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2015年8月25日火曜日

軽自動車の仁義なきパクリ戦争

 最近見る機会減っているけど私は相撲観戦が趣味で、好きな力士のタイプは軽量級だったりします。何気に一番好きだったのは安馬時代の日馬富士でした……。
 それと関連あるかどうかはわかりませんが、車も実は軽自動車が好きだったりします。元々体格が小柄ということもあり大きな得物をぶん回すよりも体格に合ったものをフィットさせて使うという思想を持ち合わせており、なるべくコンパクトで必要以上な物を取っ払うという概念でもってこういう嗜好が出てきたのでしょう。

 ただそうした私個人の好みを置いても、日本の軽自動車は芸術品といっていい代物だと思います。機械などの設計をやってみればわかりますが、単純に図体の大きいものは簡単に設計できますが、軽自動車の様に車体が小さいものだとどの装備をどのように配置するのか、もう少し大きければあれこれ詰められるのにというジレンマに悩まされます。
 ちなみに私自身は設計をしたことありませんが、軍艦を自ら設計して戦う「ウォーシップガンナー2」というゲームでこの手のジレンマを存分に味わいました。その分、苦労して作った駆逐艦で戦うのは格別だったりします。

 話は戻りますが、単純に大きな車よりも小さな車を作る方が意外と作業は難しいです。米GMなんかその辺がはっきりしていて、恐らく設計能力がないせいでしょうか無駄に車体がでかく燃費も悪かったりします。でもって故障も多いと三重苦。
 それに対して近年んの日本の軽自動車はあんな小さな車体によくもまぁこれだけ装備を詰め込められるもんだと呆れるくらいに充実しており、変な話ですがもっと値段高くてもいいのではと思う時すらあります。まぁ数でるから部品代も安くなるってメリットもあるのですが。

 そんな日本の軽自動車メーカーときたらダイハツとスズキ、そして近年急速にシェアを高めたホンダの三社です。でもってこの前個人的に気になったのがダイハツが新たに出してきた「ウェイク」という車なのですが、この車の何がすごいかって、スズキのヒット車である「ハスラー」のデザインをまんまパクっているという点です。実際に両車のページで比較してもらいたいのですが、後発のウェイクに至っては広告サイトでのメインカラーまでカーキ色にしてハスラーと合わせるという手の入れ込みっぷりで、なんていうかほかのカラーパターンまでそっくりです。

 これだけ見るとさもダイハツがひどい会社のように見えますが、スズキもスズキで過去にパクっています。そのパクリ車両というのも「スペーシア」で、これはスライドドアからボディラインまでダイハツのヒット車両である「タント」にクリソツです。っていうかフロントデザインに至っては確実にどっちがどっちなのか見間違えるくらい似せられています。
 さらにスペーシアの何が凄いかって、ハイグレードモデルとして「スペーシア・カスタム」という、「タント・カスタム」を彷彿させるようなデザインとネーミングの車も一緒に販売しているっていうことです。っていうかお互い露骨過ぎるだろう。

 大手新聞メディアなんか上品だからこういうこと書かないけど、「ベストカー」を筆頭とするカー雑誌なんかはこういう新車が出る度に、「あれっ、どっかで見たような?」という見出しと共に紹介するのが常です。なもんだから恐らく業界関係者の間でも、「パクられたらパクリ返す」、「売れてる車をこぞってパクろう」という言葉が暗黙の了解の様になっているのでしょう。

 こうした軽自動車トップ二社の姿勢について私から一言述べると、軽自動車業界ならこれはこれでアリだという気がします。というのも軽自動車は利便性と低価格が何よりも追及される乗用車カテゴリーで、妙なブランド価値にこだわるくらいなら安くて乗りやすくて乗りたくなる車を作って売る方がメーカーにとっても消費者にとってもプラスだと思えるからです。カーデザインには流行り廃りがありますが流行っている形を追おうとするなら大体似たようなものが出来るのがオチで、それだったらまんま似せちゃうというのも一つの回答でしょう。

 ただこれは軽自動車だから言えることであって、普通の一般乗用車ではやっぱりパクリは駄目です。一般乗用車は利便性もさることながらプレミアムな価値観も同時に追求しなければならず、やはりメーカー独自の味というかこだわりを捨て去って安易な模倣に走れば消費者も案外見ていて、一時的には利益上げても長期的には見切られてしまうと思えます。
 逆に言えばデザインにこだわるということは利便性を犠牲にすること同義であって、実際に燃費とかのことを考えるとデザインへのこだわりはマイナスに働くことの方が多いです。まぁそこをどう料理するかっていうのが本来の腕の見せどころなのですが、そういうのがちゃんとできているのは今の所マツダくらいかな。

 なお軽自動車のパクリ戦争が始まったのは何も最近ではなく、歴史を辿ると三菱自動車が「トッポ」というトールワゴンの軽自動車を出したことによってどこもこぞって車高を高くして、現在ではこの形が一種のスタンダードになっています。三菱も一時期は軽自動車業界の雄でしたが、最近は前述の三社に大きく水空けられててちょっと立場ないのが残念です。

 最後に私のカーデザインの好みを話すと、一番デザインが好きなのは昔にも一回書きましたがダイハツが以前に出していた「ストーリア」の初期型で、シンプルイズベストを極めた究極の形だと評価しています。尖がったデザインだったら三菱の「FTO」、ランエボだったら須藤京一が乗っていた「エボⅢ」が好きです。
ヽ(*゚д゚)ノ カイバー

2 件のコメント:

上海熊 さんのコメント...

中国の自動車メーカーの軽自動車についても書いて欲しいです(確かチェリーのQQとかあったような)

やたらデカい物好きが多い国で小型車が売れるかどうか分かりませんが。

花園祐 さんのコメント...

 上海熊様、コメントありがとうございます。
 あんまり詳しくないですが特に書くネタないのでこのネタで次回記事書いてみます。