、滞在日数が15日以内であればノービザでOKですが、これ以上となる場合はビザが必要となるので観光ビザを申請・取得する必要があります。
ただこうやって実際に中国での仕事を求めて転職活動をする前に、いくつか確認すべき注意点があります。一つは、言うまでもないですけど具体的なビジョン。もう一つは日本での正社員での勤続年数です。
昔は違ったのですが、中国も増え続ける外国人労働者によって国内の雇用が減少する恐れから労働ビザ(Zビザ)を発行するに当たりいろいろと条件を出すようになってきております。具体的には、
1、中国語の会話能力があるのか
2、四年制大学を卒業しているか
3、特定の仕事を行える技術・知識を有するか
このうち最初の中国語の会話能力はあまり突っ込まれることはありませんが、2番目はビザ申請時に卒業証書の提出がほぼ義務付けられます。そして3番目の点ですがこれが一番重要で、はっきりと書けば日本で正社員として2年間働いた実務経験がないとほぼ突っぱねられます。会社の総務によっては2年間でなくても力技(コネ)で無理矢理にZビザを発給させてのけますが、2年間の経験があるかないかは中国での転職に当たって非常に重要です。そのため過去に実務経験があるなら話は別ですが、中国での留学を終えてそのまま現地で就職みたいな話は現実にはあまりありません。今現在、日本では新卒で正社員となることが難しい時代ですが、だからと言っていきなり中国に行ってもZビザは発給され辛いので気を付ける必要があります。
最後に自分のケースについて少し感傷を入れて話しますが、別に隠してたわけじゃないですが中国に渡った時の年齢は26歳でした。日本での正社員経験は2年半あり、四大を卒業してなおかつ中国での1年の留学経験もあったことからZビザ発給では何も障害はありませんでした。
中国に渡った当初、中には新卒で駐在や出張で来ている人間もいるのだろうし26歳という年齢では出遅れたという劣等感があったのですが、いざ実際に渡ってみると20代で中国で働いている日本人は思ったよりいませんでした。大学の校友会でも最年少の部類に入っていましたし、やはり来ている日本人のメインは40歳前後で30代前半も多いとは言えません。おまけに仕事で取材に赴くと、やっぱり若いことから「どういう経緯で来たの?」と質問される回数も多かった気がします。
周囲から言われている間はそれほど気にしなかったものの自分が上から見下ろす立場というか、同じ会社に26歳の後輩が入ってきてからは「こんな若くて頼りなさそうのに大丈夫なのか(;゚Д゚)」と思うようになり、おいおいお前もその年齢で中国に来たんじゃねぇかと自分でツッコミ入れるようになりました。
ややまとまりのない締め方ですが、これから中国での転職を考える人に言いたいのは「必要以上に焦る必要はない」という一点です。30代になってから来るのであっても決して遅いわけじゃないのですから、自分みたいに色んなものを犠牲にしてくることはないと言いたいです。海外にいた結果、自分も祖母の葬式には行けませんでしたし、両親の死に目に間に合わなかった人もたくさん見ています。あらゆることを考慮した上で、海外転職は考えるべきでしょう。
2 件のコメント:
小生に補足させて頂きたく、上海にいる日本人数はすでにover demandですので、競争が激しく給料も高くないと思われます。一方、合肥や西安等の地方都市では、日本人がかなり求められており、就職チャンスが多いと言えます。皆さん、「北上広」(北京、上海、広州)以外の勤務先は如何?
実際そうだよね。上海周辺なら日本人が掃いて捨てるほどいるし、ある意味でいい時期に自分も渡ったのかもしれない。
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