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2015年12月10日木曜日

朝日新聞の行き過ぎな配慮

 今日たまたまですが目に留まった記事に、ニュース内容をぼかすあまりに本来の事件内容を誤解させかねないひどい記事を見かけました。

居眠り女性を盗撮し投稿 女子生徒を侮辱容疑で書類送検(朝日新聞)

 上記リンク先がその朝日新聞の記事ですが最初にこれを読んだ際、「電車で居眠りしている女性を無断撮影してネットに上げるのは悪趣味と言えば悪趣味だが、書類送検するほどのものなのか?」と、撮影した女子高生に対してやや大袈裟すぎる対応ではないかと違和感を覚えました。考えられることとしては撮影された側がプライバシーの侵害などで過剰に反応したか、もしくは何かほかに取られてはいけないもの、具体的には下着などが映り込んでいたのかもなどといった考えがいくつかよぎったもののどれも確証は得られず、なんとなく消化不良のような気持ちを抱えたまま一旦は記事を閉じました。
 そしたらそうした不満が何かに結び付いたのかもしれませんが、真相をちゃんと伝える記事にすぐ巡り合いました。

「笑いネタにしたい」障害女性の居眠り姿投稿 侮辱容疑で17歳女子高生を書類送検(産経新聞)

 こちらの記事を読んでようやく得心しましたが、書類送検された女子高生は障害を持った方を撮影した上、嘲笑うかのようにしてネットにアップしていたようです。もちろん、事がこうであるのであれば書類送検もやむなしだと私も納得がいきます。

 逆を言えばどうして朝日新聞はあんな風に記事を書いたのか、こっちの方が今度は気になってきます。恐らく「障害」という言葉を使いたくなかったためああいう書き方を取ったのだと思いますが、事件内容からするとこの場合は絶対外してはならない、というより外してしまったら事実からむしろ遠ざかる記事になってしまう類のものだったと私には思えます。実際に私も撮影された側が過剰な反応を取ったのではと想像してしまいましたし、こんな風に書くのであればこのニュースに関しては一切記事を書かずノータッチにした方が良かったのではという気すらします。

 障害者に対する表現は確かに慎重を期すものでありますが、だからと言って障害という言葉を使ってはならないというわけではありません。そこに存在するものが存在など無いように書くことはかえって失礼に当たるのではないかと私には思え、事実は事実として書いた上で、偏見を産まぬような報道を意識し続けることこそが肝要でしょう。
 今回の朝日新聞の記事に関しては明らかに行き過ぎな配慮が見られ、事実を歪めかねない性質を含んでいると思うだけにこの場で強く批判したいと思います。

1 件のコメント:

上海忍者 さんのコメント...

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