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2019年1月16日水曜日
やる気の高い人ほどよく辞める
今日は会社を休んで上のホーネットを作っていました。こう書くと語弊があるように聞こえますが、ホーネットを作るために会社を休んだわけではありません。
なおニッパーが壊れたので買い換えたらやけに高い(3000円くらい)もの選んじゃいましたが、これがよく切れるニッパーだったので割と満足です。一方、こちらのホーネットはタミヤブランドですが作っているのはイタレリというOEM品で、パーツが各所で合わず作ってる間結構ストレス溜まりました。また今使っている接着剤はオレンジの香りするという奴ですが、これがまたなかなか接着せずにストレス溜まり、Amazonのレビュー見て「おお同士よ……」と納得してました。次回はまた普通の接着剤を買いなおすことにします。
・「潰れない海外駐在員」の意外な特徴とは(JBpress)
そんなわけで自分の記事解説ですが、まずヤフコメみて、「案外読めない人多いんだな」と率直に思いました。一方、NewsPicksを見ると、一発目で正解叩き出す人がいて、やっぱりこっちの方が読者レベル高いなとつくづく感じます。
正解とか一体何のことかというと、今回の記事は露骨に裏テーマを用意して書いた記事です。表テーマとしては「海外駐在勤務で潰れないタイプ」の紹介ですが、真のテーマは「やる気の高い人間、特に新卒採用時には要注意」という内容でした。
今回のこの記事では海外駐在に強いというか向いているタイプとして、一に体力で語学は二の次、でもって宗教やってる人は圧倒的に強いというわかりやすい内容を提示しておりますが、本当のポイントは真ん中あたりにある、「駐在勤務に高いやる気と意欲を持ってやってきた人ほど早く潰れる」というポイントです。
この傾向は私自身がこれまで駐在員を実際に見てきて感じたものでありますが、それ以上に記事中でも少し触れている理論は私自身が自己流で分析したものです。そしてこの分析は、駐在員というよりも新卒採用社員を見て弾き出したものです。
一体どういう分析かというとまず結論としては「やる気の高い人ほど早く辞める(駐在勤務で潰れる)」で、そしてその原因はというと、「理想が高すぎてプラス面しか見ていない人は、そのままマイナス面を把握しないまま現実に直面すると高いストレスを受けるため」であると主張しています。
海外駐在の場合ですと、この赴任をキャリアアップのチャンスだとか世界を股にかけるサラリーマンなどばかりに着目するやる気の高い人は、実際の海外勤務での苦労や課題、問題点を見落とす、または過小評価して赴任してしまい、実際に着任後にこれら現実とぶつかると想定外のダメージを食らうこととなります。
逆にというか、会社に無理くり海外赴任させられたやる気のない人は初めからその赴任に対して期待とかそういうものは抱いておらず、やる気のある人とは逆に海外駐在のマイナス面ばかりに目を向けがちです。そのため現地で問題にぶつかっていてもある程度覚悟が出来ている、うまい人なんかはあらかじめ対策を立てており、いわば想定内の課題として受け止めるため想定外だった人と比べると受けるストレスは必然的に低くなります。そして逆にプラス面(中国だと大体女絡みですが)にぶつかると、「こんないい面もあったんだ!」とばかりに想定外のボーナスもらうような感じで、通常よりポジティブに、はっきり言えばやる気のあった人よりもずっとプラスに捉えます。
探せばありそうですが上記のような心理反応について統計こそ持ってないものの、経験則として、また実感としてもこうした現象は頻繁にどこでも見られると確信しています。海外駐在の場合だとより顕著にみられるのですが、それ以上に顕著に見られるのは、冒頭でも述べたように新卒採用です。
実際にというか、入社前にやる気の高かった人間ほどすぐ離職するのをこれまで私は何度も見てきました。逆にというかやる気のない奴ほど苦しい現場でもやけに忍耐強く耐え、数年経ってしまえば「こんな会社に来るつもりなかったのに……」と言ってた奴ほどエースと化している光景が、割といろんな会社で見られます。
では何故新卒採用ほど上記現象がよく見られるのかというと、原因は大きく分けて二つあり、一つは企業側の情報公開における不作為にあります。具体的に言えば、従業員募集時に自社のプラス面やメリットばかり強調して、マイナス面をひた隠しにするという点です。「うちはダーティな職場です。弱者は容赦なく去ってもらいます」なんて言いながら募集をかける会社はないでしょうが、現実にはこんな会社はたくさんあります。でも絶対に言いませんし教えません。
ここまで激しいものでなくても、昇給が悪いとか問題のあるオーナーがいるとか、仕事に残業が多いとかいう事実はわざわざ応募者に説明はしないでしょう。しかしそうした事実は知らされずに、「アットホームでやる気次第でお金が増える職場だよ!」としか聞かされずに入ってきた新入社員はまさに「やる気のある人」となって入ってくるわけで、入社後に自分の知らなかった現実に直面することとなるわけです。
二番目の理由として、これは結構ガチな日本式採用の問題点ですが、総合職採用が多く取られている点も間違いなく原因でしょう。総合職というと聞こえはいいですが、実際には「何をやらせるか決めてないけどとりあえず頭数を揃えるための採用」というのが実態です。これによって何が起こるのかというと、本人がその会社で希望する仕事があったとしても入社後に別の仕事が割り振られることが十分起こりうるわけで、普通に考えてそうなったら十中八九やる気落ちるでしょう。ましてや、入社前にその希望職への情熱が高ければ高いほど。
また総合職採用の場合、理想だけじゃなく現実を見ようとしてもそれが空振りになる可能性もあるわけで、入職前のリサーチがほぼ役に立ちません。例えば営業の仕事の具体的内容や課題を把握して置いたら経理にされたり、入社後になってその後やる仕事が決められるのでリサーチのしようがないでしょう。この点で言っても、「仕事は何でもいいから、とりあえず安定した会社に入れればいいや」的なやる気のなさそうな人の方が長持ちしそうな感じがしないでしょうか。
以上二つの理由から、やる気の高い人ほど実は離職リスクが高いと私は見ています。しかしながら日系企業の採用、特に新卒採用ではコミュニケーション能力などという審査する連中が持っているのか妖しい能力とともに、本人のやる気の高さは高い評価ポイントとなりがちです。仮にやる気の高い応募者が具体的な仕事内容やマイナス面をきちんと把握しているのであればそれは確かに有力な採用候補と見ていいものの、理想ばかり見ていて現実が見えてなさそうな人であればむしその採用リスクは高いと私は思います。
それであれば、「他に行く宛てないから……」、「とりあえず何でもやります」という感じのやる気のなさそうな人の方がかえって安全でしょう。
以上を踏まえた上で新人採用に関して私からの提言を述べると、まずはやはり包み隠さず会社や仕事の情報をいい面も悪い面も公開すべきです。特に仕事における苦労や課題、問題点ははっきりと述べ、きつい仕事であればきつい、ムカつく上司がいるならいるとはっきりと教えておくべきです。これによって採用を辞退する人間が出る可能性もあるものの、騙して入れて離職されては元も子もなく、そもそも「離職リスク」というリスクを低減する努力をしっかり果たすべきでしょう。
次に、とりあえず頭数を揃えるという総合職採用は基本的に行わず、きちんと業種別採用をするべきです。またその際には業務内容を細かく細分化し、営業なら営業品目、新規開拓かルート営業か、護身術は必要か不要かなどと細かに明示することが大事でしょう。まぁこの点は経験者の中途採用なら、応募者が事前に仕事内容を把握しているためあまり問題にはなりませんが。
以上が、「「潰れない海外駐在員」の意外な特徴とは」の記事で本当に言おうとしていた内容です。駐在員をテーマにしているものの、むしろ真打はやる気のある新卒採用時のリスクで、NewsPicksでコメント書いている人のように、「これって新卒も当てはまるのでは?」と読んでて気づいてもらうのが本当の狙いでした。そのまま書いてしまうとつまんないし。
その上で、採用時の情報公開、総合職採用の弊害まで考えてもらえれば100点、それ以上何かを導き出せてたら100点オーバーという感じで出稿しました。
最後に改めて強調しておきたい点として、なさ過ぎたらそれはそれで問題ですが、やる気のない人間も必ずしもマイナスとは限らないということを訴えたい気持ちもあります。私自身、海外勤務や生活がしたいなんて昔、っていうか今でも内心そう思っていますが、だからこそこうやって潰れずにやってけてると思います。またその発展系としてもう一つ述べると、理想しか見ていない人に比べ、やる気がなさそうでも現実を直視している人の方が圧倒的に強いと常々考えており、「この世には夢も希望もなく、ただ辛い現実しかない」などという言葉を時折吹聴し、それを聞いた時の相手の顔や反応をたまに確かめています。
実際やってはいないけど、大学時代のある友人にこれ言ったら、「そんなの当り前じゃん」と即言い返されるだろうと思います。
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