2008年11月20日木曜日

シャッターカルテル容疑のニュースについて

 本日朝日新聞の朝刊一面にて、公正取引委員会がシャッターメーカー大手三社に対して価格カルテルを結んだ疑いがあるとして各社へ立ち入り検査したという記事がありました。

 私は以前にこのブログで書いた、「カルテル連続摘発の報道について」の記事の中で、連続して明るみとなった巨大国際カルテルに引き続きこうして日本国内でも十数年ぶりに鋼板会社でカルテルが事件化した背景などについて書きましたが、記事の中には書きませんでしたが、今後しばらくこうしたカルテル事件が続発するだろうと予想していたら案の定すぐにこれです。こんなことならもっとはっきりと言っておけばよかったと、少し後悔してます。

 それはさておき、何気に前回の日本で起こった、立証、処分はまだされていませんが疑いをもたれている大手鋼板メーカーのカルテルの事件も、今回の事件に無関係ではないようです。というのも朝日新聞の記事で今回のシャッターカルテルについて、シャッターの主材料となる鋼板の価格を鋼板メーカーが一斉に値上げしたのを受けて、シャッターメーカーも足並み揃えて原価分の値上げをカルテルにて行った疑いがあると報道しています。その値上げされた分が本当に原価分だけなのかどうかはわかりませんが。

 今回捜査が行われているシャッターメーカー三社は以前にも、77年と89年に二度もカルテルを行っており今回でなんと三度目の捜査ということですが、こうしたことが度々行われることについて朝日新聞はシャッター業界自体が業者数が少ない業界で談合がもたれやすい背景があったと述べていますが、確か2年前にマンホールメーカーの日之出水道器という業界をほぼ独占している会社が不正に全国の販売店に対して価格を統一するように働いていた(我ながら、しつこく覚えているもんだ)ということで事件化しましたが、今回もなんとなくそれに近いような感触を覚えます。

 それ以上に見逃せないのが、今回の値上げが鋼板の値上げを受けてという朝日新聞の指摘です。前回の記事で私は鋼板メーカーがカルテルによる値上げを行った背景には原油高があり、それに便乗して値上げを行ったが、原油価格が下がった現在もその値上げした価格を維持しているという一種の価格のねじれが今回の摘発につながったのではと書きましたが、今日のケースでは原油が鋼板、鋼板がシャッターに変わっただけで構図はほぼ同じで、原材料の値上げに乗じたカルテルです。逆を言えば、原油高に端を発する値上げはほぼすべての産業で今年の前半から行われているので、まだまだこういったカルテルが行われている業界があるのではないかということになります。こうした過程を踏んで、最初に言ったようにまだまだこうしたカルテル事件は続くのではないかと私は考えたのです。
 それにしても急に公正取引委員会もぐいぐい動くようになりましたね。補足をすると経済が上り調子の時にこうした事件を摘発すると全体の景気の足を引っ張る恐れがあるので、今のように景気が後退期に入ったから公に捜査するようになったのではないかと、またも深読みしすぎかもしれませんが考えてしまいます。

 最後にこうした事件について、やはりというか前回の記事を書いた今日に至るまで、前回に取り上げたカルテル事件三つの続報はどのメディアもやりませんでした。あくまで私の見える範囲ですが、割と意識的に情報をチェックしていたので、それにも引っかからなかったことを考えるとどのメディアもやはりというか敢えて追加取材をやらなかったのだと思います。
 こうしたカルテル事件や大企業の事件の場合、ある一定の範囲を超える社会的に大きな不正、例を挙げると全国規模の食中毒事件や利用者が死亡するなどの事件が起こらない限り、企業をスポンサーと仰いで広告料を受け取る側のメディアは機嫌を損ねるのを恐れて、ある程度の事件なら黙殺する傾向があります。それが先ほどの一定の範囲を超えると、今度はその企業に対してメディア総出で総叩きをするので、事件報道的に見るならギャップが大きすぎて一般人は何が問題なのかがわかりづらくなるデメリットがあります。
 雑誌の「週間金曜日」は、自分たちは広告料だけでやっているから真に公正な報道を行っていると主張していますが、これはこれで購読者の中の主な購読層を逃さないために、逆に購読者の機嫌におもねるような報道ばかりになることもあるので、絶対的に正しいということでもないと私は思います。

 じゃあどんなメディアが公正なのかというと、これは言ってしまえば簡単です。購読料に頼るメディア、広告費に頼るメディア、購読料と広告費の両方に頼るメディアと、経営主体が別々のメディアが乱立することです。こうすることにより、社会的には全角度から情報を吸収できます。ある意味でこうした私のブログなんかも一切儲けとは関係なく私個人の意見が展開され、それに加え他の方からコメントがあれば複数人の意見を一つのページにパッケージもできるので、社会的にも価値が全くないわけじゃないと思います。他のメディアがあまり取り上げないこうしたカルテル事件をしつこく書くくらいだし。

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