昨日たまたまニュース番組の今年のおさらいみたいなのを見ていた際、私も記事にして随分とアクセス数を稼がせてもらった阪急阪神ホールディングの発表に端を発した食品表示偽装事件が目に入りました。漫画喫茶行って変にテンション上がっていたからかもしれませんが、その映像を見た際にこの表示偽装事件を始めとした諸々の表示違反、過大広告こそがデフレの真の原因じゃないかなということを思いつきました。内容が少し複雑なので、今日は手加減抜きにして書かないとなぁ。
まず私の体験からお話ししますが、つい今月になって自分が持っているのは2013年度の最新版ではなくオールドタイプな2012年度モデルだということに気が付いたNexus7(タブレットPC)ですが、私はこれまでこのNexus7に革製のカバーを付けて使っていました。付けた理由はそんな大したもんじゃないですが裸にしておくよりは持ちやすそうだし、カバンの中に入れるのにもいいかなと考えたからで、長く使うことになりそうだしケチな自分にしては珍しく価格が高いカバーを敢えて選んで購入しました。それが間違いでした。
先日、年度モデルを確認しようとNexus7の型番を見るためかなり久々にこのカバーを外したわけなのですが、その際に裸の状態のNexus7が持ってていやに軽いような感じを覚えました。試しに外したカバーも手に持って比べてみると、明らかにNexus7本体よりもカバーのが重かったわけです。でもってこのカバー、持ちやすくするために買ったのに付けてみても持ちづらく、なおかつ背部に片手で持てるようバンドがついているのですがこのバンドも使い勝手が悪く、装着時の不自然な重さと相まって使い勝手の悪いカバーだったということにようやく気が付いたわけです。
正直な感想を述べるとなんでこんな使い勝手の悪いカバーを今まで使っていたんだと後悔するとともに、敢えて高い価格のカバーを買ったのにほかのカバーよりも質が劣るとはどういうこったとむかっ腹を覚えました。そしてその後に先ほど述べた食品偽装のニュースを見て、「高い価格を払ってもその価格に見合う価値が得られないのでは?むしろ低い価格の商品なりサービスのが高価格の質を上回っていることが多いのでは?」と覚え、もしやこれがデフレの一因ではないかと思いついたわけです。
デフレについての説明は省略しますが、リーマンショック以後、いやそれ以前から続く平成不況の最大の原因はこのデフレと言って過言ではありません。デフレによって何が起こるか端的に述べると価格が全体で下がっていくことにあり、これによって高価格帯の高級商品なりサービスの需要が落ちて現象が見られます。この高価格帯の需要減少が実際に起きているのか一発でわかるのは百貨店業界の不振で、ここを見るだけでどれだけ日本人が高級品や高級サービスを求めなくなったのが誰だってわかるでしょう。
それでここからが話の本題ですが、一体何故日本人は高級品や高級サービスを求めなくなったのでしょうか。平均賃金が落ちてきたとか年金など将来の社会保障への不安などももちろんあるでしょうが、そもそも高価格の商品やサービスが価格に見合うだけの価値を持っていないことに消費者は気付き、これら高価格帯に対して強い不信感を持っているのでは、という仮説が昨日に浮かんできました。
もう一度先程のNexus7用のカバーを例にとると、私はいい品質を求めて敢えて高い価格のカバーを購入しましたが、蓋を開けてみると明らかに二束三文で売っているようなカバーよりも使い勝手が悪かったわけで損した気持ちにさせられたわけです。そして今度は各高級ホテルやレストランで行われていたことが発覚したメニューの表示偽装事件ですが、この事件でも訪れたお客は高いお金を払ってでもおいしい食事を求めたところ、出された料理は表示されたものより明らかにグレードの劣る材料で作られていたわけだったので問題となりました。
このように高い価格を払っても、その価格を上積んだほどの上質な価値が得られないということが実際に起きており、でもって日本の消費者も意識はしていなくてもなんどなく気がついているように見えます。何も食品の表示問題に限らずともその他様々な商品で、実際の性能や品質以上の価値を謳う表示偽装や過剰広告がばれるという事件は近年枚挙に暇がありません。それこそかつて起きた高級料亭の船場吉兆の事件でも、高い値段を取っておきながら食品衛生管理すらまともにできていない調理をしておりましたし、今回の食品表示事件でも高品質なブランドを謳っておきながら平気で消費者をだましていたわけです。
もちろん高い値段は取るけどそれだけの価値をきちんと消費者に与えているところもあるでしょうが、全体としてはやっぱり高価格帯の商品やサービスはその価格の裏付けがあまりなく、安いものとそれほどの差がないという風に消費者はみなしているんじゃないかと思います。要するに、高いものも安いものも中身は一緒なんだったら安いのを買った方がいい、こんな境地に至っているのではないかと推測するわけです。
私自身もそのように感じる機会がこのところ非常に多く、やや値段が高めの飲食店に立ち寄って食事したら、「この値段でこの味?」と感じたり、様々なサポートが必要になるかもしれないと将来性を見越し敢えてサービス料金が高めのサーバー会社と契約したら理解しがたい対応されたり(後日詳しい顛末を書きます)と、高い価格の商品やサービスほどその内容にがっかりさせられることの方が多いです。逆に安い価格の商品やサービスは、「安いんだからぜいたくは言えない」と初めから構えてはいるものの、想定以上に活躍してくれたり使い勝手が良かったりして満足する機会が本当に増えています。
最終的な結論を述べると、高価格帯の商品やサービスに魅力が感じられないどころか高い価格に見合った価値を消費者に提供できていない、または費用対効果でその価値を認めてもらってないというのが今の日本の現状じゃないかと主張したいわけです。だからこそみんなして高価格帯の商品やサービスを避けるようになり、それがデフレを加速させた一つの要因になっているというのが私の仮説となります。
こう主張した上で敢えて苦言を呈すと、誰が悪いかといったら明らかに高価格帯の商品やサービスを取り扱っているのにそれに見合う価値を提供できてない業者の側だと私は思います。少なくとも私の目から見てこの手の業者の多くは高い値段を取るくせに全然消費者を満足させておらず、挙句には表示偽装などずるこいてせせこましく金をとる真似までしており、こうした行為が消費者の高価格帯への不信を煽っているように見えます。
最後に私が今年にお金を払って一番満足したものを挙げると、下にはっつけた広告バナーに表示されている三菱電機製ふとん乾燥機です。以前に、「ふとん乾燥機を持ってない奴は凄い損している」とネットの掲示板に書かれていたので前から興味があって今年十月に買ってみましたが、夜中だろうと布団を外に干したようにポカポカにできるし、寝る前にちょこっと布団を温めたりも出来たりと大活躍中です。独身の人間には強くお勧めします。
2 件のコメント:
低価格商品全体の質の向上も高価格商品の不振の一つだと思います。昔は1流と3流の差が大きく、
価格差が品質差となっていました。 でも今はその品質差が少なくなりました。 例えばテレビでは
日本国内で売られているものなら、どのメーカーのものを買ってもとりあえず見られる事が出来ます。
発色が明らかにおかしかったり、いきなりヒューズがとんで映らなくなることは無いです。画質も、
技術者や画質マニアでなければ気にも留めない、そういうレベルまで低価格商品の質が上がって
来ました。 ファミレスやビジネスホテル等の低価格サービスにおいても、トイレはきれいで清潔感
のあるものになりました。
昔のアニメで、ガンダムの時のシャアは強かったけれどもZガンダムの時になると、MS戦闘の訓練
が普及し、対MS戦闘の方法が確立し、敵パイロットの全体的な強さが向上しました。 そのため
Zガンダムでのシャアは敵全体が強くなったため、昔のような強さを発揮できなくなりました。
最後にバラエティー番組で、芸能人格付けチェックというものがありまして、1流芸能人が、
1流品と3流品の見分けがつかず、3流品を1流品と思い込んでしまうというところに笑いが発生
します。
しかし、よく考えてみれば、芸能人は3流品を1流品だと思い込んでいるわけです。しかも両方
を目の前にして比較しているのにです。3流品と区別のつかない1流品の価値っていったい
何なんだろうなと思いました。
いやはや、自分のいいたい内容を見事に理解してくれて本当にありがとうございます。この記事は連続5時間くらい作業した後に書いたので後から読んでみると読み辛い出来となってしまっていただけに、こうして見事な感想をいただけて感無量です。
おっしゃる通りに、一流品の価値が下がった(トップダウン)一方で三りゅひんの価値が上がった(ボトムアップ)ことも今回取り上げた現象の大きな要因、というよりもボトムアップの方が割合的にでかいかもしれません。それにしても一年戦争時とグリプス戦争時のシャアのMS技術を例に持ってくるとは、わかる人には本当にわかりやすい例えです。確かにZガンダムの頃のシャアって負けるシーンばっかで戦闘時はいやに頼りなかったなぁ(´・ω・)
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