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2020年1月20日月曜日

キングダム記事の裏側

中国初の統一国家を形成した外国人宰相3人の偉業(JBpress)

 最近なんか自分の記事ばかり取り上げている気がしますが、例によって上の記事が今日配信されました。内容は秦の外国人宰相三人について簡単にまとめただけの記事です。

 なんでこの記事を書いたのかというと単純にネタに苦しみ、ありきたりな内容だけど、とりあえず漫画のキングダムに抱き着いとけば一定数の読者は確保できるという打算で書きました。割とこういう思いきりは好き。
 そのキングダム効果なのか、正直自分が想定していたよりはアクセスが良く、今は少し下がっているけど昼の時点でランキング5位にまで食い込み、意外にも健闘しました。てっきりトップテンからも外れると思ってたので、かなり想定外でした。

 少しだけ記事の背景についてもう少し触れると、これまでJBpressで歴史記事を何本も書いてきましたが、実はそれらはすべて日本史と後何故かフィンランド史で、中国史の記事は何気にこれが初めてだったりします。無論中国史が苦手というわけではなく、中国史が好きで中国に来たくらいなのだから書こうと思えばこれまでだっていくらでも書くことが出来ました。
 にもかかわらず何故これまで中国史記事を書かなかったのかというと、日本史と比べて中国史のファンは間口が狭く底が深い傾向があり、記事として出しづらかったというのが最大の理由です。

 これはどういうことかというと、日本史はマニアレベルももちろんいますが、浅い知識を持っている層も広く、簡単な解説記事でも興味を持って読んでくれ、面白いと感じてくれる読者がいます。一方、中国史は修羅の国さながらで、そもそも中国史に関心を持つ層は日本史と比べると圧倒的に狭く、手に取ってもらう確率は大分低くなります。その上、元々中国史に興味がある人はかなりマニアックな知識自慢が多く、実際に中国で会った中国史マニアの日本人はほぼみんな、「中国史に詳しいというのなら、俺とデュエル(知識比べ)しようぜ( ・´ー・`)」と確実に言ってくる連中でした。
 この手のマニアック層は何書いたって、「これに触れるならこれにも触れるべきだ」とか「一方の説しか引用してない」などとすぐケチをつけてくる人が多く、うかつな記事を書いたらなんかめちゃくちゃ叩かれそうだなと思ってこれまで書けませんでした。まぁこう言ってる私もこれまで他の記事にケチつけて来てるんだけど。

 今回は前述の通りネタに苦しんだのと、キングダムをひっぱりゃまぁ何とかなるだろうという目算が立ったから書いたのですが、ヤフコメとか見てると意外と反応は悪くなく、ケチ付けて来た人間もいるっちゃいますが、その内容については全部想定通りで反撃可能な程度のレベルだったので、なんか変に安心しました。
 夏にも中国史ネタでまた三週連続解説記事を書こうか書くまいかと悩んでましたが、今回の記事でそこそこ自信がついたので、恐らく書くことになるでしょう。

 最後に、この記事で言いたかったことを少し解説します。記事の結論部分で割とはっきり明示していますが、第一には秦の覇権は軍事力ではなく内政統治が他国に比べ圧倒的に優れていたからだということを伝えたかったです。キングダムは漫画ゆえに軍事面ばかりが取り上げられますが、実際の歴史ではその軍事力、並びに人材を支えた内政統治システムによって秦は他国を凌駕しており、地味なところにこそ国の力が現れるということを書こうと思いました。
 次に、ヤフコメでも「外国人をやたら強調して、日本にも外国人を採用しろと言いたいのか」みたいなコメントが見られますが、実はこの「外国人」というのはミスリードを誘う呼び水でした。私が何を言いたかったのかというと、「外国人だろうとなんだろうとかまわないから、もっと実力本位で人材を抜擢すべき」ということでした。

 正直に言えば、私は国の力になってくれるというのなら外国人(ゴーン)でなくても、宇宙人、エルフ、妖怪の類でも要職に抜擢すべきだと考えています。もっとも妖怪とはいえ、ねずみ男が自ら売り込んできたらさすがに帰ってもらいますが。
 なんとなくですが今の日本は外国人はおろか、日本国内にいる日本人ですら有為の人材をきちんと抜擢できず、人材を無駄に潰しているように見えます。政界なんかが特に顕著ですが、実力とかそういうのではなくほぼ完全にアピール力、どれだけ目立つかだけを指標に選別している節があり、先日自殺した三宅雪子のように、本来そうした世界に来るべきでなかった人まで巻き込んでしまっています。

 そうした実力主義というテーマを敢えて「外国人」というカバーにかけて今回放出しましたが、さすがにここまで読み込んだ人はコメントを見る限りいません。もっとも私自身が読み取れる人が現れることまで期待しておらず、自己満足で終わらせようとした裏テーマに据えていましたが。

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