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2019年3月28日木曜日

講談社元編集次長裁判の保釈→中止の決定について

東京高裁が保釈取り消し=妻殺害、一審実刑の講談社元編集次長(時事通信)

 個人的に上記の過程が少し気になりました。

 はじめに書いておくと、私は裁判過程やそのやり取り、開示された証拠などは閲覧しておらず、事件当初と第一審判決、そして今回の件に関する報道のみしか見ていませんが、その上で述べると上記の保釈→やっぱり中止という過程は日本の司法史上でも珍しい流れだと強く感じます。
 簡単に経緯をまとめると、自宅で妻を殺害したとして講談社社員(当時)の被告が殺人容疑で逮捕されたのですが、裁判ににて同被告は容疑を否定し、妻は自殺だったと主張しました。第一審では検察側の主張が認められて被告には懲役刑が課されたものの被告は控訴し、第二審(高裁)へと突入したところ、保釈金納付と一定の行動の制限付きで第一審を行った地裁から被告の保釈が本日発表されました。しかしこの発表が出された直後、っていうか今日、第二審を行う高裁は保釈を認めず、結果的には被告の保釈は中止となったわけです。

 敢えて言うとしたら、異例の上に異例が続いたとも言うべき状態です。そもそも殺人罪で勾留されている容疑者が保釈されるなんていうことはほぼなく、あるとしても足利事件や袴田事件など判決が一旦は確定したものの控訴審で冤罪がほぼ確実視されたケースくらいで、今回の事件のように二審の真っ最中でこうした判断が出ること自体は異例中の異例でしょう。
 その上で、そうして異例な保釈決定が有罪だと判決を下した地裁から出されたあと、審理中の高裁がストップをかけるというのも、法曹業界には詳しくないのでよくあるのかどうか実際にはわかりませんが、傍目には奇妙なやり取りのように思えます。特に何故地裁が今回保釈決定を出したのか、この辺の訴訟プロセスについて詳しい人がいたらぜひ教えてもらいたいくらいです。

 冒頭でも書いたように、この裁判についてはその過程や主張、証拠などを細かく見ていないので被告の容疑が真実であるかどうかについては私は判断しかねます。しかし今回の保釈決定、そして中止の流れに関しては異例というか明らかに通常とは異なっており、どうしてこのような流れとなったのか、そもそも地裁はどのような判断で保釈を認めたのかが気になります。
 また、何度も言うように真実を検証する材料は手元にないものの、仮にこの事件で冤罪の可能性があるとしたら、やはり注意深く見ていく必要があるでしょう。正直に語れば今回のこの異例すぎる地裁の判断を見て、この事件には冤罪と思しき理由や背景があったのではと私は思いました。無論、これは地裁の判断を見ただけのもので、証拠などを見ての判断ではありませんが。

 なお裁判絡みでいうと、以前というかかなり前に私が取り上げた大津の欠陥マンション訴訟の第二審で、最初の提訴から9年もの長き時間を経て裁判が結審し、来月4月12日に判決が出される予定とのことです。長くフォローしてきた案件でもあるのでこの判決には興味があり、その結果についても注目しています。

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